出産は一生に何度かしかない人生の一大イベントです。かわいい赤ちゃんを目の前にして喜びを感じる反面、実は分からないことだらけ…。どうしていいか分からなくて不安になった日々を思い出す人もいると思います。

そんな時、やさしく見守ってくれる人もいますが、そうでない人もいるのです。そうでない人「義母」から心無い一言をいわれ心に深い傷をママさん、A子さんの話です。

「おっぱい出てるの?」といわれて本当につらかった

A子さんの出産は、約20年前。初めての出産で、しか予定日より早く生まれた赤ちゃんは2500グラム以下の小さい赤ちゃんでした。小さい赤ちゃんはおっぱいを飲む力も弱いもの。1週間の入院期間は、おっぱいを飲む前と飲んだ後の体重を測って、どれくらいおっぱいを飲んだかを測ります。

赤ちゃんは思ったようにおっぱいを飲んでくれず、そうすると体重の増えも鈍い…体重計に載せるたびにまるで「あなたは駄目なお母さんね」と宣告されているような気さえしたとA子さんはいいます。そんな中、義母が夕方になると毎日やってくるのです。そして、毎回いわれることがあったそうです。

「おっぱい出てるの?」初めて赤ちゃんを育てるのに自分でもわからなくて不安でいっぱいなのに、そのようなデリカシーのないことを平気で言うのです。20年近く経った今でも忘れられない悲しい言葉の一つで、トラウマになっているかも…と話してくれました。「悲しい言葉の一つ」ということは、これだけではなくもっといろいろ言われた、ということです。

妊婦を経て出産する時期は、ある意味女としての幸せを最も享受するタイミングともいえます。その一方、出産後のママのコンディションは決していい訳ではありません。むしろ、初めての子育てで右も左もわからなくてオロオロするし、夜中の授乳があって寝不足になるし、里帰り出産でなければ、退院後に家事もやらなければならないとなると、コンディションは最悪!といっても過言ではありません。

そんな精神状態の中、息子の子供である「孫」は可愛いけれど、赤ちゃんのママである「嫁」は子育てマシンくらいに思って気遣いは無くなる残念な義母たちがいるのも事実です。

A子さんは、その時「自分が未熟なママだから、至らないからいけないのだ…」と自分を責めていました。でも今になって冷静に考えると、可愛いのは孫で嫁はどうでもいい、生まれた孫が大切なのであって、孫さえ産んでしまえば嫁はどうでもいいという態度だったな、ひどい話じゃない?と思えるそうです。なので、無神経な物いいをいくらでもしますし、バアバとしての自分の立場を守るために嫁を攻撃することもします。

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ホルモンバランスが劇的に変化するのでしょうがない一面も

今でこそ「マタニティブルー」という言葉がありますが、約20年前に子供を産んだママたちには今ほど認識されていなく「自分だけがおかしいんじゃないか?」と悩んでいた人もいると思います。でも、その「マタニティブルー」の原因には物理的な側面があるのです。

臨月にマックスに分泌される「エストロゲン・プロゲステロン」という女性ホルモンが出産とともにグンと減り、今度は母乳を出すための「プロラクチン」というホルモンが増えます。急激なホルモンバランスの変化は、気持ちに影響を及ぼします。

それがマタニティブルーの一因なのです。なので、それは避けられないもので、そうなるのが自然だと思って受け入れるのが一番です。

自分の身を守るために歯止めをかけることも大事

初めての子育てを自信持ってできる人なんて、この世の中に存在しません。当たり前ですが長男長女の子育ては、親にとって「初めてのこと」ばかりです。子供が小さいときだけでなくある程度大きくなってからも受験など「初めてのこと」に、その都度戸惑ったり困ったりします。

親が不安になると、子供も連動して不安になります。A子さんの友達のB子さんは、実家で不幸があった時に海外で暮らしていて、すぐには戻れない状況でした。詳しい事情が分からずB子さんが極度の不安な気持ちでいたところ、なぜか子供が嘔吐をしていたとのこと。「子供と親は連動企画なんだ」という事が分かるエピソードです。

外野がいろいろ言ってきても基本スルーでOKです。なぜなら、ママが笑顔でいることが子供の一番の安心材料だからです。なるべく気にしない、忘れる、という処世術を身に着けると、産後だけでなくそれから先の人生も心身ともに健康に過ごせます。