「スポーツに国境はない」という言葉があるが、なかでもサッカーはワールドワイドなスポーツと言えるだろう。Jリーグでも、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタや同代表FWダビド・ビジャなどの“欧州組”から、ディエゴ・オリヴェイラやマルコス・ジュニオールといった“ブラジル組”、さらにはタイ代表MFチャナティップを筆頭とする“アジア組”まで数多くの外国籍選手が活躍している。

 世界を見渡しても、つい数年前までトップレベルでプレーしていたあの選手が意外な国(リーグ)でプレーしている、なんて例は珍しくない。そこで今回は、世界各地に散らばる元スター選手たちを7名紹介する。

◆■エマニュエル・アデバヨール(トーゴ代表FW)

生年月日:1984年2月26日(35歳)
過去の主な所属クラブ:アーセナルマンチェスター・Cレアル・マドリードトッテナム
現所属先:カイセリスポル(トルコ

アーセナルレアル・マドリードなど名だたるビッグクラブを渡り歩いてきた長身ストライカー。2017年1月からトルコに拠点を移し、この8月にカイセリスポルと契約を結んだ。キャリア通算9つ目のクラブで託された背番号はまさかの「4」。それでも、デビュー2試合目で初得点を奪うなど、好スタートを切っている。

◆■ヤヤ・トゥーレ(元コートジボワール代表MF)

生年月日:1983年5月13日(36歳)
過去の主な所属クラブ:バルセロナマンチェスター・C
現所属先:青島黄海(中国)

現役引退が噂されるなか、今年7月に発表された新天地は中国甲級リーグ(2部)の青島黄海。意外な選択に思えるが、ユニフォームの配色は古巣バルセロナと同じ“青とえんじ”で、同8月にはヴィッセル神戸を指揮していたフアンマ・リージョ氏が新指揮官に就任。クラブの新プロジェクトに納得しての入団のようだ。本人はコンスタントに出場しており、チームはリーグ第26節を終えて、貴州智誠と並ぶ首位タイ。初の1部昇格を視界にとらえている。

◆■ニクラス・ベントナー(デンマーク代表FW)

生年月日:1988年1月16日(31歳)
過去の主な所属クラブ:アーセナルユヴェントスヴォルフスブルク
現所属先:コペンハーゲンデンマーク

16歳アーセナルに入団。ユヴェントス在籍歴も持つが、ピッチ内外での奇行が目立つ“お騒がせ男”として知られている。2017年から在籍していたローゼンボリを退団すると、今月2日に母国の古巣コペンハーゲンと短期契約を締結。実に15年ぶりとなる復帰を実現させた。来年の契約は今後数カ月の活躍次第だが、本人は「ハングリーであり、今までにないくらいやる気がある」と意欲十分だ。

◆■セバスティアン・ジョヴィンコ(イタリア代表FW)

生年月日:1987年1月26日(32歳)
過去の主な所属クラブ:ユヴェントスパルマトロントFC
現所属先:アル・ヒラル(サウジアラビア

ユヴェントスの下部組織出身で、かつて「イタリアの至宝」と呼ばれたファンタジスタ。2015年2月の加入以降、カナダトロントFCで中心選手として活躍していたが、今年1月にサウジアラビアのアル・ヒラルへ電撃移籍を果たした。チームはAFCチャンピオンズリーグでベスト4に進出しており、準決勝では元スペイン代表MFチャビエルナンデス監督率いるアル・サッド(カタール)と対戦。決勝に勝ち進めば、浦和レッズと“アジア王者”の座を争う可能性がある。

◆■セイドゥ・ドゥンビア(元コートジボワール代表FW)

生年月日:1987年12月31日(31歳)
過去の主な所属クラブ:柏レイソル徳島ヴォルティスCSKAモスクワローマ
現所属先:シオンスイス

Jリーグファンにも馴染み深いドゥンビアは、昨年夏にスペインジローナと3年契約を締結したものの、チームの2部降格を受けて退団。9月にシオンへの移籍が決定し、3年ぶりのスイスリーグ復帰を果たした。同リーグで過去3度の得点王に輝いた実績を持つなど、スイスは相性の良い地。元アーセナルアレクサンドル・ソングや元ウディネーゼのヴァロン・ベーラミら、新たな同僚と共にもう一花咲かせたいところだ。

◆■フアンフラン(元スペイン代表DF)

生年月日:1985年1月9日(34歳)
過去の主な所属クラブ:レアル・マドリードアトレティコ・マドリード
現所属先:サンパウロ(ブラジル)

ディエゴ・ゴディンやフィリペ・ルイスらと共に昨季限りでアトレティコ・マドリードを退団すると、新天地に選んだのはブラジルのサンパウロだった。“同期入団”のダニエウ・アウヴェスが10番を背負い、トップ下として新境地を開拓する一方で、フアンフランスペイン時代と同じく右サイドバックを担当。南米の地でも変わらぬ走力を披露しているようだ。

◆■セバスティアン・アブレウ(元ウルグアイ代表FW)

生年月日:1976年10月17日(42歳)
過去の主な所属クラブ:デポルティーボ、リーベル・プレート、ボタフォゴ
現所属先:ボストン・リーベル(ウルグアイ

プロキャリア通算の所属クラブ数で“ギネス世界記録”を持つウルグアイストライカー。今年7月に契約を結んだのは母国1部リーグに在籍するボストン・リーベルで、通算29クラブ目となる。これまでにプレーした国は、ウルグアイをはじめ、スペインメキシコイスラエルギリシャアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、チリなど計11カ国。新天地ではトレードマークの“背番号13”がすでに埋まっていたため、“113番”を着用してデビューを飾った。

(記事/Footmedia)

世界各地でプレーする選手たち [写真]=Getty Images