映画『男はつらいよ』シリーズなどで知られる山田洋次監督が26日、都内で行われた「第32回東京国際映画祭」ラインナップ発表記者会見に出席。同映画祭のオープニング作品となる山田監督作品『男はつらいよ お帰り 寅さん』について「長生きしてよかった」としみじみ語った。

【写真】広瀬アリスのメッセージも!『第32回東京国際映画祭』ラインナップ発表記者会見

 10月28日11月5日の会期で開催される同映画祭。32回目となる今年は、映画『男はつらいよ』シリーズ50作目『男はつらいよ お帰り 寅さん』が開幕を飾る。

 会見には山田監督のほか、同映画祭に作品が出品される手塚眞監督、足立紳監督、脚本家の中島かずき氏らが出席した。

 山田監督は「『隠し剣 鬼の爪』以来のオープニング作品で、光栄でございます」とコメント。『男はつらいよ お帰り 寅さん』について「今回の作品は、50年かけて作った映画という感じがして、不思議な気持ちです」と心境を語った。

 さらに故・渥美清さん演じる主人公・寅さんこと「車寅次郎」に関しては「CGで作るのかとも言われたんですが、そういうことはしない。デジタルでリマスターすると非常に綺麗になって、カットバックしても違和感がないんです。長い期間をかけて録った映画はいろいろありますけど、それでも17、8年。50年というのは決してなかったんじゃないかな。これから先も無理でしょう。普通は若い俳優が入れ替わるところを入れ替えないでやっているんだから」としみじみ。

 続けて「黒澤さんが『カットのつなぎ目に魔法が働くんだ』とよくおっしゃっていました。その魔法が僕には感じ取られたような気がしますね。ぼくも長生きしてよかった」と仕上がりへの自信をのぞかせた。

 なお、今年のフェスティバル・ミューズに就任した女優の広瀬アリスは、スケジュールの都合により欠席。ビデオメッセージにて「私で大丈夫ですかねという不安と喜びが入り混じってます。映画の良さを少しでも多くの方に伝えていけたらいいなと思います」と意気込みを語っていた。

『第32回東京国際映画祭』ラインナップ発表記者会見にて  クランクイン!