no title

 これからだんだん涼しくなると観光や旅行に出掛けたくなるシーズン。せっかくだしどうせなら “世界一” の名所を巡ってみたくなくない?

 というわけで、楽しみながら運動不足も解消できてしまいそうな「世界一急勾配な通り」なんてどうだろう。

 今年7月、イギリスウェールズ北西部のスノードニア国立公園内にあるフォルズ・ペン・スレフの急坂が「世界一急勾配な通り」としてギネス世界記録に認定された。

 これまでの世界一は、ニュージーランドダニーデンにあるボールドウィンストリートだったが、新たにフォルズ・ペン・スレフがチャンピオンの座についたようだ。


―あわせて読みたい―

2メートルを超える世界一大きい犬、グレート・デーンの「ジョージ」さんがついにギネスレコードに公認される
重さはなんと250g!ギネス記録に認定された日本のミュータント・イチゴ
またメインクーンの話をしよう。世界最長のギネス記録保持猫を超える猫がオーストラリアで発見される
とにかく巨大化。世界最大のテディベアは全長20メートルでギネス記録(メキシコ)
接着剤ギネス記録。直径7センチの接着面でつなげたシリンダーで17.5トンのトラックを1時間吊り上げ(ドイツ)


Street in Wales wins record for world's steepest

最大勾配37.5%という超急勾配なフォルズ・ペン・スレフの坂道

 フォルズ・ペン・スレフの急坂は、この町の見どころであるハーレック城の周りを取り囲む二つの道のうちのひとつだ。

 ハーレック城は13世紀に建てられたもので、アイリッシュ海を臨む突き出た岩山のてっぺんに鎮座。

 それを取り囲む道は、海抜とほぼ同じ高さの鉄道駅とそれより高い位置にある町の中心をつないで、アップダウンを繰り返しながらくねくねと続いている。

 登りの距離は330m、標高は50m、全体の平均勾配はわずか15%だが、場所によってはいきなり37.5%になる。

 ボールドウィンストリートの最大勾配が35%だというからそれよりも2.5%きついことになる。

 そのため安全を考えて一部のエリアは車両進入不可となっているようだ。坂の途中で対向車とぶつかってもすれ違うことができないのだ。

 反対側から車がやってくるのを防ぐために、北側半分は下りのみの一方通行になっているらしい。

ro3

image credit:Google Street View

ギネス認定により観光客が増えることでマナー違反者の増加を懸念


 今回、ボールドウィンストリートからタイトルをもぎとりフォルズ・ペン・スレフが栄冠を手にすることができたのは地元に住むグウェン・ヘッドリーさんの活躍が大きかった。

 ヘッドリーさんによると、

フォルズ・ペン・スレフの坂道に4WD(4駆)車を駐車してタイヤ4輪をすべてロックしたんだ。それでも1.8mも滑り落ちてしまった。この曲がりくねった坂道はよほど急勾配なのだと確信したよ

とのこと。

 そこでネットで調べてみると、フォルズ・ペン・スレフのほうがボールドウィンストリートよりも勾配が急なことに気付き、ひょっとしたらイケるんじゃあ・・・?と思ったそうだ。

ro4

image credit:Google Street View

 ヘッドリーさんは地域の活性化のためにもギネス世界記録を新たにすべきだ、と決意。しかし、注目されることでその代償が高くつくことも懸念された。

 ボールドウィンストリートが「世界一急勾配な通り」に認定されたとき、観光客が押し寄せて家屋が破壊されたり通りのそばに住む住民の家の庭に勝手に踏み込まれたりする被害が続出。

 観光客を乗せたバスが到着するたびにみんなが坂の真ん中で写真を撮るので通行が妨げられ、また勝手に個人宅やオフィスのトイレを使うマナー違反者も現れ、町は9万ドル(約960万円)の費用をかけて公共トイレを設置したのだとか。

 そういった不安も抱えつつの「世界一急勾配な通り」認定なわけだが、今後、フォルズ・ペン・スレフも観光客に大人気のスポットになる可能性大だ。

ro2

これまで「世界一急勾配な通り」だったニュージーランドダニーデンのボールドウィンストリート

首位奪還を目指してボールドウィン・ストリートを急勾配に整備か


一方、「世界一急勾配な通り」ではなくなってしまったボールドウィンストリートの現在はというと、ダニーデンの市議会はナンバーワンを奪還する方法を模索中なのだそうだ。

 道路を再舗装したりしてさらに急勾配を目指そうという意見もあるが、「世界一急勾配な通り」ではなく「南半球一急勾配な通り」に名称を変更すればいいだけでは?との声もある。

 また、ダニーデンの人々の中には、ボールドウィンストリートとフォルズ・ペン・スレフの急坂を同じカテゴリーで扱うのはどうなのか?と疑問の声もあがっているようだ。

 グーグルストリートビューでフォルズ・ペン・スレフ全体を見てみると、狭く曲がりくねっていて両側には深い草木が茂り山道感が強い。ストリート(通り)という雰囲気ではないのだ。

 それに比べてボールドウィンストリートのほうは町の真ん中に位置し車道としても使われていてちゃんとストリートという雰囲気だ。

 ボールドウィンストリートがさらなる急勾配に整備されてしまったらものすごい急坂になりそうだね。観光客は増えるかもしれないけれど地元住民の負担も増えるかもしれない。


Welsh town wants world's steepest street title
References:Amusing planetなど / written by konohazuku / edited by usagi

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52282232.html
 

こちらもオススメ!

―動画の紹介記事―

子猫という存在感の重さ。じゃれあって前足が口に入っただけでネットが激震
ヒョウ?ヤマネコ?それともUMA?イギリスでミステリアスな大型ネコ科っぽい生物の姿がとらえられる。
見てないっすよ!飼い主が食べているのをじっと見ていた犬だが、飼い主に見られると?
極度の干ばつで姿を現した約7,000年前のスペイン版ストーンヘンジ
あのUFO映像は本物だった!?機密指定解除で公開された未確認飛行物体は「本物」であると米海軍が認める

―料理・健康・暮らしについての記事―

古き良きアメリカのグランマのレシピ。長年愛され続けている2層のしっとりケーキ「レモンバー」の作り方【ネトメシ】
1996年のアメリカの子供たちに大人気だったお弁当セット。ランチボックスの世界
うつ病や不安障害を抱える患者に医師が観葉植物を処方。自然との触れ合いを利用し健康状態を改善する取り組み
なるほどそうきたか!歯ブラシを使って針に糸を通す方法【ライフハック】
フランスの小都市がバスの運賃を無料に。車の利用者が減少しCO2排出量が削減。バスの旅を楽しむ人が増加
駐車した車も滑り落ちてしまうほど!?イギリスにある世界一急勾配な通り(世界ギネス記録)