適齢期の女性にとっては、恋愛と切り離せないのが結婚。恋愛では許せても、結婚ともなると、相手の外見や性格よりも、収入や金銭感覚の一致など現実的な条件の方が重要になりがちです。



写真はイメージです



ブックオフ100円コーナーで好きな方を買うのが好き
 どこから見ても、健全そうな雰囲気の漂う夫婦。製薬会社勤務のSさん(40歳)と木本小百合さん(仮名・37歳・主婦)は、結婚相談所を通じて知り合いました。どうしても35歳までに子どもが欲しかった小百合さんは、成婚率が高いという高額な結婚相談所に入会し、見事、Sさんと結婚を前提のお付き合いを始めたのです。


 有名大学の理系学部を卒業し、次男で、実家は関東に持ち家。これ以上の好条件の男性には出会えないと思った小百合さんは、すぐに交際を申し込みました。そして、出会って半年のスピード婚を決めたそう。


「夫は、ギャンブルもしない、フィギュア集めみたいな変な収集癖もない、風俗にも行ったことがないっていうし、ロードバイクや車というようなお金のかかる趣味もない。無趣味で、ブックオフ100円コーナーから好きな本を買うのが好きだって言うんです」という小百合さん。


 まさに、金銭感覚もしっかりとして、家庭的なパパになりそうな男性。そんなSさんに、いったい、何があったのでしょうか?


◆店員への神対応を見て結婚を決意……
「よく、付き合う前に、外でご飯を食べた時の店員さんへの態度を観察しろ、っていうじゃないですか。店員への態度が、身内や親しい人への本性だって。夫と一緒にご飯を食べに行った時に、お店の人がうっかり飲み物を私たちにこぼしてしまったんです。服がびちゃびちゃに濡れたにも関わらず、夫は笑って『大丈夫です。ありがとう』って終始笑顔でした」


 まさにこれが決め手となったという小百合さん。しかし、外で見せる穏やかそうな顔とは裏腹に、家庭での性格は別人のようだったのです。


「一緒に暮らし始めてみると、『家事はお前の仕事』と言って一切やってくれませんでした。私も派遣社員で働いていたのですが、結婚式の準備が忙しく、妊活もしたかったので契約を終了しました。すると『専業主婦は無職と同じ』って。しかも、私が留守中に、持っていた本を全部捨てられていました。理由を聞いてみると『お前に本は必要ない』というんです。まだ結婚したばかりだったので、慣れない生活のストレスだと思って、夫の態度は気にしないようにしていました」。


 まさに家庭的な理想の夫のはずが、職場で出世できないストレスからか、専業主婦である小百合さんへのモラハラエスカレートしていきました。


夫はすごく学歴主義者なんです。結婚相談所でも『最低でもN女かT女』と言って、コーディネーターを呆れさせたそうです。私は、都内にある女子大卒なのですが、『聞いたことがない』と言われました」。


◆「馬鹿がばれるから喋るな」と妻に命じる
 まるで当たり前のように語りだす小百合さんですが、夫の言動は小百合さんの人格を否定しているとしか思えません。さらに彼女はこう続けました。



子どもが生まれると、会社の人たちに見せたかったみたいで、部署主催の花見に連れて行かれました。でも『馬鹿がばれるから喋るな』と命じられたんです。
 前日から作っておいたお弁当は『こんなレベルのもの、持っていけるか』と言って、家に置いて行かれました。実際に花見に行くと、家族で来ている社員がほとんどで、奥様が手料理の弁当を持参していました。夫は『うちのは料理が苦手なんで』とみんなの前で言うので、みじめな気持ちになりましたね……」と悲しそうな表情を浮かべました。


◆仕事を探していたら、夫は「お前はレジでも打ちに行けよ」
 2年前に娘が生まれてから、自宅で育児をしているという小百合さん。専門的なスキルもないため、再就職も見つからず、クラウドソーシングで見つけた簡単な入力作業などで小遣い稼ぎをしています。


 ある時、小百合さんが仕事を探していると「お前にできる仕事なんてない。レジでも打ちにいけよ。レジ」とSさんから馬鹿にするように言われたそうです。「まず、『レジなら』っていう夫の態度にむかつきましたね。夫の発言は、私のことを自分より下の人間って思っているのがにじみ出ているんです。
 つきあっていた頃に店員さんにニコニコしていたのは、人がいいからではなくて、本音では接客業の人を下に見ていたからだと思うんです。『こいつこんな仕事してかわいそうだな』って思いから、本音を隠すために笑っていただけだったんです……」


 まさに、砂の城のようにサーッと崩れ落ちていく結婚生活。スペックで選んだ結婚相手に悩まされている小百合さんは、子どものために我慢する日々を送っているといいます。


シリーズ気になる男性・彼・夫の意外な一面」―


<文/池守りぜね イラスト/Morimalu>