地球の環境問題が叫ばれている昨今。エコなエネルギー源の代表格といえば太陽光発電
最近では一般家庭にも普及し、屋根に太陽光パネルを設置している家も増えてきました。「うちにも設置したい」と考えていても、実は太陽光発電について詳しくないという人も多いようです。

太陽光発電・蓄電池の専門工事店と消費者が出会える専門サイトを運営する株式会社ソーラーパートナーズでは、アンケート調査を実施。太陽光発電設置済みの100名と未設置で現在太陽光発電設置を検討している100名への調査で、浮き彫りになったこととは?

「再エネ賦課金」って知ってる?太陽光発電を検討中の人は要チェック

太陽光発電設置を検討中の人は知っておきたい「再エネ賦課金」

皆さんは「再エネ賦課金」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「再エネ賦課金」とは正式名称を「再生可能エネルギー発電促進賦課金」といいます。太陽光発電をはじめとした自然の力を利用した電気を電力会社などが買い取る際に要した費用を、月々の電気料金の一部として電気の使用者が負担するお金のこと。

一般住宅の太陽光発電の場合は、余った電力を一定期期間買い取ってもらえるのですが、そのための費用も再エネ賦課金からまかなわれているというわけです。再エネ賦課金は広く電気の使用者すべてが、電気の使用量に応じて負担しています。

ソーラーパネル

その算定方法は全国一律の単価として毎年定められ、毎年5月分から翌年4月分までの電気料金に適用されることになっています。この再エネ賦課金は、余剰電力買取制度に代わって2012年7月1日から開始された再生可能エネルギーの固定価格買取制度によるものですが、実は年々各家庭の負担が大きくなっているのだとか。

2019年度の再エネ賦課金は2.95円/kWhと算定され、標準家庭の負担額にすると885円/月となっています。しかし、2012年度の再エネ賦課金は0.22円/kWhで、標準家庭の負担額も66円/月でした。

……そう、再エネ賦課金は2012年度以降右肩上がりに上昇し続けているのです。ところが世間一般では再エネ賦課金の認知度は低く、ほとんどの方がその存在すら知りません。

訪問販売会社からの説明で初めて知る人が多い

今回の調査でも、その認知度の低さが明らかになりました。まず太陽光発電を未設置で、太陽光発電の設置検討のために見積依頼をした100人に「再エネ賦課金のことを知っているかどうか?」とアンケートを取った結果、ちょうど3分の2の66%が「知らなかった」と答えています。

実際には「訪問販売会社からの説明で初めて知った」という方が約4割もいるなど、太陽光発電の導入を検討する過程で知った人が少なくありませんでした。太陽光発電設置を検討中であるにもかかわらず、多くの人が月々の電気代に大きくかかわってくる再エネ賦課金を知らない現状が浮き彫りになっています。

ソーラーパネル

また驚くべきなのは、太陽光発電を設置済みの人でも42%の方が「知らなかった」と回答したこと。しかし、このような結果になったのには理由があります。

今まさに変革の時を迎えている再エネ賦課金

2019年、10年間の太陽光発電の買い取り期間が終了する一般の方が、52万人いるといわれています。この52万人のうちほとんどが、2009年11月1日から2012年7月1日まで実施されていた余剰電力買取制度の前に太陽光発電システムを購入した人たち。

余剰電力を買い取る制度が始まる前は各電力会社が自主的に電気を買い取っていたため、再エネ賦課金自体がありませんでした。太陽光発電設置済みの人でも再エネ賦課金を知らないのは、無理もない話です。

再エネ賦課金はその名の通り、太陽光発電だけではなく風力発電バイオマス発電なども対象となっています。そのため、再エネ賦課金の内訳は8割以上が非住宅用、いわゆる野立てなどの産業用と呼ばれる太陽光発電となる結果に。住宅用は余った電気だけの売電なので、わずか6%にとどまっています。

ソーラーパネル

こうした状況もあり、各家庭における再エネ賦課金の負担を抑えるため、来年度からは現在の売電制度での新規受付は中止という方向で話が進んでいます。来年度の再エネ賦課金の単価がどのようになるのか。今まさに、各家庭における再エネ賦課金の負担は変化のタイミングを迎えているのです。

太陽光発電設置を検討中の方は、再エネ賦課金の動向をチェックしておくことをおすすめします。

 

【参考】
再エネ賦課金、4割が太陽光発電設置済みでも知らず~ソーラーパートナーズ調査~

1569793308