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 iPhone 11が発売されてまだ1ヵ月も経っていない10月初旬に、TF Securitiesの著名アナリストであるMing-Chi Kuo氏のレポートから興味深い予測が発見されました。それは2020年第1四半期に、iPhone SEの後継機種を発表する計画が指摘されたことでした。

 日本でも非常に人気の高かったiPhone SEは、2016年に登場した製品で、とても簡単に言えば、

・ その時点で最新機種だったiPhone 6sの性能を、
・ 2年前のiPhone 5sのボディに詰め込んだ
400ドル以下のスマートフォン

 というプロフィールの製品でした。

 2018年9月にラインアップから姿を消しましたが、米国で2019年1月に突如在庫分を販売したところ、すぐに完売。日本のみならず、人気の高さがうかがえます。そんなiPhone SEの再来のニュースは、世界中のパワフルで小さくて安いiPhoneを求める人々に大きな期待を持たせてくれるものになるはずです。

●うまくいったことは変えない

 ではiPhone SEの後継モデルはどんな製品になるのでしょうか。ここで1つ、アップルがよく使う手法「うまくいったことは変えない」という法則に則って考えてみましょう。

 前述の通り、iPhone SEはその時点で最新モデルの機能を、2年前のボディに詰め込み、400ドル以下で販売する製品として2016年に登場しました。これをそっくりそのまま2020年に当てはめてみると、こうなります。

・ A13 Bionicと1200万画素カメラを搭載し
・ 2年前、2017年モデルiPhone 8のボディを活用した
400ドル以下のスマートフォン

 2017年に登場したのはiPhone XとiPhone 8、iPhone 8 Plusの3つでしたが、400ドル以下という部分を考えると、採用されるのはiPhone 8になるのではないでしょうか。

 そのため、ボディに関わる機能は共通化されるはずです。4.7インチRetina HDディスプレイ、ワイヤレス充電といった機能をそのまま利用しながら、チップには最新版が搭載され、処理性能に加えて省電力性も高まることが期待できます。

 これを400ドル以下で発売し、段階的に値下げしながら、3年程度の期間販売していくことになるのではないでしょうか。

カメラのさじ加減

 さて、ここで変数になりそうなのがカメラです。

 iPhone 11シリーズは2〜3個のカメラが搭載され、しかもいずれのモデルにも13mm/f2.4の超広角カメラが備わり、これまでにないワイドで迫力のある写真が撮影できるようになりました。それだけでなく、広角カメラで撮影しているときにも作動し、プレビュー画面に広角カメラフレームの更に外側を表示させたり、記録して後からフレームの範囲を拡げられるようにしたり、シーンの情報を集める役割を担っています。

 その結果、ナイトモードやDeep Fusionといった暗所や光量が足りない場面での画質向上が顕著となりました。またiPhone 11でも人物以外の被写体を捉えるポートレートモードに対応するようになり、撮影の自由度が拡がりました。

 このように複数のカメラを搭載する形でiPhoneの写真は進化していますが、新しいiPhone SEはどうなるでしょうか。ボディ自体がiPhone 8を踏襲するなら、搭載されるカメラは1つになるはず。しかしそのカメラの仕様については議論の余地があるのではないでしょうか。

 アップルiPhone XRで、1つのカメラながら機械学習処理を用いて人物に限ってポートレートモードの撮影を実現しました。iPhone SEの後継モデルiPhone XR相当、あるいはiPhone 11の広角カメラが搭載されれば、ポートレートモードに対応する可能性もあるはずです。

 処理をする心臓部にはiPhone 11と同じA13 Bionicが搭載され、アルゴリズムの刷新でペットにも対応するなら、iPhone 8サイズでポートレート撮影が楽しめる、非常に魅力的なカメラに仕上がることになるのではないでしょうか。

デザイン上の差別化はあるのか

 iPhone 5sとiPhone SEは外見は全く同じサイズで登場しましたが、アルミニウムフレームエッジの部分の加工に違いがありました。iPhone 5sでは鏡面磨きでアクセントとなっていましたが、iPhone SEではマットのままの加工とされたのです。

 もちろんその工程を省いて低価格化を一段深めたと考えることができますが、今後iPhone 8をベースにしたiPhone SEの後継モデルで、なんらかの差別化は行われるのでしょうか。

 あとはカラーリングです。現在のiPhone 8にはシルバースペースグレーゴールドが揃っており、現在はラインアップにないが(PRODUCT)RED Special Editionも存在していました。価格をおさえたモデルではカラーを減らすのが通例ですが、iPhone 8のカラーリングをそのまま3色残す、あるいはiPhone XRやiPhone 11のように逆に色数を増やして楽しめるよう演出することも手かもしれません。

 2017年発売のiPhone 8は、新興国だけでなく日本でも現在、最も販売数が多いiPhoneとなっています。アップルが推し進めるサービス部門への収益構造転換、あるいはiPhoneユーザーに対するウェアラブデバイスの販売促進戦略の重要な位置を占めています。

 iPhone SEの後継モデルという見方もできますが、むしろ現在最も売れているiPhone 8の後継モデルという位置づけだってできるのではないでしょうか。Appleは「9」を飛ばしましたが、もしA13 Bionicを搭載するiPhone 8のボディのスマートフォンが出るなら「iPhone 9」と名乗らせても違和感がない、と思うのは筆者だけではないはずです。


アップルiPhone SE2の噂に期待する理由