Image: Andrew Liszewski/Gizmodo US

ひとり一着レベルの優秀さ! でもまだセレブ価格!

いつぞやお伝えしました、アウトドア界の救世主になるであろう、The North Face(ザ・ノース・フェイス)の通気可能な完全防水素材「Futurelight

マクロで見ると隙間だらけで、グニャグニャが折り重なった生地なのですが…あれが当時の予告通り、レインコートとして実用化されました。アウトドア好きは特に、米GizmodoのLiszewski記者によるレビューをご一読あれ。国内でも発売済みです。

The North Face Purist Futurelight Jacket

Image: Andrew Liszewski/Gizmodo US

これは何?:新開発の通気性の高い防水生地製ジャケット

価格500ドル~750ドル(約5万3,500円~8万円)

好きなところ:伝統的なゴム製やプラスチック製のレインコートのようではない着心地

好きじゃないところ:お値段が高い

NASAが何百万ドルもかけて開発した、高度に設計された宇宙服を着ることは出来ませんが、The North Faceの新しいFuturelight素材で作られたジャケットを着て雷雨の中に飛び出したときは、本当にエンジニアリングの驚異を身にまとっているような気分にさせられました。

使用されているのは、レインコートで使われるゴム素材とはまったく違う、防水の布地です。これは軽くて通気性が良く、快適で、内側と外側の両方をドライに保ってくれます。

消費者家電の展示会では場違いだったかもしれないが…

最初にお目見えしたのは、今年始めにラス・ヴェガスで行われた「CES 2019」でした。そしてこのFuturelightは、The North Faceにとって完璧なアウトドア・ウェアを作るための最新の試みとなっています。それは体熱と汗を不快な繭の中に閉じ込めず、風や水といった要素を寄せ付けません。

巻き取りテレビ折り曲がるスマホなど、消費者向け電子機器に焦点を当てた展示会では場違いな発明品だったように見えましたが、The North FaceはFuturelightという布を作るために「ナノスピン」 と呼ばれる新しい製造プロセスを開発しました。これは超極細の繊維を押し出して、複雑なクモの巣のような構造の大きなシートを作る、というものです。

宣伝通りスゴいものだった

このプロセスは、NASAが宇宙旅行の過酷な環境に耐えられる宇宙服を作るのと同じくらい技術的に聞こえるかもしれませんが…その結果、生地は数百万個ものナノスケールの穴が開けられた織物になっており、外部より水分子の侵入を防ぎながら空気分子を逃がすことが出来ます。

話を聞く分には印象的ですが、同じことを謳っているアウトドア用品メーカーはほかにも多くあったりします。なので以前にもこの宣伝文句を見ているだけに、ほぼ一年前にThe North Faceの主張を初めて読んだとき、私は呆れてしまったものでした。

ですが実際に「CES 2019」でFuturelightジャケットを試着した瞬間、この会社が誇大広告に値するものを作ったことに気付いたのでした。

コロンビアも似たものを作っていた

数年前、アウトドアメーカーコロンビアは、The North FaceのFuturelightと同じアプローチとなるOutDry Extreme技術を発表したことがありました。それは微細な穴が開いた防水生地が大きな水滴を弾き、湿った暖かい空気を逃がす、というものです。

似たようなことを謳っていたコロンビアのOutDry Extreme製品 Image: Andrew Liszewski/Gizmodo US

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外側の層は、着ている者の身体から湿気を奪うナイロンの裏地とペアになっており、暑くなり過ぎないことを約束しています。

簡単なハンズオン記事を書いたときの機能性はバッチリでした。ですがコロンビアのOutDry Extremeは、わずか2層の薄い織物(業界標準のGore-Texは3層)を使用しているにも関わらず、まだゴム製の防水リュックの中に入っているような感じがしたのでした。

Image: Andrew Liszewski (Gizmodo)

3層なのに軽くて優秀なFuturelight

ですがFuturelightはその正反対です。Gore-Texのように、防水膜を外側の破れにくい層と内側の柔らかいコアの間に挟んだ3層の布のサンドイッチ構造になっていますが、米GizmodoがテストしたPurist Futurelight Jacketは、まったくもってプラスチックやゴム製の窒息するようなコートのようには思えませんでした。

The North Face Purist Futurelight Jacket Image: Andrew Liszewski/Gizmodo US

Image: Andrew Liszewski/Gizmodo US

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肌触りが柔らかく、薄いウィンドブレイカーみたいにとても柔軟性があり、秋に羽織るそのたの軽いジャケットのようでした。ここ数週間、やっと温度が下がってきたので着ているのですが、それは雨のときに限ったことではありません。クローゼットにあるほかの軽いジャケットと同じくらい快適ですが、加えて、豪雨を避けることが出来るという利点もあるのです。

アメリカの話ですが)ここ一週間は雨ばかりでなく、季節外れのように暖かくて湿度が高かい日が続きました。なので外出するのにレインコートを着るだなんて、考え直すような気候です。いつ降るかわからない雨に濡れるのを防いでくれるかもしれませんが、コートの下は汗でびしょ濡れになるのに時間はかかりません。とはいえ、土砂降りの雨の中を1時間歩いた後でさえ私はまだ完全に快適で、さらに重要なことに、Futurelightジャケットの中は完全に乾いていることに驚いたのでした。

Image: Andrew Liszewski/Gizmodo US

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柔らかくて柔軟性があるとはいっても、さすがにFuturelightを綿のような超通気性の素材と間違える人はいないでしょう。やはり合成繊維のような感触があり、天候や運動の程度に応じて、中に熱を閉じ込めることはあるのです。

着てみて驚くこの凄さ

ある晩、いつの間に気温が20度後半になっていたので、セーターとFuturelightを着て雨の中を散歩に出かけてみました。30分ほど速いペースで歩いたら、もう暑くて通気できる場所のジッパーを全部開かないと涼しくいられないくらいでした。(編注:今回レビューに用いたPurist Futurelight Jacketはスノースポーツ用なので、これは仕方ないと思いますよ!)

そんな感じで状況や活動に応じて適切な服装をする必要がありますが、Futurelightの素材は、母なる自然があなたに与える試練に充分対応でき、必ずしも何枚ものジャケットを準備する必要がないことを意味しています。

ということで、この防水生地はレインコートをレインコートだと感じさせず、朝のちょっとしたジョギング用だろうが、エベレスト山頂への挑戦用だろうが、幅広くそのたの衣服と組み合わせられるように設計されています。となると、持っている服を全部Futurelightで揃えてしまいたくなりますが…そこには値段という高い壁が立ちはだかります。

知って驚く値段の高さ

女性用の軽量ランニング・ジャケットが450ドル(約4万8100円)から高くても750ドル(約8万円)で、防水パンツが400ドル(約4万2800円)、そして手を暖かくドライにに保つミトンが165ドル(約1万7600円)となっています。

まだ最新技術なのでお高いですが、おそらくThe North FaceがFuturelightの生産を拡大してコストを下げ、より手頃な価格の製品として利用できるのは、数年後になるでしょうね。

それまでは、来週のエベレスト登頂が最悪の雨に見舞われると予想されない限り、数百円のビニール傘で我慢して、貯金しておきましょう。

まとめ

・新製品が誇大広告に負けない珍しい例のひとつ。The North Faceは、ビニール袋のようには見えない防水生地を作ることに成功しました。

・Futurelightの素材は、軽いジャケットから暖かいパーカー、手袋まで、さまざまな衣服に組み込むことができます。

・雨がやんでも着ていたいと思わせるレインコートです。

・発売当初はとても高価で、5万円以上の出費を覚悟しなければいけませんが、週末に過ごす森の中で充分な防水機能を発揮し、暖かくしてくれるジャケットです。