アメリカを含むカナダ南部からメキシコ北東部にかけての森林・草原・半砂漠地帯に生息することで知られるオオヤマネコ属のボブキャットは、時に野良猫や飼い猫と間違えられて保護されることがあるようだ。
先日テネシー州でも、その勘違いが起こった。混雑した路上を横切っていたボブキャットの子供を、野良猫の子供だと思ってしまった女性が保護し、自宅へ連れ帰ったのだ。
のちにその子猫はボブキャットかもしれないと近所の人に告げられた女性は、保護施設へ連絡した。やはり子猫はボブキャットでだった。現在、ボブキャットの子猫は施設で安全に世話をされているという。
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路上で野良と思わしき子猫を保護した女性
テネシー州南東部チャタヌーガで、9月20日の夜、車の往来が激しい道路を運転していたジル・ヒックスさんは、小さな生き物が道路を横切ったのを目撃した。
遠目に見て、小さなウサギかと思ったジルさんが目を凝らして見ると、どうやら子猫のようだったため、車を路肩に停めて降り、そっと子猫に近付いた。
子猫は、ジルさんを見ても怯えて逃げる様子を見せず、ジルさんが抱えあげて車に乗せると、まるで飼い猫のように膝の上に乗ってなついてきたという。
自宅で大型犬と老猫を飼っているジルさんは、本来が大の動物好きで、連れ帰った野良猫らしき子猫が飼っているペットに怯えないようにと、車庫に箱を持ち込み、柔らかいセーターを敷いて、キャットフードと水を与えた。
野良猫ではなくボブキャットだった
ジルさんは、食事を終えた後この子猫をお風呂に入れて綺麗に洗ってやり、一緒にベッドで寝ようと思っていた。
ところが、近所の住民に猫の様子を話すと、オオヤマネコ属のボブキャットである可能性が高くなった。
もしそうであれば、あれこれと世話を焼くのは良くない…ジルさんは、そう思いながらも車庫に置いた小さな猫のことが気になり、30分置きに起きて様子を見に行くなどして、気にかけながら一晩を過ごした。
翌朝、近所住民が教えてくれたFor Fox Sake Wildlife rescueという保護施設へ連絡し、写真を送ったところ、連れて来てほしいと言われ、ジルさんは施設へ足を運んだ。
やはり、子猫は野生のボブキャットの子供だった。
飼い猫とボブキャットを見分ける方法
施設スタッフのジュニパー・ルッソさんは、飼い猫とボブキャットの見分け方を次のように話した。
ボブキャットの子供は、常に体に何らかの斑点があります。飼い猫は、斑点は非常に稀です。また、ボブキャットの子供の耳には、時々黒い房があります。これは飼い猫にも見られる可能性はありますが、この特徴もとても稀です。
ボブキャットは、成長するにつれてより攻撃性を増すようになります。オスのボブキャットは一般的な飼い猫の2倍の大きさに成長するので、時に危険です。行動もかなり突発的で予想できません。
ジルさんから預かったこのボブキャットは、オーウェンと名付けられ、9月21日に施設はフェイスブックにこのように投稿した。
野良の子猫だと勘違いしてしまった動物好きの女性に、ボブキャットの子供が保護され、当施設に連れて来られました。リハビリを受けさせる前に、野生のボブキャットだと判明してよかったと思います。
来年3月には野生へ返される予定
更に、施設側は25日にもオーウェンの写真と共にフェイスブックを更新。
オーウェンは、元気にしています。施設に来てから、体重が25グラム増えました。初日に見せたようなショックと困惑はもう消えて、今では防御的になり人間に対して不信感を露わにする、まさに野生のボブキャットらしい振る舞いを見せるようになりました。良い傾向です。
1回目の予防接種は、既に終えました。ボブキャットは、飼い猫に見られる複数の病気にかかりやすく、飼い猫に予防接種をすることと屋内飼いにすることは、あなたの猫と猫にハンティングされる獲物となる動物を守るだけではなく、野生の動物保護にも役立つのです。
一方、25日に自身のアカウントにこの一件を投稿し、目まぐるしい数日間だったことを打ち明けたジルさんは、メディアの取材に対してこう語った。
たとえ、最初からボブキャットの子供だとわかっていても、あんな車の多い道路にいたのなら、きっと私は保護していたと思います。野良猫であっても野生の生物であっても、対応を変えることはなかったでしょう。
なお施設によると、オーウェンは来年3月までは施設で世話をされ、その後発見された場所近くの保護地域へと放される予定だそうだ。
現在は、生後5か月になる他のボブキャット仲間と一緒に、施設の安全な環境で元気に暮らしているという。
References:wdef.comなど / written by Scarlet / edited by parumo
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52283019.html
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