中国メディア・人民網は10日、今年も日本からノーベル賞受賞者が出た一方で、日本は未来の科学分野における地位に対して憂慮を抱いているとする記事を掲載した。

 記事は、今年のノーベル化学賞に、リチウム電池の開発研究を行った吉野彰氏が米国、英国の研究者とともに輝いたと紹介。2000年からの19年間で、日本から19人が自然科学系のノーベル賞受賞者を輩出したことになると伝えた。

 そのうえで、文部科学省が以前発表した研究報告の中で、今世紀に入って日本のノーベル賞受賞者が世界で2番目に多いことは日本の科学技術発展を象徴するものだとする一方、科学技術のさらなる革新に当たっては大きな課題に直面し続けているとの認識を示し、中国などの新興国が飛躍的な発展を遂げる中で、自らの科学技術分野における世界的な地位が低下しつつあることに憂慮を抱いているとした。

 また、特に多くの子どもたちが自然科学に触れる機会を失っていることに対して日本政府が懸念を示しており、関係する統計からも児童の「自然科学離れ」が徐々に顕著になっていることが明らかになったと紹介している。

 さらに、子どもたちが自然科学に触れる機会の減少と同時に、科学研究者を志す学生の数も年々減少していると説明。この状況に、少子高齢化に伴う18歳の青年人口減少が相まって、日本では将来科学技術人材の世代交代がうまくいかなくなるリスクにも直面していると伝えた。

 記事は、このような厳しい状況を前に、日本政府はこれまでのノーベル賞受賞者から啓発を得ようと努力しており、受賞者の経歴や課題に対する意識の芽生え、きっかけなどについて考察、研究を進めていると紹介。分析の結果、受賞者の多くが物を作る、実験するといった行動を好み、自然の構造に強い興味を示していたことが分かったとしている。

 ノーベル賞というのはふつう、長きにわたって研究を続けてきた成果が評価されて選ばれるものであり、そこには弛みない努力と小さな成果の積み重ねが存在する。今後も「いつかはノーベル賞を取るだろう」という傑出した研究者を輩出し続けるには、国や社会がその環境を守って行かなければならない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

今年もノーベル賞受賞者を出した日本が抱く、将来への憂慮=中国メディア