ギャンブルで借金を抱えた娘を救おうと、その母親が自宅を売却し大金を手渡した。「これで借金を返済しゼロからやり直してくれれば…」との思いから下した決断だったというが、娘にその願いが届くことはなかった。
■ギャンブルで借金まみれに…
英国で暮らしていた30代の女性が、数年前にインターネットを利用して遊べるオンラインカジノに夢中になった。
同じ頃に父の死、そして不幸な結婚生活ゆえに苦悩していた女性は何かに没頭することで楽になりたかったのか、あっという間にギャンブルに依存。日本円にして約590万円もギャンブルに使うなどし貧窮したものの、家族にはギャンブル依存をひた隠しにしていたという。
関連記事:政府は対策に乗り出すも…依存症患者の元家族が政策に警鐘
■約483万円を娘に手渡した母
女性の窮状に気付き手を差し伸べたのは現在65歳の母親で、最初のうちは「催眠療法を受けさせれば娘の依存症も治るのではないか」と考えていたとのこと。しかし何度予約を入れても娘は拒否。
借金も増えるばかりで焦った母親は、思いつめた末に「娘を助けるためならば」と自宅を売却し、約483万円という大金を娘に手渡したという。「これで娘も借金から解放される」と安心していた母親だが、その願いが叶うことはなかった。
■あっという間に0円に…
母親が用意したお金で借金を返済する予定だったにもかかわらず、女性はそれを使いまたしてもギャンブルに興じたとのこと。
しかもわずか2週間で全てのお金をつかいはたし、ついには「母さん、もう手遅れだよ」というメッセージを母親に送信し、自らの命をたってしまった。
■娘を喪った母の願い
娘を救おうと大事な家まで手放したにも関わらず、娘にそれを使い果たされたうえに先立たれてしまったこの母親。
現在は「このような悲劇がなくなれば…」とメディアの取材にも応じ、「ギャンブル依存症を治療してくれるクリニックがより増えることを願っています」とも話している。
日本でもギャンブル依存症は深刻だといい、今では治療が受けられる施設やギャンブル依存症専門外来もずいぶん充実している。「やらずにはいられない」と困っている人、またそういう人たちの家族は専門家に頼り、回復プログラムなどに参加することが望ましいそうだ。
・合わせて読みたい→六角精児、3回の離婚エピソード告白 現在の妻と再婚した理由が深い
コメント