東京オリンピック開会直前の1964年10月1日に開業した東海道新幹線は、世界初の高速鉄道となった。一方の中国は、2007年になってようやく中国初の高速鉄道が開業し、日本より40年以上遅れたスタートとなったが、今や総延長距離でも営業時速でも日本を上回るようになり、急速な発展を遂げた。

 そのため、中国高速鉄道は「中国の誇りであり、外交の名刺である」とよく言われるが、中国メディアの百家号は、「高速鉄道の起源は日本なのに、なぜ中国で発展を遂げたのか」と題する記事を掲載した。高速鉄道分野で日本はすでに遅れた国になったと主張している。

 中国高速鉄道が日本を上回ったと主張する理由として、記事は「わが国の技術力が高かったからだ」と主張、高速鉄道の基本的な技術を日本をはじめとする国から導入した後、中国はそこで立ち止まることなくさらに研究を続けて改良を加えたのだと論じた。

 また、需要の大きさの違いもあると記事は指摘。国土が大きく人口も多い中国では、高速鉄道を発展させるうえでの十分な市場があったが、日本は国土面積が小さくて人口も少なく、しかも複雑な地形で建設コストも高いため、中国に後れを取るようになったと主張した。

 記事は「日本発の高速鉄道で日本を追い越した」と中国の高速鉄道を誇らしげに伝えているが、それも中国では国家戦略に位置付けられているからできたことだろう。中国高速鉄道は2018年9月の時点で負債総額が約86兆円もあると言われ、採算の取れない路線が大半を占めるなかで、いまなお路線の拡張を続けている。採算の点でいえば、中国は日本から学ぶことがあるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

わが国は「日本発の高速鉄道で、日本を追い越した」=中国メディア