アルツハイマー型認知症の治療法にも活路

神戸大学大学院医学研究科・生理学研究所、米国国立衛生研究所、東京大学大学院医学系研究科の研究グループは、脳の中の神経細胞同士をつなぎ通信ケーブルとして働く軸索(神経突起)の周囲を層状に取り巻く髄鞘の機能障害で、運動学習が障害される時の神経回路活動基盤およびそのメカニズムを初めて明らかにしました。



これら髄鞘化された軸索は白質を構成し、神経回路において学習に大きく貢献することが知られていますが、髄鞘機能障害が神経回路活動にどのような変化をもたらすのかは明らかではありませんでした。



今回の研究では、白質の主要構成成分である髄鞘の機能障害があるマウスを用いた実験により、神経細胞の自発的な活動上昇が学習障害を引き起こすこと、およびそのメカニズム、さらにこの異常な神経活動を神経回路において補正することが学習障害の改善に有効であることが明らかとなりました。



今後、髄鞘機能の補正を神経回路レベルで行うことが、アルツハイマー型認知症などの病初期から白質機能が障害されている疾患に対する治療法の一つとなることが期待されます。この研究成果は、米国科学誌「GLIA」(8月29日)に掲載されました。



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神戸大と生理学研究所など、学習障害を引き起こす髄鞘機能障害の神経回路活動を解明



神戸大ら、学習障害を起こす髄鞘機能障害の神経回路活動を解明