10月3日(木)放送、上川隆也主演の刑事ドラマシリーズの最新作「遺留捜査スペシャル」(夜8:00-9:48、テレビ朝日系)で、上川がフェンシングに初挑戦。メインゲストの美村里江と“剣”を交えることが分かった。

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これまでに連続ドラマ5シリーズ、スペシャルドラマ6作が放送された本作は、事件現場に残された“遺留品”が持つ意味を徹底的に探り、遺族の心情をも救う優しさを持つマイペースな刑事・糸村(上川)の活躍を描く。

最新スペシャルで糸村たちが挑むのは、大手メーカー“梶田重工”の社長・梶田正彦(団時朗)が殺害された事件。臨場した糸村は、現場の屋敷に昭和48年のアイテムばかりが詰まった離れ部屋を発見。

その中に、平成時代のヒット商品である1体の人形を見つける。その人形を糸口に、殺人事件の奥に潜む真実に迫っていく。

捜査の過程で浮上したのが、美村演じる敏腕経営コンサルタント・牧村桃子の存在。趣味のフェンシングに打ち込む彼女のもとまで事情を聞きに行った糸村は、あまりのしつこさに辟易した桃子から「どうしても聞きたいなら、私に勝ってごらんなさい」と言われ、試合に挑むことになる。

■ 上川「とんでもなく過酷な競技」

フェンシングには“フルーレ”“エペ”“サーブル”の3種目があり、今回、2人が臨んだのは、中世ヨーロッパで貴族たちがプライドを掛けて対峙した“決闘”を起源とする、“エペ”。

フェンシングの全3種目中、最も重い剣を使う他、相手の動きを推測して駆け引きを繰り広げるため、“筋肉を使った心理戦”とも呼ばれる競技だ。

撮影当日、上川と美村は蒸し暑い体育館の中、“エペ”用の分厚い防具を身に着け、“ピスト”と呼ばれる試合コートへ。

騎士道から生まれたフェンシングでは礼儀作法が重んじられており、2人も審判からの「ラッサンブレ・サリュー(気を付け、礼)」の掛け声で丁寧にあいさつを交わしてから剣を交えた。

ともにフェンシング初挑戦の上川、美村は途中、専門家に構えや剣さばきについて細かく確認を仰ぎながら、迫力たっぷりに熱演。特にフェンシング上級者の桃子に“打突”されて糸村がもんどり打って倒れる場面では、息を合わせてスピード感あふれる立ち回りを披露した。

人生で初めてフェンシングに触れた上川が最も驚いたのは、プロの打突の“衝撃”。「体重の乗った一撃が先端7ミリぐらいの点になって“ドン!”ときますので、その重さに驚かされました。試合の場では本気でやり取りされているのでしょうから、フェンシングがとんでもなく過酷な競技であることを、あらためて思い知らされました」と明かした。

対する美村は、「撮影の前に型や動きを教えていただいたのですが、私は踏み込むとき、どうしても足の向きが内側に入りがちで、力強さが足りなかったんです。ピラティスの先生に相談したところ、“内転筋”を鍛えたらとアドバイスされ、バレエのバーレッスンを地道に取り入れて克服することができました」と、フェンシング経験者である桃子を演じるにあたり、撮影前から体づくりを重ねてきたことを告白した。

上川はまた、「今回、糸村がフェンシングとどう向き合ったのか、そこがこれまでにない切り口になっていて、『なるほど、こういうこともあるのか!』と思っていただけるような描かれ方になっているので、糸村というキャラクターのまた新たな一面をお見せできるのではないかと思っています」とコメントを寄せた。

上川隆也コメント全文

――フェンシングに初挑戦した感想は?

これまで「遺留捜査」ではロッククライミングや指揮などさまざまな挑戦をしてきたので、本作でも何かやることになるだろうとは予想していました(笑)。フェンシングは古い歴史を持つスポーツですが、どこか懐かしさを感じましたね。

というのも、僕は子どものころに剣道を習っていたことがあり、マスクの中から見る景色になんとなく“既視感”がありました。剣の形態も構えも戦い方もまったく違うのですが、それでもいざ“一本”を取り合うために相対しているという心情を含めた風景を、以前どこかで目の当たりにしたような気がして、ちょっと不思議な感覚を覚えました。

――フェンシングシーンでのエピソードを教えてください。

撮影では専門家の方にもお力をお借りしたのですが、攻防シーンでは当然、“打突“の瞬間も描かれます。相当に手加減してくださっていることは承知しているのですが、プロの打突はとんでもない衝撃となって、この身に襲い掛かってくるんですよ。撮影の合間に選手の方々にもいろいろお話を伺ったのですが、防具を着けていても体中、あざだらけだそうです。

――フェンシングシーンでの美村さんの印象は?

美村さんの装いがとても凛々しく、かつしっくりと馴染んでおいでで、その佇まいから美村さんがキャラクターをきちんと作り上げていることがうかがい知れるひとときでした。また、美村さんは選手の皆さんのちょっとしたしぐさをすぐにお芝居に取り入れていらして、そのフットワークの軽さも含めて、なんてポテンシャルの高い人なのだろうと驚きました。

■ 美村里江コメント全文

――「遺留捜査」シリーズの印象は?

初めて「遺留捜査」を拝見したのは「season2」でしたが、糸村さんの浮世離れした刑事像に衝撃を受け、一気に引き込まれました。「またまた“愛され刑事キャラ”が誕生したな」と思っていたら、やはり皆さんからの支持も厚く、シリーズも長く続いていらして…。今回、そんな人気シリーズに声を掛けていただいて本当にうれしかったです。

糸村刑事はひょうひょうとしていて半分、妖精みたいな人(笑)。“妖精”の度合いを上げると最後の説得力は落ちてしまいかねないのに、上川さんは絶妙な配合で“キレ者”の部分を残していらっしゃるので、ラストの説明もすとんとふに落ちましたし、今回、あらためて上川さんのすごさを実感しました。

――牧村桃子役を演じるにあたって大事にしたことは?

脚本を読んで、とてもぜいたくな役柄だなと思いました。桃子は才女であり、母親としても頑張っていて、過去にトラウマもあり、フェンシングが趣味と、さまざまな面を持っています。

最初は全ての面を思いきり演じたらバランス悪くなってしまうかなと思ったのですが、今まで見てきた「遺留捜査」を思い返したら、それでいいのだなと思えてきました。

糸村さんがいると、他にちょっと不思議な人がいても許されるといいますか、遊び心を持ってもいい役なのだなと思えました(笑)。それに、とにかく脚本が素晴らしく、このラストを迎えるならばどんなふうに演じても大丈夫だなと感じたことも大きかったですね。

今回は脚本、そして糸村さんの包容力に甘えて、思いきり楽しんで桃子を演じました。桃子だけではなく、魅力的な登場人物が数多く登場するので、幅広い立場のみなさんの心に響くドラマになっていると思います。

――フェンシングに初挑戦した感想は?

フェンシングは騎士道から生まれたスポーツでありながら、どこかダンスみたいな印象もあり、不思議な競技だなと常々思っていたのですが、まさか自分がやることになるとは…(笑)! 

撮影時に些細なことで気が逸れてはいけないと思い、剣やグローブを自宅に持ち帰って、時間の許すかぎり何度も手になじませたりもしました。京都での撮影だったのでエペの剣と一緒に、東海道新幹線にも乗りましたよ(笑)。そのかいあって、糸村と桃子のキャラクター性が垣間見える、迫力あるシーンになったと思っています。(ザテレビジョン

上川隆也と美村里江がフェンシングに初挑戦