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オークションサイト『ヤフオク』の出品者を狙ったマレーシア詐欺なるものが今横行している。どのような詐欺なのか?

実際に出品したところ、マレーシア詐欺に遭遇したのでその体験談を紹介したい。

まず出品する物はスマートフォン、特にiPhoneなどを出品する。すると質問欄に現在の価格より多めの金額で「送料込みでお願い出来ないでしょうか」と投稿してくる。

例えばiPhoneを10万円で出品していたなら、「14万円で送料込みでお願い出来ませんか?」とし、更にメールアドレスまで記載。本来この質問欄にメアドの記載は禁止されており、直接のやり取りもしないようにと運営は注意喚起している。

直接のやり取りしてトラブルになった際は『ヤフオク』側は一切の保障をしてくれないのは当然だ。

実際の出品価格よりもかなり上乗せなので出品者は「これは美味しい」と思い食いついてしまいそうだが、実はこれは詐欺。どのような詐欺なのか紹介していきたい。

■わざと引っかかってみる

今回早速怪しいメッセージが届いたので釣られてみた。質問欄にgmailアドレスが書かれており、規制をかいくぐるかのように「xxxx @Gmail。com」となっている。本当に悪知恵が働く。

試しにこのメールに送って見ると……。数分後には次のようなメッセージが返って来た。案の定マレーシアに送れという内容のメールで「銀行に振り込むので口座を教えろ」という内容。
ここまでは日本語が怪しいにしても信じてしまう人もいるだろう。

“銀行から銀行への送金で支払いを行うには、下記のように銀行口座情報が必要になります。
口座名義人の名前 口座番号; 電話番号; 銀行名; スウィフトコード; 銀行の住所 送料を含む価格
そして、あなたはDHLの明白なポストまたはEMS日本郵便局を通してアイテムを掲示します。
これが郵送先です。
受け手の名前:Nadia Hadid
住所:60-63、Jalan Desa 2/3、Desa Aman Puri、52100クアラルンプールマレーシア
電話番号:+60164681670
ありがとうございました
(全文)”

これが詐欺で無ければ口座番号を教え先に振り込まれるはずだ。このマレーシア詐欺というのは銀行に振り込んだ証明書のPDFを先に送ってくる。そして荷物が届き次第送金されるシステムを使っていると言い張るのだ。もちろんそんなシステムは無い。そもそも今回こちらが教えた口座は実在せず、振込が出来ないはず。それを「振込が完了した」と言い張っている時点で詐欺確定だ。

で、ここは実在しない銀行名、口座、名義を教えてみた。名前はYamada Taroとか適当書き、電話番号も口座も適当。相手はそれでも振り込んだフリを装ってPDFを作成し「振り込んだので商品を発送してほしい」と言ってくるはずだ。

■待つこと数時間……

数時間待つと相手からメールが届いた。その内容は次の通り。

“こんにちは! 140,000円の合計を銀行口座に振り込みました。ここに領収書が添付されており、あなたがそれを見たことを願っています。それは緊急に必要であるため、すぐに送料を進めます。”

このような文章と同時に振込明細の画像を添付してきた。存在しない口座なのに振り込んだと言い出すのである。せめて口座が存在するかどうかくらい確認取って欲しい。雑過ぎる。もちろんこれは偽造されたもの。

相手は振り込んで領収書も見せたからさっさと商品を送れと要求。しかしこの段階で口座には振り込まれていない。相手が言うには「商品の到着と同時に振り込まれるシステム」または「発送のトラッキング番号を教えてくれたら振り込まれる」だそうだ。もちろんそのようなシステムは無いので騙されてはいけない。

メールで何度か相手から「早く商品を送れ」と催促が来るが、絶対に送ってはいけない。「入金が確認出来たら送る」と言るか無視しよう。入金前の発送催促は必ずと言っていいほど詐欺である。そのまま商品を取られておしまいだ。そもそもこのようなパターンは9割詐欺である。

■対策は?

このような被害に遭わないために心がけることは? それは『ヤフオク』に出品した際に、質問欄で直接のやり取りの要望が来ても全て無視すること。また通常落札後に今回の様に「マレーシアに発送してほしい、振り込んだので先に商品を発送してくれ」というパターンもある。これも危険なので「かんたん決済」を使うように心がけよう。

またこのような詐欺はマレーシア人が行っているわけでなく、摘発しにくいマレーシアで第三国の人が詐欺行為をしている可能性が高い。
そのほか特徴として発送先住所がMalaysiaの「Batu Caves」になっていることが多い。

■追記:2019年9月23日 16時50分

相手から催促のメールが届く。