働く堅実女子のためのビジネスで役立つマナー、今週は戸田美香さん(仮名・福祉関連会社勤務・30歳)からの質問です。

「私が働いている部署は、短期のアルバイトさんや派遣社員の方が多く、しかも入れ替えも激しんです。なので、名前が覚えられません。ご本人に直接言うことはさすがにないんですが、手が離せない作業中、手伝いをお願いしたくて“バイトちゃーん”と呼んだり、社員同士で業務の振り分けを相談しているときなどに“これは派遣さんの業務範囲内でいけるんじゃないかな?”などと言ったり、個人を指して“バイトちゃん”“派遣さん”と呼んでいるんです。そんな話を学生時代からの友達と話していたら、“それってパワハラだよ!社員の上から目線と排他感があるよ”と責められてしまいました。このように呼ぶのはパワハラになるのでしょうか。

また、出入りの宅配業者の方が集荷にいらしているとき、用事があるときには、その人に対して“クロネコさん”“ヤマトさん”と呼び掛けています。これはどうなんでしょう?失礼にあたるのでしょうか。教えてください」

たとえば上司や目上の方など、自分より立場が上の方については、お名前を知らなかったり、うっかりど忘れしてしまっても「部長はいらっしゃいますか?」「先輩はご同行されますか?」など、名前を言わずとも敬称を使うことで逃げられるケースがありますよね。一方、アルバイト派遣社員の方は、立場としては、社員のほうが上となるでしょう。また、宅配業者さんとの関係でいうと、委託側はお客様となり、これまた立場は上、となります。こういう場合はパワハラになるのでしょうか。名前がわからない場合はどうしたらいいのでしょう。鈴木真理子さんに伺ってみましょう。

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非正規雇用の方に対する言動には十分注意する

パワハラではありませんが、人として失礼です。非正規雇用の方に対する言動には、気を付ける必要があります。それは、相手が必要以上に区別されていると思われないようにするためです。もちろん「区別」と「差別」は違います。しかし、たとえ正規雇用側が「区別」だと思っていても、相手が差別と感じてしまえば、チーム感も働くモチベーションも損なわれます。バイトちゃん、派遣さんというような言い方はダメと心得てください。ちなみに、社内で「男の子」「女の子」と性別で区別するのもいけません。「女子」という言葉に敏感に反応する人も少なくないのが現実です。

相談者さんの相談の中に、「社員同士で業務の振り分けを相談しているときなどに“これは派遣さんの業務範囲内でいけるんじゃないかな?”などと言ったり」というくだりがありますね。このケースでは、個人を指しているとのこと。当然、お名前で用いるべきです。ただし、たとえば全体会議の中で「この業務は派遣のみなさんにお願いしたいと考えています」などというケースなどは例外です。これの場合の「派遣のみなさん」は肩書きと捉えていいでしょう。普段でも、「営業部に問い合わせてみます」といった会話はありますよね。それと同様と考えていいと思います。

クロネコさん、ヤマトさんは会社名だからアリ 

一方、宅配業者の方を「クロネコさん」「ヤマトさん」と呼ぶのはどうでしょうか。これは、会社名だからアリとしましょう。声のトーンがぶっきらぼうだったり、ぞんざいな扱いをすれば当然失礼ですが、個人名を呼ばなければマナー違反ということはありません。何度も同じ方が来るようだったら、お顔を覚えて、「いつもありがとうございます」と謙虚なお声がけをすればいいでしょう。とはいえ、今回、お名前を呼ばずに社名で呼ぶのは失礼なのかな……と思ったあなたは、いつもお世話になっている宅配業者の方のお名前を憶えて、お名前で呼んでもいいのではないでしょうか。相手の方も嬉しいと思いますよ。

いつもありがとうございます。

賢人のまとめ

相手に必要以上に区別されている、と感じさせるのはいけません。「バイトちゃん」「派遣さん」というような言い方はダメと心得てください。「クロネコさん」は会社名なのでアリです。

プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションインストクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/

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