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「女性の40~50代は、家事や仕事だけでなく、子育てや介護などさまざまな負担が一挙にくる年代です。加えて更年期に入ってホルモンバランスが崩れ始め、それが睡眠にも影響を及ぼしがちです」

こう話すのは快眠セラピストの三橋美穂さんだ。三橋さん自身、50代に入ったころから睡眠不足に悩まされるようになったという。

「それまでよく眠れる体質だったのに、入眠に時間がかかるようになったのです。それから更年期の女性でもぐっすり眠れる方法を考えるようになりました」(三橋さん・以下同)

日本人の40~50代の女性は、睡眠時間が6時間に満たない人が半数を超える。これは世界的にも最も少ないことが知られている。睡眠不足は免疫力低下や体質不良、肌荒れ、くすみなどのほか、美容面にもその悪影響は計り知れない。

まだまだ暑さが残るが、そんな負のスパイラルに陥らないためにも、快眠のコツを三橋さんに教えてもらった。まず基本となるのは、体内時計を整えること。深夜0時までには眠りにつきたいところだ。

「やることが多くて眠りたくても時間が足りない、という人は睡眠時間を確保することを優先してください。7時間寝ると決めたら、逆算してその時間になったら思い切って布団にもぐり込んでしまうことです」

一方で、眠りたくても眠れないという人にはこんなアドバイスが。

「夜になっても眠れない人は、日中の運動量が不足している可能性があります。ウオーキングなど日光の下で体を動かして体を疲れさせると、自然と眠気が訪れるようになるでしょう。さらに、睡眠時に体温が下がることが大切。就寝前に入浴すると、体温のメリハリをつけるだけでなく、リラックス効果も得られるのでぜひ習慣化したいところです」

また、眠れないことで焦燥感に駆られ、それがいっそう不眠を招くという悪循環に陥ることも。

「そんなときは無理に眠ろうとせず、脱力してみたり、布団の中で深呼吸を繰り返したり、頭のマッサージをするなど試みてください。ただし、眠れないからといって夜中のスマホやパソコンはNGです。画面から発するブルーライトが目の奥の網膜を刺激して、ますます睡眠を妨げてしまいます」

寝室を快適な環境に整えることも心掛けたい。

「好ましくない寝室の環境は、さまざまな体の不調を招いてしまいます。まず、湿度の高い寝室はダニの温床になります。まめに換気をして、お天気のよいときはお布団を干す。少なくとも週に1回はシーツを、週に2~3回は枕カバーを替えましょう」

就寝時は寝室を真っ暗にすることが良質の睡眠には大切だ。

「まぶたから光の刺激が入ることで睡眠の質が低下してしまいます。寝室は暗ければ暗いほど、脳内で睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されやすくなります。また、睡眠が浅いと食欲ホルモンが分泌され、食べすぎて肥満につながってしまいます」

真っ暗な部屋では眠れないという人は、間接照明にする、アイマスクをするなど、まぶたから光の刺激が入らない工夫をしてみよう。