世界最大のオンライン小売Amazonは、米EVスタートアップRivanに電気トラック10万台を発注した、と発表した。

二酸化炭素を排出しないトラックを配達に活用することで、カーボンニュートラルに向けた取り組みをこれまで以上に加速させる。2021年からこの電気トラックの使用が始まり、2030年には注文した10万台を走らせる計画だ。

・パリ協定合意を10年前倒し

EVトラック購入は、AmazonのCEOジェフ・ベゾス氏が「クライメート・プレッジ」と呼ぶ、2040年までに完全にカーボンニュートラルにするという目標達成に向けた動きの一環。EVトラック以外にも太陽光など再生可能エネルギーの利用も進めている。

カーボンニュートラルを目指す動きはパリ協定の内容に沿ったものだが、Amazonが掲げている2040年までの達成はパリ協定合意内容を10年前倒ししている。これは、加速度的に温暖化などが進み、気候変動に一刻も早く対応しなければならないとのベゾス氏の危機感の表れだ。

・注目のEVメーカー

Rivanは新興の米EVスタートアップで、2018年のLAモーターショーで電気ピックアップトラックSUVを発表し、いま最も注目を集めているEVメーカーの1社。

そのRivanにとって、今回Amazonからの10万台という発注は当然のことながら最大の受注となる。Amazonへの納車は2021年から始まる見込み。

Amazonが今年2月、Rivanに7億ドル(約756億円)を投資していたことを思えば、今回のEV発注は突拍子もないことではない。ただ10万台というのは、世界最大の小売だからこそというスケールだ。

最近ではブラジルの森林火災などで環境問題が一層深刻化していて、Amazonの今回の取り組みが他企業にも影響を与え、また消費者への啓発となることも期待される。

Amazon press release

(文・Mizoguchi)