10月から消費税増税を迎えた今、家計簿の見直しを迫られている方も多いのではないでしょうか。とくに普段から赤字家計が続いている場合、増税によって赤字額は増えつづける可能性があります。できるだけ早く黒字転換して、増税した後でも貯蓄できるよう家計の見直しが必要になります。

ここでは、家計簿が赤字になってお悩みの方に、見直してほしいポイントをご紹介します。

1.貯蓄とは別に予備費をつくる

生活費や保険、税金など、毎月発生する出費とは別に「貯蓄」の項目をつくっている方は多いでしょう。しかし、それとは別に「予備費」の項目を設け、万が一のときの出費に備えておきます。

手元にお金を残しておくという意味では「貯蓄」と変わりません。しかし、貯蓄からお金を引き出していては、なかなかお金が貯まりません。

そこで、予備費からの出費なら貯蓄を切り崩すことなく支出する前提でお金を貯めているので、突然の出費が貯蓄に影響しないのが大きなメリットです。

とくに冠婚葬祭の場合、ご祝儀や香典などのお金や交通費など、一度で万単位の出費が見込まれるので、貯蓄を使うと痛い出費になることも。「貯蓄」と「予備費」は別で考えるのがポイントです。

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2.収入に見合う娯楽費用を把握する

家計見直しの際、見直しを求められる項目の中に娯楽費があります。確かに娯楽費用は、通信費や家賃などとは異なり、削減しようと思えばいくらでも削減できる項目です。しかし、赤字家計の方の場合、自分の収入に見合った娯楽費用を把握できていない可能性があります。

ここでいう「収入に見合った娯楽費用」は、世帯年収やライフスタイルによって異なります。ただ、生活費にまで影響が出て、家計が赤字になるほど娯楽費用に充てている場合は多く使いすぎているかもしれません。

娯楽費用をゼロにする必要はありませんが、家計が許す範囲内で娯楽を楽しむことが大切です。旅行の費用や毎月のこづかいなどを改めて見直してみてはいかがでしょうか。

3.雑費・使途不明金をしっかり把握する

赤字家計の人は、雑費や使途不明金が黒字家計の人よりも多い傾向にあります。雑費や使途不明金は、可能な限り使い道を確認しましょう。

この中身をしっかりと探れば、家計簿がより正確なものとなり、場合によっては貯蓄や食費などの項目にあてる金額を増やせる場合もあります。

レシートを保管しておき、後からまとめて見直すか、レシートが発行されない場合は家計簿などにこまめに残しておく癖をつけて、確実に使途不明金を減らしていくことが大切です。

レシートの保管や家計簿の管理が負担に感じる方は、電子マネーやキャッシュレス決済など、利用履歴が残る決済方法がおすすめですよ。

4.減らすだけではなく増やす努力も必要

出費を減らすため、特売日にスーパーを利用したり、家族で節約に協力したりすることも重要です。しかし今後は節約だけではなく、お金を増やす努力も必要になってきます。

株式投資を始めたり、副業が認められている会社に勤務している方は副業を始めたりしてもいいですね。減らす努力だけでは限界があると感じたときが、収入を増やすタイミングかもしれません。

手元に残るお金が増えるのですから、お金を増やすことは家計や家族にとってもプラスになります。わずかでも収入が増えたら外食や娯楽費用に充てることもできるので、QOL(クオリティ・オブ・ライフ:個人の生活の質)の向上につながるはずです。

まとめ

家計簿を見直すだけでも使いすぎている項目がわかり、節約を意識しやすくなるものです。赤字家計の方の場合、見直す項目がわからなかったり、見直す項目がわかっても、それをうまく実行できなかったりすることが多いです。

家計のやりくりについて家族で話し合う機会をつくり、家族ぐるみで協力して実行できるといいですね。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。