
9月28日(土)、「行動する自由市民」という右派団体のイベントがあり、そこに参加することにした。
ちょうどその会場が大検察庁の向かい側にあり、午後3時頃に会場に着くと、何やら喚声が聞こえてきた。よく聞いてみると、「検察改革」というかけ声だ。
「行動する自由市民」のイベントには、国会議員、大学教授、軍出身の大学教授、弁護士、フランチャイズ店の代表が出演し、それぞれ現政権に関して話を進めていた。
そこに集まっていたのはせいぜい数十人。
このイベントには最近浮上している「国代(国家代表の略)トッポッキ」というチェーン店を展開している代表、キム・サンヒョン氏が出演した。
彼が注目されたのはフェイスブックに「文在寅は共産主義者、コーリンクは曺国(チョ・グク=法務長官)のもの」をハッシュタグつきで投稿したからだ。
これが報道されると、反日運動の時のように不買運動が始まった。
彼に賛同する人たち、特に右派のユーチューバーたちがこぞってこのことをネタにしたり、国代トッポキのチェーン店からトッポキなどを買ってきてそれを食べる動画を流したりしたため、チェーン各店舗の売り上げが伸びたという。
これに対し「積弊清算国民参与連帯」は、27日付でキム氏を「情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律」違反嫌疑で警察庁に告発したと30日に明かした。
それ以外にも店にはひっきりなしに脅迫電話がかかり営業妨害が相次いでいるという。
イベントではキム氏が出演しこう述べた。
「あのハッシュタグの後、名は明かせないけれどよくやったと励ましの声をいただきます」
「会社が傾くかもしれないのにそんなことを言っていいのかという人も多いですが、このままいけば皆がダメになるから今言ってるんです」
現政権が推進している経済政策は、会社と従業員、どちらに対しても厳しい状況をもたらしているという。
例えば、週15時間以上働くバイトの人には週休手当を出すという政策。
1日3時間働くバイトを5日間働かせるだけで15時間以上になってしまうため、週休手当として1日分多めにバイト代を支払わなければならなくなる。
店主は、そうならないようにバイトの人数を増やし小刻みに使うしかない。
しかし、それでは熟練バイトを育てることができないし、バイトの代わりに店主の労働時間が非常に長くなり、店の経営が立ち行かなくなる可能性もある。
さらに、政府はフランチャイズ店の本社に関しては「食材の原価をすべて公表せよ」という。
これは、マージンをいくら出しているのかをすべて明かせということになり、政府により値下げ圧力がかかれば経営努力を損なう危険性が高くなる。
そうしたことからキム氏は、これは民主主義ではなく共産主義だと考えたという。
イベントが終わり外へ出てみると、2時間経ったばかりだというのに、もっと多くの人が集まってかけ声をかけていた。
ユーチューブを見ると、そこには「検察改革、曺国支持」の人たちが集まっていた。
さらに、ソリプルフェスティバルというソウル市のソチョ区のイベント会場とも近かったのでそれに参加している人たちもいたし、また数的には劣勢であったが「曺国反対派」の人たちも集まっていた。
ワールドカップ応援の時のような喚声やまた歌声も聞こえてきて、混沌という言葉がぴったりのようだった。
また、ぞろぞろと地下鉄の駅から湧き上がってくる人波はゾンビのようにも見えた。
翌日の新聞には最大で200万人が集まったと書かれていたが、体感としてそんな多くはなかった。しかし、2年前の朴槿恵弾劾の時のような異常さが感じられた。
そんななか、小学生の子連れの母親が、我が子にこの集会の意味を聞かれて「罪もない人を追及している検察に、それは悪いことだと教えるためにこの集会に参加しているのよ」と諭していた。
子供はそれにうなずき、「検察は悪いんだね」と答えた。
今、検察改革を訴える人たちやその集会に参加している人たちは「自分が正しい」という信念を持っている。
曺国を支持する人たちは、彼のどんなスキャンダルに対してもすべてそれは検察が法務大臣が検察に手を入れさせないための脅し、またはフェイクニュースだと信じている。
日本のメディアにまで紹介されているあのすべての不正が曺国を罠にはめるためのものだと信じているということになる。
フェイクニュースはどっちなのか。本当に分からなくなってくる。
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