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 近年、KFCバーガーキング、その他ファストフードチェーン店で植物由来の人工肉(べジミート)を使った商品が、テスト販売もしくはメニュー上で販売されており、各企業の競争率は上がる一方だ。

 ここに来てついに、世界最大のハンバーガーチェーン店マクドナルドが、カナダの一部地域のみの期間限定でベジバーガーを販売するという発表を、9月26日に行った。

 マクドナルドとタッグを組むのは、他のファストフード店への提供も行っているアメリカ・ロサンゼルスに拠点を置く、大手企業ビヨンド・ミート(Beyond Meat)だ。

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9月30日から12週間の期間限定でテスト販売

 ライバル社ともいえるバーガーキングが、インポッシブル・フーズ(Impossible Foods)社と提携して、植物由来のバーガー「インポッシブル・ワッパー(Impossible Whopper)」のテスト販売を開始してからおよそ半年後の9月26日、マクドナルドはついにベジバーガーを販売することを発表した。


 カナダのオンタリオ州南西部の28店舗で、12週間という期間限定ではあるが、プラント(植物由来の人工肉)、レタス、トマトを使ったPLTバーガーのテスト販売が30日から開始となったのだ。

 バーガーキングでは、ベジバーガーの売れ行きは人気上々で、顧客からの強い需要もあって、現在ではアメリカ全土で販売されているという。


 この半年間、マクドナルドは他社に倣う画期的な飛躍に向けて、ベジバーガーの販売時期を計算していたようだ。

 他社が次々とテスト販売を開始する中、時間の問題と言われていただけに、この発表がなされたことで植物由来の人工肉をマクドナルドに提供するビヨンド・ミート社の株価も、かなり上昇したと報告されている。

植物由来の人工肉は今や“トレンド”

 アメリカのカリフォルニアに拠点を置く企業「ビヨンド・ミート(Beyond Meat)」は、主に豆を成分とした植物由来の人工肉を製造しており、今年8月にもKFCと提携

 ジョージアアトランタKFC店舗でのみ、鶏肉を使わない植物由来のチキンナゲットと骨なしウィングがテスト販売された。


 ノルウェーのマクドナルドでは、既に今年3月からヴィーガンチキンナゲットが正式なメニューに導入されているが、ベジバーガーにおいてはまだデビューしたばかりだ。

 バーガーキングに先を越されながらも、非常に限られた期間と地域で慎重な滑り出しをした理由を、マクドナルドのグローバルメニュー戦略担当アン・ウォールグレン副社長は、次のように述べている。

なぜ、小規模のテスト販売なのか。それは当社がまだ学習段階にあるからです。このテスト販売は、我が社が飛躍となる前の、そして本格的な画期的メニューを導入する前の、大きな第一歩となります。

多くのファストフードチェーン店でベジミートを使用

 ファストフード店のベジバーガー販売は、間違いなくトレンドへの参入と言っていいだろう。


 今や、アメリカでは多くのファストフードチェーン店が、競うように植物由来の人工肉を使った商品を販売している。

 アメリカとカナダにフランチャイズ店を持つカールズ・ジュニア(Carl’s Jr)や、メキシコ料理のファストフード店デル・タコ(Del Taco)も、ビヨンド・ミート製品を販売。また、ティム・ホートンズ(Tim Hortons)はカナダで朝食用ソ-セージにビヨンド・ミートの人工肉を使って、テスト販売を開始したようだ。


 一方、インポッシブル・フーズ(Impossible Foods)社と提携しているピザチェーン店リトルシーザーズ(Little Caesars)では、アメリカの一部の州で人工肉のソーセージ・クランブルを販売している。


 また、インターナショナル・ファストフードチェーンレストランのウェンディーズWendy’s)においては、こうした人工肉人気を受けた顧客らが、署名運動を行い店のメニューに植物由来の人工肉を追加するよう依頼。署名には26000人以上が集まったということだ。

 なお、コンサルティング会社Alix Partnersが行った最近の調査によると、アメリカで肉を食べる人の61%が、レストランでヴィーガンもしくはベジタリアン料理を注文しているという。

ターゲットの顧客はヴィーガンやベジタリアンではない

 8月にベジミートを使ってテスト販売したKFC側は、この試みを「ヴィーガンベジタリアンを対象にはしていない」と述べていた。

 今回のマクドナルドでのテスト販売も、ヴィーガンベジタリアンの顧客を対象にはしておらず、厨房では肉と卵を使うグリルで調理されることを報告している。


 ちなみに、バーガーキングでは客からリクエストがあった場合のみ、別のグリルで調理されるという。

 マクドナルドやKFCのベジミート販売対象は、あくまでも普段肉を口にしている顧客であり、彼らが植物ベースの食事をすることでより健康的になり、環境への配慮が促進されることを目的としている。

References:news.com.auなど / written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52283133.html
 

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