20代社会人が抱える理想と現実の差が浮き彫りになった

マイナビワークスは10月10日、「20代の理想の働き方と現実の働き方のギャップ」に関する調査結果を発表した。調査は今年1~5月にかけて、同社が運営する「マイナビジョブ20′s」の20代利用者を対象にアンケート形式で行い、既卒未就業者を除く男女1222人から回答を得た。

理想の有休取得日数を聞いたところ、最多は「6~8日」(38%)。次いで多かったのが「11~15日」(33.5%)だった。4月から働き方改革関連法において「5日間」の有休取得が義務化されたが、5日ではまだ不十分だと感じている人が多いようだ。

一方、現職または前職で実際に有休取得した日数については「6~10日」(31.8%)が最多だったものの、「1~5日」(27.3%)、「0日」(22.7%)とほとんど取得できていない人も多く、理想との間に大きなギャップがあることが分かった。

理想的な残業時間1位「10~19時間」、2位「20~29時間」


「通勤時間」に関する質問では「30分台」(31.4%)が理想と答える人が最多で、次が「20分台」(20.9%)だった。実際の通勤時間でも1時間以内のエリアから通勤している人が多く、それ以上になると極端に少なかった。

また、理想の「残業時間」については「10~19時間」(35.6%)に回答が集中した。その次に多かったのが「20~29時間」(20.5%)だった。ただ、実際の残業時間は「1~9時間」(19.3%)、「10~19時間」(16.9%)、「20~29時間」(16.4%)とさまざま。「残業していない」(11.1%)と答えた人もいた。

理想と現実の差が1番顕著に出たのが「社風」に関する質問だ。理想とする社風に「チームワークを重視」(64.6%)、「安定志向」(56.1%)、「フランク」(48.7%)などを挙げた人が多かった一方、実際には、自分の職場に対して「年功序列」(37.6%)、「チームワークを重視」(35%)、「成果主義」(30.3%)、「個人主義」(29.8%)と感じている人が多かった。一部重複はあるものの、和やかな雰囲気を求める若手社員の理想に反して、古くから受け継がれてきた社風に不満を持つ人が多いようだ。

転職では「医療・福祉」「金融・不動産」などを敬遠

転職後に希望する職種を聞くと、「管理・事務」(35.6%)と「営業」(25.5%)が圧倒的に多かった。また、回答者の16%が「販売・フード・アミューズメント」に従事しているのと比較し、同職種を希望する人はわずか2.7%と大きな差が開いた。

また、希望する人が少なかった職種ワースト5には「建築・土木」(0.8%)、「コンサルタント・金融・不動産専門職」(1.2%)、「保育・教育・通訳」(1.5%)、「医療・福祉」(1.7%)、「美容・ブライダル・ホテル・交通」(2%)と体力が必要だったり、拘束時間の長いイメージのある職種が名を連ねていた。