「事前の告知が不足しておりましたことをお詫び申し上げます」

【画像で納得】1円増えるカラクリ

 セブンイレブンジャパン9月18日、こんな謝罪文を公式Webサイトに掲載した。セブンは消費増税に対応するため、9月16日から支払金額の計算方法を変更した。しかし、お客に対して事前に十分な説明がなかったため、現場が混乱。不満の声があがっていた。Twitter上には、「店舗ではどうすることもできません。クレーム等は全てセブンイレブン本部までお願いします」(表記ママ)というPOPを撮影した画像が投稿されていた。

●税込100円の商品を3個購入すると301円?

 計算方法はどのように変わったのか。「税抜き93円、税込100円」のコーヒーを例に解説しよう。変更前は、100円×3個=300円だった。変更後は、税抜き価格を足していってから、最後に消費税をかける方式になった。そのため、279円(93円×3個)×1.08=301.32円となり、小数点以下を切り捨てると301円になる。つまり、購入方法によっては、支払金額が増える現象が発生するのだ。

 計算方法は変わったのに、店頭の表示は「税抜き93円、税込100円」のまま。これを見たお客は、「コーヒー3個で300円だな」と計算する。しかし、レジで示される金額は301円になるので、混乱してしまうというわけだ。

 セブンは、お客や加盟店からのクレームを受けてか、公式Webサイトで合計金額が1円増えてしまう事例を提示している。例えば、「税抜き370円、税込399円のスパゲティ3個」「税抜き398円、税込429円の弁当2個」「税抜き140円、税込151円のペットボトルのお茶5本」「税抜き2480円、税込2678円のクリスマスケーキ3個」といったケースでは、合計金額が1円増えてしまう。

 セブンがこういった計算方法を導入した理由の一つは、軽減税率に対応するためだ。持ち帰り時は消費税は8%だが、店内で食べると10%になる。すると、同じ商品を購入しても税率が異なるケースが出てくる。そうした際の混乱を避けるために、新しい計算方法を導入したという(参考記事:消費増税でコンビニ大混乱「301円問題」と「111円問題」)。

イオンはどのように対処したのか

 今回のセブンの対応について、財務省の担当者に話を聞いた。担当者によると、店頭で税込価格が表示されているので、特に問題はないという。ただ、レジでどのように計算するかというのは、各事業者に任されている。担当者は「あくまで一般論だが」と前置きしたうえで「消費者に混乱のないようにしてほしい」とコメントした。

 では、今回のような混乱を避けるためには、どのような方法があり得たのだろうか。

 イオンでは、3月から本体価格とともに、小数点以下も含めた税込価格を表示している。例えば、イオン葛西店(東京都江戸川区)のチラシを見ると、「ほうれんそう 本体価格158円、税込170.64円」と記載されている。イオンでは、セブンと同様に本体価格を先に足していって、最後に消費税をかける計算方法を採用している。お客は「この商品とこの商品を買ったら、1円増えることになりそうだ」ということが、購入する前に直感的に理解しやすくなる。イオンの広報担当者は「お客さまの混乱を避けるためにこの表記をしている」と説明する。

 この方式は、イオン傘下のオリジン東秀でも導入されている。同社が運営する「キッチンオリジン」の店頭には、「おでん1個 本体価格65円、税込価格70.20円」と表記されている。公式Webサイトを見ても、同様の表記がされている。

 お客に対して事前の説明を怠ったのが、セブンで混乱が起きた根本原因だ。現在、セブンの公式Webサイトには、計算方法の変更について、イラスト入りで非常に丁寧な解説ページが設けられている。これを、変更前に店舗に貼っておくべきだっただろう。また、セブンにはセブンの事情があったかもしれないが、イオンのように小数点以下も含めた税込み価格を表記していれば、お客の捉え方は違っていたかもしれない。

小数点以下も表記するイオンのチラシ