舞台銀河英雄伝説 Die Neue These第三章より、小早川俊輔碕理人のインタビュー前編の続き。メインキャストのそれぞれの印象やエピソード、そして舞台「銀英伝」の良いところを語ってもらった。

■前編「碕くんといると大阪弁なるわ~」も公開中

帝国軍の永田と加藤は良いバランス

ーー他のキャストさんについてもお聞きしたいです。自由惑星同盟の中の良さ、チームワークの良さはすでに別の方のインタビューでも伺っていますが……。

ヤン・ウェンリー役 小早川俊輔:伊勢くんは北海道出身なのに、関西人より関西っぽい!

オリビエ・ポプラン役 碕理人:ムードメーカーだよね。ほんとにアッテンボローそのまんまです。

小早川:(アレックス・キャゼルヌ役)米原幸佑くんも、年齢的にも僕らよりちょっと年上なので、本当にキャゼルヌみたい。何でも聞いてくれるし、視野も広くて、お兄ちゃんって感じ。(ユリアン・ミンツ役の小西)成弥は、自由惑星同盟で一番大人かもしれない。

小早川俊輔

小早川俊輔

:周りがすごくよく見えてるよね。

小早川:よく成弥本人にも言うんですが「今まで3回くらい生き返ってるやろ?」って。それくらい大人ですね。

:うん、すごく大人だし、すごく真面目。ふざけるときは年齢相応みたいな部分もありますが、考え方とかが悟ってる感じがしますね。

ーー帝国軍の方々はどうですか?

:(ジークフリートキルヒアイス役の加藤)将は……大型犬みたいな?

小早川:元気すぎる大型犬! 愛嬌があって。

:将は本当におもしろい。可愛いけど、そんなに歳は変わらないんですよね。

小早川:碕くんは将さんが2つ年下だから可愛さもあるんだろうけど、俺は将さんはひとつ上なので愛すべきお兄ちゃんのような方だなって思います。(ラインハルト・フォン・ローエングラム役の永田)聖一朗は、第一章の時に比べるとだいぶしっかりしたよ。

:第一章のときはふわっとしたイメージもありました。あいつは小型犬みたい。って考えたら将と良いバランスなのかな。

小早川:稽古外の空いてる時間でもふたりで話してたり、一緒にいることをよく見ますし。確かに良いバランスなのかも。

(左から)碕理人、小早川俊輔

(左から)碕理人、小早川俊輔

:そういう意味でも帝国と同盟ではみんな色が違いますね。双璧の畠山遼(オスカー・フォン・ロイエンタール役)と釣本南(ウォルフガング・ミッターマイヤー)もね。でもあまりみんなでごはん行ったり交流する機会はなかったかな……。第二章のときはどうだった?

小早川:第二章の方がそういう機会は多かったかも。でも帝国側の稽古動画をもらって進行具合をチェックしたりもしていたので、双璧の2人とも作品について話したりはしていました。あとフッキーさん(パウル・フォン・オーベルシュタイン役の藤原祐規)は第二章からですが、「変わった人」かなぁ。

:フッキーさんは他の舞台で共演したことがあったんですが、すごく真面目で、すごく自分を持っていて。

小早川:役の印象もあるかもしれませんが、「浮世絵の中に生きてる人」って感じがしますね。異次元で生活されてるようなイメージです。

:あまり絡んでないってことも大きいのかな。あとはジェシカ・エドワーズ役の汐月しゅうさん。最初に第三章のキャストが発表されたとき、僕としゅうさんの名前が並んでるから「ジャン帰ってくるの!? 回想で出てくるのかな?」ってお客様も動揺してましたね。

ーージャンとして出演されていた碕さんが別なキャラクターとして戻ってくると思うと、なんとなく不思議な感覚になりそうですね。

:そうなんですよね。ジャンと関係があるヤンもジェシカもいて。

小早川:確かに!

:そんなところも面白いですけどね。「銀英伝」のいいところって、いろんなキャラクターがいるから、いろんな役ができるわけじゃないですか。アンサンブルの方もいろんな役をやっていて、いいなって思います。この作品に帰って来れて本当に良かった。

(左から)碕理人、小早川俊輔

(左から)碕理人、小早川俊輔

小早川:大高雄一郎さんは、「おれ」って言う時のイントネーションがおもしろい。真面目な話しをしている時も「おれ」って言われるとみんな一度は笑っちゃう。でも優しいパパって感じかな。

:(フレデリカ・グリーンヒル役の福永)マリカちゃんは?

小早川マリカちゃんは役のまんまの子ですね。すごく努力家で突き進んでいく。視野も広くて、同盟には欠かせない人物に早くもなりましたよ!

:そう思ったら同盟の登場人物多いね。帝国6人、同盟8人。あとは新キャストで言えば、内堀克利さん(オフレッサー役)は以前に共演したことがあります。

小早川:僕は新しく加わった方々はまだどなたもご一緒したことがないので、今回共演できるのが楽しみです。

「銀英伝」は抜け出しがたいくらい没頭しやすい物語

ーー話は変わりますが、おふたりが思う舞台『銀英伝』の良いところとは?

:第二章で客観視してみて思ったことですが、初めてではわかりにくい難しい部分も映像と組み合わさることで臨場感や世界観がすごく伝わってきます。そして登場人物が多くて、その一人ひとりのストーリーも描かれているので感情移入がしやすい。なので、何回でも観て味わいたい作品です。第三章からでも観てみようかなっていう方にはぜひ観ていただきたいですし、それで「銀英伝」って面白いなって気付いてもらえたら舞台の第一章、第二章、原作、アニメなどでもっともっと「銀英伝」の世界を広げてみてもらえたらいいなと思っています。

碕理人

碕理人

小早川:壮大なスケールの宇宙での出来事を描いてはいますが、その中で起きていること自体は自分たちが普段生活している時でも共感できる部分がすごく多い人間ドラマです。一度小説・アニメ・舞台に踏み込んだら、なかなか抜け出しがたいくらい没頭しやすい物語だと思っています。

ーーファンのみなさまに向けてメッセージをお願いします。

:第三章にはオリビエ・ポプランという役で出演させていただきます。また新たなキャラクターが入ってきて、自由惑星同盟がどのようになっていくのか、キャストやキャラ同士の関係性なども、ぜひ舞台で体感してほしいなと思います。この第三章を見て、第一章・第二章を見返してみたいと思ってもらえるように頑張りたいです。

小早川:僕は3回目の ヤン・ウェンリーです。同じ役をずっと演じられることは全然当たり前のことではありません。謙虚に誠実にこの物語に取り組んできたものが、第一章、第二章、そして第三章と積み上げてきた舞台にあると思います。また今回はキャストも増え、物語も前に進みます。改めてカンパニー全体で気を引き締めて頑張っていきたいと思いますので、ぜひ劇場に足を運んでください。

(左から)碕理人、小早川俊輔

(左から)碕理人、小早川俊輔

取材・文=松本裕美 撮影=iwa

(左から)碕理人、小早川俊輔