2017年に第一子を授かり、パパとなった、お笑いトリオロバート山本博さん。息子くんとの生活の中で感じた「?」や「!」をマンガに描き、昨年7月からインスタグラムで発信。そのイラストをもとに、山本さんがパパ芸人ならではの気づきを綴る本連載。第47回は、群馬県夏祭りと、初デートについて。山本さんの甘酸っぱい?人生初のデートの思い出。

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桐生市といえば、篠原涼子さんと八木節まつり
うちの息子を連れてお祭りに参加しました。群馬県桐生市の一大イベント、「桐生の八木節まつり」です。桐生市といえば篠原涼子さんの故郷ですが、その桐生市で行われる、我が群馬県で最大級のお祭りがこの「桐生の八木節まつり

昔は群馬の人だけが出かける祭りだったのが、最近は県外、さらには海外からも観光客が押し寄せて、3日間で60万人近い人が集まる、ロックフェス並みの賑わいです。僕もだいぶ昔に行ったきりで、いつの間にそんなにすごいことになってたの!? と気になっていたので、今年ようやく息子を連れて参戦することができました。噂以上の人だかりで、外国人も多いし、僕がしゃべった人は茨城から毎年必ず参加しているんだそうです。

祭りフィナーレでは太鼓や笛が鳴り響くなか、みんなで踊る「八木節音頭」があるんですけど、息子も2歳児なりに、あの異様な雰囲気というか、祭りならではの“魂の盛り上がり”を感じ取っていたみたいですね。

■人生初デート「おうら祭り」の思い出
うちの息子は、人だかりでもまったく怖がらないんです。一緒に行った僕の母ちゃんも驚いてましたね。「こんなのが好きなのかぁ。嫌がる子だっているからねぇ」って。もちろん、危ないから抱っこ紐でしっかり結んでいたんですけど、もう目を見開いて、人混みの方に行こう行こうとアピールするのです。

そして、一生懸命手を叩いて、大人たちに「ほらみんなやれよ」「もっと盛りあがってこーぜー」みたい感じで煽ってましたから。将来、絶対に祭男になるなって思いました。「八木節まつり」ほど知られてはいませんけど、我が故郷・群馬県邑楽町にも、「おうら祭り」という昔ながらのお祭りがあります。出店や屋台もそれなりに賑わいを見せて、祭りのフィナーレを飾る打上げ花火はなかなかのものなんですよ。本当にのどかな田舎の町なのに、花火が特に人気で、県外からも大勢の人が集まるんです。

邑楽町一世一代のイベントであり、僕にとってもいい思い出。なんといっても、人生初デートがこの「おうら祭り」でしたから。高校1年のときだったか、信じられないかもしれないけど、向こうからお誘いがあったんです。

「一緒に祭りに行かないか」って。でも、その頃の僕は、女の子全く接することもなかったし、何をしゃべっていいのかすらわからない。どうしよう、どうしよう、どうしよう……とオロオロしながら当日を迎えて、待ち合わせて、「お、じゃあ行こうか」と、祭りの端から端までずーっと歩いで……で、花火も見ずに解散です。情けないでしょ!

■息子よ、初デートのドキドキを味わえよ
もうね、何をしゃべったのかも、屋台で何を買ったのかも覚えてないです。女の子と一緒に歩いていることで頭が一杯になっちゃって、記憶は真っ白。手をつなぐことはもちろんできなかったし、写真も残ってません。ただただ屋台が並ぶ祭り会場の端から端まで歩いで、「あー、もう全部見たね……」と。2時間後に肝心の花火が打ち上がるのに「ここから2時間なんて絶対に無理!」って。それでも、家に帰ってずーっとドキドキしてたのは覚えてます。

「うわぁ、やべぇ。俺、女の子とデートしちゃったよ!」と。まあでも、それ以降一度も連絡はなかったんですけどね。そりゃ、女の子からすれば、自分を楽しませてくれる相手がいいですよね。それはわかってるんですけど、男子校で女の子との会話ゼロの奴に、そんなスキルないですよ。そこからはしばらく女の子と歩くのが怖くなっちゃって、こっちから女子に連絡することなんて当然できず、冴えない学生生活でしたね。

いつかうちの息子も、あのドキドキを味わう瞬間が来ると思うんです。父として、男として、何かアドバイス……はしないです。「お前もあの何をしていいかわからない絶望感を味わえよ」と言いたい。めちゃくちゃ大変だからな、初デート。まあでも、陽気なお祭り男なら、軽く乗り越えちゃうかもしれないなぁ〜。
(mamagirl

掲載:M-ON! Press