Webサイトのなかで「お役立ち資料」などの項目で掲載され、個人情報の入力と引き換えにダウンロードを促すコンテンツを「ホワイトペーパー」といいます。

今回の記事では、Webサイトへの集客や、Webサイトからの見込み顧客情報を獲得する施策のひとつとして活用されている「ホワイトペーパー」についてまとめてご紹介します。

目次

1.ホワイトペーパーのWebマーケティングでの意味

2.ホワイトペーパーの目的

3.ホワイトペーパーの課題

4.ホワイトペーパーの種類

5.ホワイトペーパーの作り方

6.ホワイトペーパーのダウンロードの仕組み

7.ホワイトペーパーの事例

8.まとめ

1.ホワイトペーパーのWebマーケティングでの意味

ホワイトペーパーとは、もともと政府や公的機関が発行する「白書」という意味で、実情を調査・報告する書類を指していました。しかし近年、Webマーケティング用語として使われる「ホワイトペーパー」は、 商品・サービスに関連する「役立つ情報をまとめた資料」 を指しています。

Webサイトのなかでは、「お役立ち資料」などの項目で掲載されることが多く、資料の内容は、そのサービス分野の情報を求めているユーザーのニーズにあったノウハウ解説やデータが一般的です。多くはPDF形式のファイルで配信されています。

2.ホワイトペーパーの目的

ホワイトペーパーは、見込み顧客のWebサイトへの集客や、リード情報を得るための施策として使われています。

一般的に、ホワイトペーパー資料をダウンロードしようとするとメールアドレスや会社情報、サービス導入の検討度合いなど、個人情報の入力を求められます。資料の提供会社は、無料で情報やノウハウを提供するのと引き換えに見込み顧客のリード情報を得られる仕組みになっているのです。

これは、消費者の行動のプロセスが変化し、従来のプッシュ型の営業活動だけでは思ったような結果が出せなくなっている近年、潜在的なニーズを持った見込み顧客の情報を得て、育てる「リードナーチャリング」が重要になってきているからです。

ホワイトペーパーのダウンロードで獲得したリード情報は、その後、セールス部門がフォローやアプローチを行ったり、メールマーケティングやインサイドセールスの活動を通して潜在層から顕在層まで育成(ナーチャリング)したりすることで活用されていきます。

また、商品やサービスの購入を検討しているユーザーにとって、いきなり「購入」を決定するのは心理的ハードルが高いものです。ホワイトペーパー(資料ダウンロード)は購入に比べてユーザーも気軽にアクションできるため、潜在層のリード情報を広く獲得するのに役立ちます。このように、購入より一歩・二歩手前に設けられたCV(コンバージョン)のことを「中間CV」といいます。

エムタメ!過去記事

中間CV(コンバージョン)を設置して潜在層のリードを獲得しよう!

3.ホワイトペーパーの課題

ホワイトペーパーは、多くのコーポレートサイトサービスサイトで活用されている手法ため「ウチもやってみよう!」と思われる企業の方も多いと思います。

しかし実際、「見込み顧客がどんな情報を知りたがっているのか?」「どんな情報であればユーザーにとって価値があるのか?」「どこまでのノウハウを公開していいのか?」などを分析し、会社の各部門と連携を取りながら資料をまとめるのは、なかなか労力がかかります。

次の項目では、よくあるホワイトペーパーの種別を制作難易度とともにご紹介します。

4.ホワイトペーパーの種類

●サービス資料・カタログ 【制作難易度 低】

企業が最初に制作すべき資料。商品・サービスの概要や一覧、詳細内容、写真、価格等をまとめた資料です。
紙のカタログや会社案内などですでに制作している企業も多いと思いますので、制作自体はそれほど難しいものではありません。

●導入事例  【制作難易度 中】

商品・サービスをすでに導入いただいている企業の事例をまとめた資料です。導入済みの企業に取材を行い、導入のきっかけや成果、お客様の声などを掲載するのが一般的です。検討中のユーザーにとって、すでに導入しているお客様の成功事例や体験談は参考にしやすく、ダウンロードされる頻度も多いコンテンツです。しかし、掲載させていただく企業への許可取りや取材、原稿の確認、古くなった情報の定期的なアップデートなど、制作の手間はかかります。

●レポート・アンケート調査  【制作難易度 低】

サービスに関連する分野の実態調査や意識調査などをまとめた資料です。

アンケートや調査を外注する必要があるため、コストはかかりますが、あまり社内工数をかけずに作ることができます。また、情報価値の高い調査結果が得られれば、調査結果に関してプレスリリースを配信することもできます。プレスリリースから情報が拡散し、流入元が増えれば、メディアに取り上げてもらえる可能性や、リファラー(そのデータを参照して自社サイトに流入してくる人)が増える可能性もあります。

しかし、ホワイトペーパーとしては一般的にダウンロード数はあまり伸びず、競合や代理店からのダウンロードも多いのが特徴です。

リサーチ・調査を依頼できる主な会社

サービスにもよりますが、質問を考えて出稿すると1ヶ月ぐらいで回答が集まります。

●診断・チェックシート  【制作難易度 低】

会社の状況に応じたサービス導入前のセルフチェックシートや、自社の現状のレベルを判断するための診断など。Excelなどでつくることができるため、制作自体は簡単です。技術系の部門で、実際に使われている確認書類を公開できる体裁に整えるだけでできることもあります。

ただし、一般的にあまりダウンロード数は伸びないといわれています。

●ガイドブック  【制作難易度 高】

初心者向けに、商品・サービスの関連分野のノウハウを網羅的に学べるようにまとめた資料。

知識やノウハウを初心者でもわかりやすい言葉で、写真や図を交えて説明する必要があるため、制作の工数はかなりかかります。また、自社独自のノウハウであることが必要なため、外注するのも難しい資料です。

制作難易度は高いですが、ダウンロード数は一番伸びやすい資料であるといわれています。ただし、広く情報収集をしている層など、購買(CV)から遠い層からのダウンロードも多いため、この資料で獲得できたリードはナーチャリング(育成)する必要のあるものが多いのが特徴です。

●ノウハウ資料  【制作難易度 高】

テーマに特化し、知識やノウハウを詳しく解説する資料です。

営業部門や運用部門などから、お客様のニーズのありそうな企画を吸い上げるとよいです。他部門の力が必要なことも多く、作成のハードルは高いですが、専門的な知識が得られるためユーザーの満足度も高くなります。

5.ホワイトペーパーの作り方

では、上記のようなホワイトペーパーを作るためには、どのように作業を進めていけばよいのでしょうか?

私たちがおすすめするのは、まずは社内の各部門へのヒアリングを行うことです。営業部門、サポート部門、技術部門などから「お客様とのやり取りで実際によく聞かれること」「よくある失敗例」などを聞き出し、それらの情報をまとめることで、オリジナリティがあり、情報を求める潜在層に役立つ資料となります。

社内ヒアリングのポイント

営業部門に聞く

  • お客様からよく聞かれること →チェックシートアンケート調査などの資料に生かす
  • よくネックになること →ノウハウ資料に生かす(課題の解決方法を書く)
  • 自社が勝てるポイント →比較表、要件定義書に生かす

サポート部門に聞く

  • よくつまずくポイント →「よくある失敗」資料に生かす

開発・技術に聞く

また、テーマと内容が決まったあとは、資料の名前を検討することも大切です。潜在層が求める情報をわかりやすく表現し、「役に立ちそう」「ダウンロードしてみたい」と思わせるタイトルの工夫が必要です。

6.ホワイトペーパーのダウンロードの仕組み

前述したように、ホワイトペーパーの目的は、ダウンロード時にユーザーに入力してもらう個人情報により、潜在的なリード情報を獲得し、営業からアプローチをしたり、ナーチャリングをしたりすることにあります。

しかし、せっかくリード情報を獲得しても、その後のフォロー体制やリード活用の方法が社内で定まっておらず、施策がまわっていない…という課題もよく聞きます。

そのため、ホワイトペーパー施策のPDCAをうまくまわし、目的を達成するためにはMA(マーケティングオートメーション)ツールなどのシステムを導入するのが効率的です。

MAツール「BowNow」には、ダウンロードフォーム作成機能があり、同ツールで作成した入力フォーム経由で資料をダウンロードしたリード情報は自動的にシステムに登録され、条件抽出によるリストの精査や、ナーチャリングのステップをスムーズに進めることができます。

参考リンク

MAツール「BowNow」

7.ホワイトペーパーの事例

最後に、ホワイトペーパーを活用している各社の事例をご紹介します。

クラウド会計ソフト「freee」お役立ち資料

「製品資料」「事例集」「IPO準備・上場準備」「バックオフィス」などのテーマ別に資料を用意。資料のなかには、動画による説明もあります。ダウンロードページには資料の目次を掲載し、ユーザーがこの資料をダウンロードすることでどんな情報が得られるかを明確に示しています。

名刺管理「Sansan」資料ダウンロード

サービス概要」「活用例」から識者へのインタビュー、最新のマーケティングノウハウを踏まえた「お役立ち資料」など多彩なテーマで展開。資料デザインへのこだわりも感じられます。ダウンロードページでは「こんな人におすすめ」情報や「読了時間」も明記されています。

人材マネジメントシステム「カオナビ」各種資料

「3分でわかる」早わかりガイドや、導入事例集、識者の対談レポートなど、コンテンツテーマに工夫を凝らしています。

MAツール「BowNow」資料ダウンロード

サービス概要を紹介する資料から、意識調査レポートなどのマクロデータユーザーが便利に使えるチェックシートなど、検討中のお客様のニーズを考えた資料が揃っています。

8.まとめ

このようにホワイトペーパーを活用した施策は、はじめること自体のハードルは比較的低く、潜在層のニーズを分析し、自社のノウハウを棚卸しすることで資料を作成することができます。

ただし、施策のPDCAをまわし、アフターフォローやナーチャリングを進め、成果を得るためは「社内体制を整える」「ツールシステムを導入する」「現実的な指標・KPIを定める」などの対応も必要です。目的とフローを明確にして、ホワイトペーパーをうまく施策に取り込んでいきましょう。