景気や時流によって移り変わっていく、食のトレンド。今ほど「とんかつ」に脚光が当たっている時代はないだろう。デキる男たるもの、油分過多など些細なことは気にせず、とんかつランチで午後の仕事の英気を養うべし! そこで今回は、マニア直伝「とんかつ最強の食べ方」を伝授する。

◆肉の大きさ・衣の厚さで塩、ソースのつけ方をチェンジ

 とんかつ好きが高じ、自身の店舗「焼鳥今井」の隣に空き店舗が出るや、とんかつ専門店をオープンした今井充史氏。店で出すとんかつのみならず、その「食べ方」にもこだわりが詰まりまくっていた。

「最初は味噌汁。そしてご飯をそのまま一口いただき、次にとんかつの順で食べます」

 とんかつは一般的に、上から見て幅が狭い側に脂身が偏っている。今井氏が1切れ目に手をつけるのは、幅の広い「肉側」の2~3番目だ。

「そこが火入れの状態が一番ちょうどよく、肉と脂のバランスも絶妙なんです。次に『脂身側』の端から2切れ目で脂のうまさを味わい、『肉側』の端で少しコリッとしたスジ部分の食感を楽しみます。そして余熱で火が入る真ん中の部分を食べて、最後に『脂側』の端、脂の余韻で締めますね」

 最初はそのまま、または塩で食べて、最後の2切れくらいをソースで食べるのが今井流だ。

とんかつはその食感もおいしさのひとつ。サクサク感を維持するためにソースはその都度で。肉が分厚いとんかつは、ジューシーな肉の部分を一番に味わいたいので、肉の断面が歯に当たるよう横にしていただきます」

 今井流において正解は一つではない。そのとんかつの個性次第で何通りもの楽しみ方があるのだ。

★推しとんかつ屋「すぎ田」
浅草の名店・すぎ田の特徴は、「素材を見て揚げ具合もその都度変えていらっしゃる。キャベツやご飯、味噌汁、漬物や辛子に至るまで素晴らしく、とんかつという大衆食をひとつの“料理”として昇華されたと思います」(今井氏)

【今井充史氏】
焼き鳥とんかつ料理人。’18年12月に念願だったとんかつ専門店「とんかつ七井戸」を開店。「とんかつだけでなく、ご飯や味噌汁ソース、塩などすべてに理由があるバランスの取れた定食屋を目指しています」
<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[灼熱のとんかつウォーズ]―