lunch cover_e

image credit: youtube

 小中学校を思い出はと聞かれると、「学校給食」を思い浮かべる人もいることだろう。

 日本では、お弁当を持参しなければならない学校も中にはあるが、たいていの場合は給食が提供されている。

 日本の給食の歴史は、明治22年に始まったと言われている。時代ごとに食事のメニューが変化していく様を見ているだけでも、非常に興味深い。

 今から23年前の1996年といえば、日本では平成8年。学校で提供された食品が腸管出血性大腸菌O157に汚染されていたことから、児童が死亡する食中毒事件が起こり、複数の地域で大きな被害がもたらされた。

 この一件をきっかけに、文部省では学校給食における衛生管理改善を徹底する調査研究が行われ、以降学校給食は加熱調理を原則とし、生野菜サラダの提供が禁じられた。

 では、1996年のアメリカはどうだったのだろう。

 一般的に欧米では、当時も今も家からランチパック(お弁当)を持っていく子供たちの数は日本と比較して圧倒的に多いが、23年前のアメリカの子供用ランチボックスとその中身がどのようなものだったのか、早速見てみよう。

―あわせて読みたい―

世界の学校給食、最新版
まだまだ集まる。世界14の学校給食・お弁当メニュー
刑務所飯よりひどい?小学校の給食メニューがあんまりにもあんまりだと物議をかもす(イギリス)
給食費問題。アメリカ・メイン州で給食費未納の学生を罰したり、非難したりすることを公立学校に禁止する法案が提出
給食で残った食べ物をお弁当にして子供たちに渡す。アメリカで始まったフードロス対策


What Your School Lunch Might Have Looked Like in 1996

当時、子供たちに大人気だったランチセット

 1996年といえば、アメリカではビル・クリントン大統領として就任していた。また、セリーヌ・ディオンの「Because You Love Me」が世界的な大ヒットを達成。各FM局からこの歌が流れない日はないほどだった。

 聞き慣れたその曲を背に大人たちがカフェテリアでランチを済ませている時、子供たちは何を食べていたのだろう。

lunch2_e

image credit: youtube

 実は当時、人気だったランチボックスが存在する。クラフトハインツ(Kraft Heinz)社製造の「ランチャブルズ(Lunchables)」だ。

共働きの多い家庭では手軽で重宝したランチボックス


lunch5_e
image credit: youtube

 ランチャブルズは、ハムやクラッカー、チーズ、デザート類が区分けされたプラスチックのトレイにパッケージングされた、1食分のランチセットだ。

 共働きの多いアメリカでは、子供に持たせるランチの準備の手間が省けるアイテムとなり、更にスーパーでの販売価格も手頃で、結構重宝していたようだ。

 しかし、1997年にこの商品は問題視された。製造会社「クラフトハインツ」は、ランチャブルズを“子供向けのヘルシーな食事”として販売していたが、飽和脂肪酸ナトリウムの含有量が高いことが判明したのだ。

 例えば、Ham and Swiss Lunchablesには、大人が推奨される1日摂取量の47%となるナトリウム1780ミリグラムが含まれていたという。

 2000年以降は、子供たちの健康を考慮して低カロリーの食品がランチャブルズで提供されるようになったが、メニューには複数のバラエティがあるため、未だ健康面においては考慮されるべき商品となっている。

lunch4_e

image credit: youtube

CM効果でジュースやデザートも大人気に


 ランチボックスの中に入れる飲み物として当時人気だったのは、1991年に発売が開始されたMONDOというジュースだ。

lunch6_e

image credit: youtube

 従来の箱入りジュースと比較して、プラスチックの容器は柔軟性を持ち、ギュッと握ると絞れるようなデザインに設計された。

 製造会社は、子供の誤飲を防止するためにキャップ部分も安全なデザインにしただけでなく、リサイクル性を含むプロモーション戦略を導入したことでも大きな注目を浴びた。

lunch8_e

image credit: youtube

 またデザートは、チョコソースのついたプレーンなクッキーもしくはクリームソースのついたチョコクッキーがパッケージングされたDunkaroosが当時大人気となった。

 しかし、現在ではこの商品は製造中止となっている。

References:Great Big Storyなど / written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52282288.html
 

こちらもオススメ!

―料理・健康・暮らしについての記事―

うつ病や不安障害を抱える患者に医師が観葉植物を処方。自然との触れ合いを利用し健康状態を改善する取り組み
なるほどそうきたか!歯ブラシを使って針に糸を通す方法【ライフハック】
フランスの小都市がバスの運賃を無料に。車の利用者が減少しCO2排出量が削減。バスの旅を楽しむ人が増加
パンにパイナップルをオン!ドイツが生んだハワイアントーストのレシピ【ネトメシ】
小児期のトラウマが、今の生活にどのような影響を与えているかを知る心理テスト(占い)

―知るの紹介記事―

滝の上で立ち往生した一家、ボトルにSOSのメモを入れて川に流し望みを託したところ、無事救助される(アメリカ)
天然痘ウイルスを保管していたロシアの研究所で爆発事故が発生。バイオハザードの危険性は?
休暇中のパイロット、家族と飛行機に乗ろうとしたところトラブルが発生。自ら操縦を申し出て予定通りフライト(イギリス)
子供の頃飼っていた愛犬と泣く泣く別れた女性。7年後に引き取った老犬が同じ犬だったことの奇跡(アメリカ)
犬はニオイを嗅ぐだけで飼い主の恐怖心を感じ取ることができる(イタリア研究)
1996年のアメリカの子供たちに大人気だったお弁当セット。ランチボックスの世界