あちこちで見かける仮設の簡易トイレだが、使い方を誤ると大変な事故が起きる可能性があることをご存じだろうか。
■仮設トイレが爆発炎上
米国フロリダ州のセントオーガスティンという海沿いの町で先月28日朝6時半ごろ、ある建設現場の仮設トイレから大きな炎が上がり、付近一帯が燃えているとの通報により消防車が出動した。
近隣住民は大きな爆音に続いて4.5メートルほどの炎が上がったと証言しており、爆発事故であったことはほぼ間違いないとみられ、消火後に激しく燃えたトイレから炭化した女性1人の遺体が発見された。
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■タンク式トイレは火気厳禁
セントジョンズ郡消防本部および郡保安官事務所は、「遺体は白人女性のものとみられ、現在その身元の照合を急いでいる」と発表。市民に広く情報提供の協力を呼び掛けている。
また爆発の原因については、トイレのなかで女性がタバコに火を点け、これにより内部に充満していたメタンガスに引火したのではないかと考えられるという。
■オーストラリア軍の演習現場でも
仮設型簡易トイレの同様の事故は世界各地でまれに起きている。最もセンセーショナルに報じられたのは、2011年にオーストラリア・クイーンズランド州のロックハンプトン空港で起きた爆発炎上事故だ。
オーストラリア軍がその空港で米軍との合同演習を行っていた際、オーストラリア空軍に所属する兵士が仮設トイレで喫煙。一瞬にして爆発が起き、兵士は意識不明の重体で救急搬送されていた。
■トイレのタンクに貯まるガス
なお、トイレの古さはあまり問題ないようだ。昨年11月にはインドのナビムンバイで自治体が運営していた有料の公衆トイレが爆発し、利用中の若者が全身の40%に火傷を負った。
そのトイレは換気扇が回っており、便器には自動洗浄機能もついている最新式の簡易トイレだったが、タンクに自然と貯まっていくメタン、アンモニア、硫化水素といったガスだけはどうしようもなかったという。
ガソリンスタンド同様、仮設の簡易トイレも「火気厳禁」と覚えておきたいものだ。
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