株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 一俊)は、2019年9月30日10月2日イタリア・ミラノで開催された「第25回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)中間大会」にて、年齢印象に大きな影響を及ぼすほうれい線を、長時間カバーすることが可能な新たな粉体表面処理技術を採用したファンデーション開発について発表をしました。今後は、ベースメイク商品などに本技術を応用していきます。


発表タイトル 
英文名 : 
「A novel powder coating technology for laugh lines to create an improved beautiful age impression」
日本名 :
「ほうれい線に対応した美しい年齢印象を与える新規粉体表面処理技術の開発」
発表者 : 株式会社コーセー メイク製品研究室 竹下卓志

 
発表内容の概要 
 顔の中でも、特にほうれい線は老けて見える印象を強く与える要素の一つです。これまでほうれい線をカバーする方法としては、ファンデーションなどにソフトフォーカス効果のある粉体を配合することなどが提案されてきましたが、時間が経つと表情の変化に伴う顔の動きにより化粧崩れが生じ、逆にほうれい線が目立ってしまうという問題がありました。
そこでコーセーでは、動きを吸収する自社独自開発の弾力性高分子を粉体の表面に被覆することで顔の動きに対して安定に粉体のカバー効果を発揮できるのではないかと考えました。この表面処理された粉体が顔の動きに柔軟に追従し、かつ均一な塗布膜を形成できるよう複数の高分子を検討し、最適なものを見出しました。効果検証のため、この新規粉体表面処理技術を用いた粉体を配合したファンデーション(開発品)を作製し、従来品との比較を行いました。その結果、塗布直後ではほうれい線がカバーできていた従来品でも、塗布8時間後においては、ほうれい線が塗布前よりも目立ち、その周囲にも化粧崩れが見られました。SEM-EDSマッピング(元素ごとの微視的分布を可視化する観察手法)を用いたレプリカ解析でもほうれい線部位に粉体凝集と、周辺部位での化粧膜の崩壊が確認されました。一方、開発品においては塗布直後から8時間後に到るまでほうれい線がカバーされており、レプリカ解析においてもきれいな化粧膜が維持できていることが示されました(図1)。



 次に、開発したファンデーションを使用することにより、見た目による年齢印象がどのように変化するかを検証しました。ほうれい線に悩みを持つ女性を被験者とし、従来品と開発品をそれぞれ塗布してもらい、塗布直後と6時間後の顔から、専門評価者の目視により年齢印象評価を行いました。その結果、従来品、開発品いずれも素顔の年齢よりも3~4歳若く見える印象を与えることが分かりました。しかし従来品においては、この印象は6時間後には失われ、素顔の年齢よりも5歳老けた印象を与えることが分かりました。一方、開発品においては、塗布6時間後も年齢印象に差は見られませんでした。つまり、塗布6時間後には開発品は従来品に比べ9歳も若く見せることができるという可能性が示唆されました(図2)。

 
コーセーは今後、本技術を活用して魅力的な年齢印象を与える化粧品の開発や、他の用途でも使える様々な粉体開発に応用研究を進めていきます。

 IFSCCについて 
国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)とは16,000名以上の会員を擁する世界的な化粧品技術者会であり、
最大の行事として、各国の化粧品技術者が最新の研究成果を発表・討論する国際学術大会があります。これには奇数年に開催される中間大会(Conference)と偶数年に開催される本大会(Congress)があります。






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