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(写真:AP/アフロ

国連の温暖化対策サミットで演説を行ったスウェーデンの活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)。「あなたたちを絶対に許さない」と、環境を破壊し続けてきた大人に強い言葉で怒りをぶつけたスピーチは、賞賛される一方で批判や揶揄も大いに浴びる結果となった。

「地球温暖化などでっち上げだ」と公言してはばからない米トランプ大統領は、Twitterで「彼女は明るく素晴らしい未来を夢見るとてもハッピーな女の子みたいだね」と、からかうような発言をして激しく非難された。そして、親トランプ派として知られる保守系放送局「Fox」でも、司会者のローライングラハムのコメントが大炎上している。

イングラハムは番組でトゥーンベリさんのスピーチの映像を紹介した後、冷め切った表情で「ぞっとしたのは私だけでしょうか」とため息交じりで視聴者に問いかけた。そして、唐突に映画『チルドレン・オブ・ザ・コーン』のワンシーンを流し始めたのだ。

チルドレン・オブ・ザ・コーン』は、アイザックという名の少年を中心とした子どもだけのカルト集団が大人を惨殺するホラー映画。番組が取り上げたのは、アイザックトウモロコシ畑で手下の子どもたちを集めて「信仰が試される苦難の時が来た。試練はすぐそこに迫っている。これが最後の試練だ」と演説しているシーンだった。

イングラハムはこの映画とトゥーンベリさんを直接結びつけた発言はしなかったが、「スティーヴン・キングの続編『チルドレン・オブ・ザ・クライメット(気候)』の公開が待ちきれませんね」と明かな皮肉を込めて言い放ち、コーナーを締めくくった。

当然ながら、ソーシャルメディアではイングラハムのコメントが槍玉に挙げられた。「ローラは何も間違っていない」と擁護する急進的保守層も一定数存在するが、「16歳の少女に対して攻撃的すぎる」「なんでこの人はまだテレビに出られているの?」「グレタアイザックならローライングラハムはペニーワイズ(『IT』のピエロ)だろ」「いや、アニーウィルクス(『ミザリー』の悪役)じゃないか」など、世界中から糾弾されている。

そして、彼女の一連の発言に激怒したのが、他ならぬイングラハムの実弟カーティス・イングラハムだった。彼はTwitterで「彼女は自分の3人の養子がこの先生きていく世界よりも、自分の給料のほうが大切なようだ。もう僕はあの人のために謝ることはできない。そのかわり、あの人の怪物じみた言動や意地の悪いコメントにノーを突きつけ続ける」と宣言した。