運動会(Chiemi Kumitani/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

神戸市教育委員会は7日、今年8月末以降、運動会組み体操の練習中に、市立小中学校30校の児童や生徒51人が負傷し、うち6人が骨折したと発表。しらべぇ取材班は、関係各所から話を聞いた。

■腕力や腹筋力がないと…

市教委が、8月末から10月5日までの事故状況を市立小中学校に聞いたところ、6人が骨折し、1人が脱臼。捻挫が10人、打撲が16人だった。

神戸市ガイドラインで、ピラミッドは4段、タワーは3段と規定している。ピラミッドタワーでの負傷件数は、小・中学校併せて4件でそれ以外は、補助倒立やサボテンなどで起きていた。

日本体育大学体操研究室の荒木教授は、「補助者がいても一定の腕力や腹筋力がないと倒立は危険だ」と警告している。

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■「止める勇気が必要」

市内では昨年度までの3年間に123件の骨折事故が起きていた。これを受け、久元市長は8月2日、市教委に組み体操の見合わせを文書で要請し、以降もツイッターで「やめる勇気を持ってください」などと学校関係者に直接訴えていた。

しかし、市長からの要請がある前から練習を始めていた学校もあり、一体感や達成感が得られる演目だとして、練習で多数のけが人が出ているにも関わらず、運動会当日も組体操を強行したという。来年度以降に関しては、これから検討するとのこと。

■訴訟も起きている実態

スポーツ庁によると、2014年度は全国で組み体操事故が8,592件で、うち倒立は1,167件で2番目に多かった。2018年2月には、中学2年の次男が倒立で負傷し後遺症が残ったとして、両親が担任教諭らに損害賠償を求める訴訟を起こした。

当時小学6年の次男が補助倒立で、正面に立ったペアの子に足を取ってもらえず、床に頭と背中を強打したという。スポーツ庁の担当者は、しらべぇ編集部の取材に対して、

組体操については、(1)学校で計画を立てる(2)練習を実施する、それぞれの段階で危険だと判断した場合は、中止するように通知を出している。

練習でけが人が出ているにも関わらず、当日に強行したことは、あり得ないこと。しかし、スポーツ庁としては、組体操全面禁止の指示は出せない」

と述べた。

■組体操中止派は4割

世間は組体操実施に対してどう考えているのだろうか。しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,400名を対象に調査したところ、全体の36.5%が「運動会組体操は他の競技に差し替えるべき」と回答した。

組体操運動会の花形競技のひとつでもあり、危険に身を晒す子供たち以上に観客や親たちが期待している側面は否めない。

組体操

これだけけが人が出ても、学習指導要領にも実施が明記されていない組体操が果たして必要なのか。神戸市としても、市長の「やめる勇気をもってください」の要請は重く受け止める必要があるだろう。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

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