2019夏アニメまちカドまぞく」の円盤(Blu-rayDVD)と原作漫画が人気になっており、どちらも重版が決定しました。緩やかにスタートした第1話から後半で一気に人気となった同作ですが、実はアニメ化された範囲である2巻(と3巻の序盤)はまだプロローグ的な部分。本当に面白くなるのはここからだったりします。

「まちカドまぞく」重版決定を伝える作者のツイート

 というわけで、ここでは「まちカドまぞく」の魅力を知ってもらうべく、3巻以降の見どころを紹介します。なお、本記事は核心には触れませんがネタバレ要素を含むため、2期が来ることを信じてあらゆる情報をシャットアウトしたい方はご注意を。また、筆者は単行本(電子版)で原作を読んだため、5巻より後のコミックス部分は把握していない点ご了承ください。

●「まちカドまぞく」とは

 本題に入る前に、「まちカドまぞく」の簡単な紹介とアニメ化された範囲のあらすじの紹介を。

 「まちカドまぞく」は、芳文社の『まんがタイムきららキャラット』で伊藤いづもさんが2014年から連載中の4コマ漫画が原作。まぞく(魔族)の子孫である吉田優子シャミ子)と、魔法少女千代田桃を中心に、不思議な街「多魔市」で繰り広げられる日常が描かれます。

 それまで普通の女の子として過ごしてきたシャミ子でしたが、15歳のある日突然頭に角が生えてきました。母の清子から吉田家は「闇の一族」の末裔(まつえい)であり、「光の一族」の巫女(みこ)である魔法少女を倒し、吉田家にかかった「一か月4万円生活」などの封印を解くように言い渡されます。

 そんな中、魔法少女が同じ学校に通っていたことが判明。それがダンプを片手で受け止め、ひかれそうになっていたシャミ子を助けた千代田桃でした。助けられた恩はあれども勝負を仕掛けるシャミ子ですが、片手ダンプvs超絶虚弱シャミ子では勝負にもなりません。

 こうしてシャミ子にとっての宿敵となった桃。なぜか桃はこの日からシャミ子をしごいて鍛え始めるのですが、しごきしごかれするうちに両者は親交を深めていきます。そんなある日、(アニメ本編のネタバレになるので詳しくは語りませんが)桃の姉の千代田桜が、過去に吉田家へ多大な迷惑を掛けていたことが判明。

 責任を感じ、シャミ子の元を去ろうとする桃。しかし、シャミ子は桃と一緒にいることを選択し、共闘していくことを誓いあう……というのがアニメで放送された範囲であり、原作漫画の単行本2巻までの内容となります。

 この時点で多くの視聴者テレビの前で手を合わせて「てぇてぇ……」(尊い)と唱えながら光りに包まれ消滅していったわけですが、3巻から2人の関係はさらに加速。あなたはこのてぇてさに耐えきれるでしょうか。

オセロだったらシャミ子魔法少女になっている

 3巻からは、シャミ子を取り巻く環境は大きく変化していきます。桃の友人であり魔法少女であるミカンシャミ子の住む「ばんだ荘」の右隣部屋に引っ越してきたかと思えば、シャミ子ミカンが仲睦まじくしている様子を見て黒い感情を覚えた桃は左隣部屋で生活することに。やだ、この子友人同士が仲良くしていることに嫉妬してる……。

 こうして家の両隣人が、倒すべき相手である魔法少女となってしまったシャミ子。この後も、アニメ最終話にちらっとだけ写った2人の魔族など、新しい住民が次々に移り住んできます。

 廃墟のようにボロいのは相変わらずながらも、だんだんと仲間が増えにぎやかになっていく「ばんだ荘」。「軍は率いない」と言っていたシャミ子ですが、その勢力は着々と広がりつつあります。

 さらに、超絶虚弱でなんの力もなかったシャミ子自身も、「危機管理フォーム」を使いこなすようになったり、“あるもの”を手に入れたりと、少しずつですが力を身に着け始めます。この辺は単行本を手に取って確認してみていただきたいところ。

ミカンママ(公式)

 4巻では、アニメでほぼ周囲に呪い(動揺すると関わった人にささやかな困難が降り注ぐ)を振りまくだけで終わってしまったミカンにスポットライトが当たります。とある事故から呪いが強めに発動してしまい、周囲の人たちを危険にさらしてしまうミカン

 ショックを受けしばらく1人なろうとしますが、シャミ子と桃は放っておけないとミカンのもとに駆け付けます。そしてついに、呪いを根本から消し去るべく、シャミ子の力でミカン夢の中へダイブを決行。

 夢の中で呪いの原因と出会う2人。さまざまな技と交渉を駆使してついに呪いの解除に成功し、その結果ミカンはママになりました。いや本当に。うそじゃありません。

 他にも、ミカンアニメOPで使っていたボーガンを使用するシーンなど、3巻以降からはアニメの範囲では見られなかった活躍が多数見られます。

●「シャミ子? 今日のご飯何?」

 そして最も注目するべきは、桃の変化と2人の関係。あまり感情を見せなかった桃ですが、アニメでは見られなかった満開の笑顔を見せるシーンも。表情も話が進むに連れ、だんだん柔らかくなっていきます。

 柔らかくなりすぎて、ついには「シャミ子? 今日のご飯何?」と頭からお花を飛ばしながら問いかけるシーンまで。あまりの変化に、このせりふでニコニコ大百科の項目が作られてしまったほど。柔らかいを通り越してますねこれは……。

 また、闇堕ちした姿も登場。ピンクのフリフリ魔法少女から黒系に切り替わった、「ダークネスピーチ」なる新たな桃が見られます。

●少しずつ明かされる謎

 何より、3巻以降は展開がところどころガチな感じになったりします。体が弱かったという幼少期シャミ子の深刻な様子、千代田桜の現在、本格的な危機……。

 笑いの中に差し込まれるグッとくるシーンと垣間見えてくる世界の数々は、独特ながらも引き込まれるものがあります。面白いところに入る前でこんなにも盛り上がったからには、ぜひとも第2期が見たいところですね。

 がんばれシャミ子! 皆に知られて有名なまぞくになるんだ。

(C)伊藤いづも・芳文社まちカドまぞく製作委員会

「まちカドまぞく」キービジュアル