8日に再開した「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」に展示されている映像作品「気合い100連発」に対し、反発や支持する声が多数寄せられ物議を醸している。


「気合い100連発」は、東日本大震災の被災地・福島県相馬市で2011年5月に撮影されたアーティストユニット「Chim↑Pom(チンポム)」の作品。「Chim↑Pom」のメンバーと相馬市の若者ら10人は、円陣を組んで順番に思い思いの気合いの言葉を叫んでいく。その内容は、「復興がんばるぞ」「東北負けるな」「日本最高」「放射能に負けないよ」といった復興への意気込みや、「車欲しい」「彼女欲しい」といった若者らしいもの。しかし、作品の終盤には「被爆最高」「放射能最高」「もうちょっと浴びたいよ」という叫びもあり、ネットには「東北揶揄」「反日」「ヘイト」といった反発の声があがっている。


作品を制作した「Chim↑Pom(チンポム)」のホームページによるとこの作品は、東日本大震災の被災者でありながら「自ら救援活動や復興作業にもずっと携わってきた彼らによるリアルな叫び」で、「すべてアドリブ、一発撮りで収録された」という。また、過去のインタビューでは、「反原発とか推進とか、政治的な立場はまったく取ってない。ただ、被災当時の若者たちのエネルギーをそのまま単純に映し出した作品」「地元の子たちも盛り上がって、徐々にポジティブになっていく。『車欲しい』とか『彼女欲しい』とかボケ始め、最後は『放射能最高!』と叫びだしたんです」と解説している。


こうした背景があることから、「『周りに放射能?最高じゃねえか』ってある意味悲痛な開き直りだろう」「一部の切り取られた部分だけをまとめサイトで拡散されて、その部分だけを見て感情的に怒ってる人が多い」と、作品に理解を示す声も寄せられている。


画像は「Chim↑Pom」ホームページ スクリーンショット