今年の2月、アメリカで6つの州をまたぐ巡回控訴裁判所は、コロラド州、ユタ州、カンザス州、オクラホマ州、ワイオミング州およびニューメキシコ州において、女性が公共の場でトップレスになることを事実上合法化した。
コロラド州フォートコリンズ市に対して、トップレス合法化の訴訟を起こした2名の女性は、露出した乳房の写真投稿を許可しないインスタグラム上のハッシュタグ#Free The Nippleで、女性への平等な権利を求めてキャンペーンを行っている。
判決までに多額の費用をかけてきた市は、これ以上の資金をトップレス問題に費やすことは、市が解決すべき様々な問題の優先順位から見ても適切ではないと判断。市が控訴を取り下げたことにより、原告側は勝利を得た形となった。
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「公共の場でシャツを脱ぐことは男女平等への一歩」
インスタグラムのハッシュタグ#Free The Nippleで、男女平等の権利を求めてキャンペーンに参加しているブリット・ホーグランドさんとサマンサ・シックスさんは、コロラド州フォートコリンズ市を訴え、「公共の場でシャツを脱ぐことは自分たちの権利であり、男女平等への一歩」と主張した。
暑い日には、誰もが皆快適に過ごすべきであって、シャツを脱ぎたいと思うならそうすべきです。トップレスの女性がどのように見えるかではなく、女性も隣の人と同じ自由を持つべきだと考えてほしいのです。これは、人権平等にも繋がることです。
このように不平等の小さな部分に対応していくことは、日常生活において人々の扱い方に大きな違いを生む可能性があります。
トップレスを合法化することは、そうした平等の権利への一歩に過ぎません。(ホーグランドさん)
トップレス禁止の法律はステレオタイプの差別
原告2名を代表する弁護人は、次のように述べている。
トップレス禁止は、平等な権利への攻撃であり、ステレオタイプによる“違憲差別”に等しい。女性の体が純粋に性的であるという考えが、この法律によって逆に正当化されているようなものです。この法律を廃止することにより、女性や女性の体が単なる性的対象以上のものであるということを主張したいわけです。つまり、女性も男性同様、ただの人間だという主張です。
6つの州で事実上トップレスが合法化
女性2名の訴えを受けたコロラド州フォートコリンズ市は、女性のトップレスが合法化されると、子供たちの前で女性が胸をさらけ出したり、公共のプールでトップレスになって泳ぐ女性が増えたりするのではという懸念を示したが、裁判所はそれを退けた。
しかし、市は判決に対して控訴はしないままに終わった。次のステップとなると、最高裁判所での対応となり、更なる費用がかかるからだ。
訴訟成功の保証がなく、最高裁が取り上げるかどうかもわからない一件に裁判費用を更にかけるよりも、この都市において解決すべき問題はたくさんあり、それを優先させるべきだという考えに至りました。
と話しているように、トップレス問題に既に30万ドル(約3230万円)の裁判費用を支払っている同市としては、これ以上の裁判は無駄であると判断したようだ。
つまり、巡回裁判所による連邦判決となったため、コロラド州を始めユタ州、カンザス州、オクラホマ州、ワイオミング州、ニューメキシコ州の6つの州において、女性は公共の場でのトップレスが認められる結果となった。
トップレス合法化の判決は物議を醸す
#Free The Nippleキャンペーンに取り組んできたホーグランドさんとシックスさんは、
この一件では、世間に大きなインパクトを与えたはずです。男女の人権平等についてはまだ一歩進んだだけで、これから本格的に始まるといったところでしょうか。
と、ひとまずの勝利を喜んだ。
しかし、やはりこの判決には賛否両論があるようだ。
私は女性で、確かに全てにおいて男女は平等な権利を与えられるべきであって、この判決はそういう意味では重要だとは思うけど、実際にトップレスになると、女性がトラブルを求めているのではと思われてしまうのではないか。
コロラド州に住む女性がこのように語るのに対し、男性は、
この一件は、どうも法律の矛盾を感じる。男性は路地で排尿すると刑事告発されるのに、女性は公共の場でトップレスが認められるなんて。
という声を寄せている。
全国レベルでの解決には程遠いトップレス問題
アメリカは州により法律が異なるが、殊にトップレス問題については全国レベルでの解決となるとなかなか容易ではないようだ。
2017年、イリノイ州シカゴと一部地域、ウィスコンシン州、インディアナ州の巡回控訴裁判所では、シカゴのトップレス禁止を支持する判決が下されている。
つまりこれは、同レベルの2つの連邦裁判所が、非常に類似した状況において、2つの異なる判決に至ったことを意味している。
また、ニューハンプシャー州のレイクサイドで、規則に反して3人の女性がトップレスになった件でも、アメリカでは物議を醸しているという。この一件を審理するか否かについては、最高裁判所は年内には発表する予定ということだ。
References:kutv.comなど / written by Scarlet / edited by parumo
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