図工(SeventyFour/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

熊本市東区の小学校で、いじめの調査報告書が図工の授業で使われる事態が起きた。先月には仙台市でも同じような事案が発生しらべぇ取材班は、教育委員会から詳しく話を聞いた。

■「マル秘」文書が…

熊本市教育委員会によると、2日に市内の小学校の2年生26名が参加した図工の授業で、用紙を切り貼りする作業を行った。担任はその作業に、職員室にあるリサイクルボックスの中にあった約30枚の用紙を使用。その中には「マル秘」と書かれた文書が混じっていたという。

文書には、1年生から6年生までの全クラスで確認された、いじめに関する調査結果がまとめられている。「叩かれた」「仲間に入れてもらえなかった」「グーパンチされた」といった内容や、子供達の実名がそのまま書かれており、加害者側の実名も含まれていたとのこと。

もちろん個人情報が書かれているものについては、シュレッダーで廃棄することになっている。児童の一人が家に持ち帰った作品を保護者が見て気づき、翌日学校側に連絡し、発覚に至った。

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■保護者に謝罪するも…

同校は3日、教頭や教師が保護者の家を訪れて謝罪。また、熊本市の教委も3日夜に会見し、頭を下げた。しかし、この文書は、一部マスコミにも流出していたという。

調査文書は養護教諭が管理し、コピーを渡したのは校長、教頭、生徒指導の担当者の3人で、誰がリサイクルボックスに入れたかは現時点では判明していない。

4日に教委の担当者が、同校を訪れ事実関係を調査中。誰がボックスに入れたのか、特定を狙う。校長と養護教諭修学旅行に同行しており、17時ごろに学校に戻ったあとで、臨時保護者会を開催し、この事案の説明を行う予定だ。

■「あってはならないこと」

熊本市教委の教職員課は、しらべぇ編集部の取材に対して、

「あってはならないことであり、また信用失墜につながる行為で、大変申し訳ない。なぜこのようなことが起きたのかを徹底調査し、再発防止策をこれから考えていく。児童の心のケアについても、カウンセラー派遣などを含めて、最善を尽くしたい」

と述べた。

■何重ものミスをしている

ネット上では、ミスを重ね過ぎだという厳しい意見があがっている。

「普通ならありえないミスの連鎖」

「教育現場に危機感というものは、存在しないのか」

個人情報保護法違反で罰せられるべき」

同じ政令指定都市仙台市で起きたばかりなのに、なぜ同じことを繰り返すのか。現場の教師は、世間のニュースや話題を気にしていないのかと疑ってしまう事態と言えるだろう。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

小学校のいじめ調査報告書が流出 図工授業で用紙切り貼りに使用