2019年9月20に公開した『HELLO WORLD』の監督・伊藤智彦と、2019年10月11日から公開が開始する『空の青さを知る人よ』の監督・長井龍雪。両監督は、互いに監督を務めたTVシリーズに各話演出・絵コンテで参加するなど、仕事の交流がある。それぞれの最新作を鑑賞したふたりが、相手の作品の注目ポイントを語り合うという豪華対談が、現在発売中のアニメディア10月号に掲載中。「超!アニメディア」では、本誌記事内ではお届けしきれなかった部分も含めたロング版をお届けする。

――おふたりは、いつどこで出会われたのですか?

伊藤 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』をやらせてもらったときが初めてでしたっけ?

長井 その前から顔を合わせてはいたと思うけど……?

伊藤 初めて一緒に仕事をしたのは、僕が絵コンテ・演出をやらせてもらった、長井さんの監督作品『あの花』の7話ですね。

――どんなきっかけがあったのですか?

伊藤 俺は、その前年にA-1 Picturesで『世紀末オカルト学院』を制作していて、その後、ほかの人のお手伝いをさせていただきました。そのとき「長井さんがオリジナル作品を仕込んでいる」という話を聞きつけて、僕が好きな類の話だったので「ぜひ一本やらせてほしい」とお願いして……、という次第ですね。

長井 僕も『世紀末オカルト学院』は観ていましたし、伊藤さんのことは知っていたので、正直、やっていただけるだけでありがたかったですね。

伊藤 『世紀末オカルト学院』のシリーズ構成を担当していただいた脚本家水上清資さんから長井さんの話をよく聞かされていたので……。

長井 悪口ですか?(笑)

伊藤 いやいや(笑)。「それくらい脚本家から注目される人間にならねば」と、ちょっとジェラシーを感じたんです。

長井 水上さんは、僕が監督した『とある科学の超電磁砲』でもシリーズ構成をされたので、その繋がりですよね。

――初めて一緒にお仕事をされたときのお互いの感想は?

伊藤 意外と俺がやりたいことをけっこう通していただいたので、僕としては「やりやすい監督さんだな」という感じ。

長井 ほとんど修正はしませんでしたね。

伊藤 それとともに、長井さんは制作スタッフに対してすごく厳しくて。

長井 『あの花』のときは、そんなでもなかったと思うけど。

伊藤 いやいやいや、隣の席で制作スタッフに注意しているのを聞いて、俺はもう「こえ〜っ」と思っていたのを覚えていますよ。

長井 ……そうなんですね、はい。

伊藤 俺も、それを見習っています。

長井 マジですか? 僕は不機嫌を隠さないことにしています。

伊藤 俺は、隠します。怒るときは怒る。

長井 僕は、怒らないです。ただただ、不機嫌になる。

伊藤 周りの人間に気をもませることにしているんですね。

長井 すごく評判が悪くなるやつです(笑)

――それぞれが考える、相手の代表作とその理由は?

長井 僕は、伊藤さんの『僕だけがいない街』が大好きで、観返すなら『僕だけがいない街』かな。でも、伊藤さんの代表作と言えば、やはり『ソードアート・オンライン』でしょう。

伊藤 1期の22話の絵コンテを担当していただきましたしね。

長井 僕が思っている『世紀末オカルト学院』から始まる「伊藤さんらしさ」というのは、日常描写のテンポのよさや、会話の掛け合いの上手さみたいなもの。いい意味で、気にならない。あとは、構成のきれいさというか、まとまりのよさ。そういうところがすごいと思います。

伊藤 俺は、自分が関わった『あの花』を意識してしまいます。キャラクターの感情の起伏の激しさが、俺にはできないなと思うんですよ。ふだんの長井さん自身はもの静かなのに、アニメでは感情曲線の振幅がすごく激しくなる。『ソードアート・オンライン』22話をお願いしたのも「その話数は俺にはできないので、ぜひ長井さんにやってほしい」というリクエストのもとにお願いしている面もあるんですよね。TVシリーズはいろいろな話数があるので、個性を持った人が寄り集まって作るとバラエティ豊かな作品になると思っているんです。

長井 すばらしい。伊藤さんは、そういうところも含めた、全体の構成がすごく上手なんだと思う。

伊藤 俺は単純にいろんな人が手掛けるものを観たいんです。22話の絵コンテの長井さんから23話の絵コンテ荒木哲郎さんへのリレーができたのは俺の自慢です。

長井 そうでしたね。

伊藤 「誰もできないだろう。してやったり」と思うんですよね。

――お互いに制作方針などで、感心することはありますか?

長井 伊藤さんは、スケジュール管理が完璧です。

伊藤 最近そうでもないですよ。

長井 当時、伊藤さんは日曜日にお休みして、平日にちゃんと「出社している感」がある。そして、きれいに絵コンテが仕上がっていく。すごい自己管理能力。そうしたものが、きっちりとした画面にも出るんだろうなと、そういうところがすごいところでしょうね。

伊藤 ほかに自分に武器がないからでしょうね。たとえば、10人のなかに、スケジュールを引っ張る人が9人、スケジュールを守る人がひとりいる場合、腕の差があれば別ですが、スケジュールを守る人に作業を割り振りするじゃないですか。ならば、僕はその10分の1になろうというだけの話ですよ。

長井 僕も、頑張って守ろうとしているんだけどね(笑)

伊藤 俺は、長井さんが作る画面がかっこいいなと思います。

長井 ありがとうございます

伊藤 真似できないなと思っていて。とても日常寄りの作品であったとしても、画面がカッコよくなるんですよね。僕は、そうならないので困っています。

長井 そんなことない気がしますけどね。僕は、伊藤さんは前から「時間の使い方が上手いなあ」と思っていたんですけど……?

伊藤 これは、「細田イズム(細田守監督の流儀)」ですね。

長井 フィックス(カメラが動かない固定画面)を使って、きれいに見せきるとか、そういうのも含めて。

伊藤 長井さんは、広角(遠近感を強調した構図)好きじゃないですか。

長井 あー、そうですね。

伊藤 俺は、長井さんほど広角を使えないんですよ、そもそも自分が描けないからやめておこうというのがあります。そこまで自分の画力を信用できないし。下手な人に担当されたら嫌だなと思うので。ついつい望遠(遠くから撮影したような構図。広角レンズの遠近感はない)でごまかすレイアウトを描いてしまいます。長井さんの作品を観ていると、作画スタッフに「ハードルを課すなぁ」と思っています。

長井 そうなんです。最近、田中将賀さんに「処理しきれないならカット作るな」と怒られます(笑)。広角は、好きというか、癖に近いので。逆に言うと、むしろ望遠の絵が作りづらい。

伊藤 更にいうと、望遠よりも標準になりがち。広角レンズは、「ココ!」という意図して使ってしまいがち。うまいこと使いたいんですけどね。望遠レンズはとても難しいですね。京アニの人っぽく使えないなと、いつも悩んでいます。

長井 あんな風にならないですよね。

――そういう部分でお互いにリスペクトされているんですね。

伊藤 真似できないというか、とことん突き詰めて真似しようとも思わないですし。そもそもが違いますから。お互いにストロンポイントを伸ばし続けたほうが戦略的にはいいのかなと思いますけどね。

長井 仮に真似しても、真似したと思われないんです。ちゃんと真似できてないから。

伊藤 俺も、広角でやろうとしても、無理だと思って、10カットくらいで力尽きますね。

――お仕事以外で会われることもあるのですか?

伊藤 飲みに行ったこともあります。

長井 仕事の話になることもありますが、適当な話をしていることの方が多いです。

伊藤 お互いの作品について深く語り合ったことはないですね。

長井 それは恥ずかしいですね(笑)

――おふたりは、それぞれがどんな最新作を制作中なのか、ご存じだったのですか?

長井 次回作は3D作品で、(制作会社の)グラフィニカさん制作することは知っていました。でも、タイトルや内容は知りませんでした。

伊藤 俺は、タイトルは聞いていましたが、内容に関しては知らなかったですね。どちら
の作品も編集を西山茂さんにお願いしているので、西山さんに進捗状況を尋ねるんですよ。
「どこまで色がついていましたか?」なんて。やはり気になるものです。進捗状況だけでなく、公開されるタイミングが近いのならば、お互いに盛り上げたいな、とか。2作品合わせて新海誠監督作品『天気の子』に勝ちたい……とは言いませんが(笑)

長井 あまりにも高い壁ですもんね(笑)

――では、伊藤監督の『HELLO WORLD』をご覧になった長井監督の感想は?

長井 面白かったです。中盤までボーイ・ミーツ・ガール的な話が紡がれ、そこから一気にSF感のある話に展開する切り替えにも引き込まれました。ヒロインもめちゃめちゃかわいかったです。

伊藤 ありがとうございます

長井 3D作品であることを意識しませんでした。「3Dだよな」と思いつつ観始めましたが、すぐに忘れましたね。それに、京都の街が舞台でしたけど、街の広さがすごくよく表現されていたなと思います。あれって、ある程度3Dで街を組んでいるのですか?

伊藤 3Dで組んで、背景はBamboo(美術背景制作スタジオ)さんが描いています。

長井 いい意味でアニメーションらしく表現された街並みがすごく柔らかい。3Dの堅いキャラクターを意識させないように柔らかく作られているのだろうなと、思いました。

――京都という古い街とSFが絶妙にマッチしていましたね。

長井 最初は「京都と3Dって合うのかな?」と思っていました。でも、観ていると、むしろ、これだけ柔らかく描くからこそ、3Dでも違和感なくいけるなと思いました。また、京都駅は3D映えするんだなとも。

伊藤 そうそう。20年前に『ガメラ3 邪神覚醒』でも戦いの舞台になりました。

――伊藤監督が今作を3Dで作ることにした理由は?

伊藤 作画に疲れたからです(笑)。2Dの作画の場合、直前まで監督がデータ補修することがままあるんです。それはしんどいぞと。3Dは、キャラのモデリングは先に終わるので、それ以降の作業に時間をかけることができるんですよ。

長井 今作は伊藤さんからの企画だったのですか?

伊藤 (配給会社の)東宝のプロデューサーから「3Dでやりましょう」というコンタクトがあり、「ならばSFですかね」という話から始まりました。彼は、僕が2014年の年末にwebインタビューで「3Dをやりたい」とアピールしていた記事を見つけたそうです。

長井 すごいですね。

――収録は、先に録音した役者の声に合わせて映像を制作する「プレスコ」方式だったそうですね。

伊藤 3Dはプレスコが普通なんですよ。

長井 「コンテ撮(録音時に、演技の参考として絵コンテを撮影した映像を流すこと)」ですか?

伊藤 今回は俳優の方が中心だったので、録音時が絵を表示せず、セリフだけ読んでもらいました。映像を気にせず演技をしていただいたので、芝居のチェックに集中できました。

――演出でこだわったことは?

伊藤 3Dが活きるのはなにか。ちょっと変わった映像空間を作ろうとか、多くの種類のカメラワークを使えるだろうから、これまでやっていないことをできるだけやってみようとしました。とくに“主人公が世界を飛び越えていくシーン”は、手の込んだものになっています。苦労したのは、3D動画のチェック。2Dの作画だと、レイアウトチェック後も、原画チェックで変更する場合がありますよね。でも、3Dでは「それをあまりしてくれるな」と、口を酸っぱくして言われました。

長井 レイアウトの時点で決めてくれ」というわけですね。

伊藤 レイアウトを決めて、仮のラフな動きをつけたら、髪のなびきや顔の表情をつけるので「なるべく動かさないでください」と言われました。でも結果として、けっこう変えちゃいましたね(笑)

長井 プレスコの音声に合わせてレイアウトを起こしていく感じですか?

伊藤 ラフな動きはプレスコで録音した声に合わせて芝居をつけていくので、なるべく尺(時間)も動かさないでほしいと。

長井 監督は、動画状態をチェックするということ?

伊藤 「ここで間を開けて手の上げ下げをしてほしい、動きをクイックに」など、口頭で指示します。画面を見ながら修正指示をするのですが、付きっきりではなく、事前に見ておき、週に1度か2度、まとまった数の動画に修正指示を出すという段取りでした。

長井 タイムシート(動きのタイミングカメラワークなどを記入した指示書)が存在しないんですか?

伊藤 そうです。タイムシートに指示を書き込まなくてもいいので、その点は超楽です。でも、現場サイドからは、セリフに動きのタイミングを合わせるための「スポッティング」を要求されました。でも「音声があるのだから、聞けばわかる。セリフを聞くことでキャラクターの気持ちもわかるし」と、突っぱねました。CGスタッフには「面倒な監督だな」と思われていたかもしれませんね。

――ぜひ注目してほしいカットシーンは?

伊藤 まず、話を楽しんでほしいのと、キャラクターは3Dですけど、あまりそれを気にしないで観てほしいですね。俺は(3Dアニメの)『スパイダーマン: スパイダーバース』以降、もう2Dだの3Dだのという垣根は関係ないのではないか、そういう戦い方をしなくてはいけないのではないかと思っています。

――サブキャラクターも魅力的ですね

伊藤 サブキャラは、扱い方が難しいです。どれくらい出番を作ったらいいのか。長井さんの最新作も、それを気にしながら観ていました。

長井 僕は、前作『心が叫びたがってるんだ。』が学校のクラス単位の群像劇だったので、「人数が多いときつい」という反省を踏まえて、今回はサブキャラクターの人数を絞ることにしました。でも、サブキャラは、インパクトがあって、ちゃんと使えていれば、出番の大小は関係ないと思う。

伊藤 メインキャラの少なさとサブキャラの感じは、長井さんも同じようなことを考えているなと思いました。

長井 映画っぽさというか、2時間弱で描ききれるキャラクターの数ってどんなものだろうと、今でも試行錯誤している最中です。とりあえず今回はこんな感じでやってみました。

――それでは、長井監督の『空の青さを知る人よ』をご覧になった伊藤監督の感想は?

伊藤 原作者である「超平和バスターズ」の3人(長井龍雪・脚本の岡田麿里キャラクターデザイン田中将賀)がちょっぴり大人になって、子ども目線ではないところへ踏み入ったのが良かったです。これまでは、中高生の子ども目線から見たときに「大人=邪魔な対象」と映ることが多かった印象があります。今回は「大人もやさしい目線で見つめよう、君たちの苦労もわかるよ」といった感じがあって。そこに「超平和バスターズ」の3人の〝年齢を重ねた感〟というものを感じます。

長井 そうですね。そういうふうに、人はだんだん大人になっていくんですね。

伊藤 それは意識してやっていたのですか?

長井 今回、このチームでの作品では初めて30代のキャラクターメインで登場しますが、高校生より自分の年齢に近いほうが素直に描ける感じはしました。これまで頑張って高校生を描いていたのは、けっこう無理していたんだなと(笑)

伊藤 アニメを作っている者はみんなそうじゃないですか(笑)

長井 高校生を描くことにあまりにも慣れていたから、30代を動かすのはこんなにも動かしやすいのかと思いました。

伊藤 俺も、30代のキャラクターを「わかるわかる」という気持ちで観ていました。また「秩父って、そんなに東京から遠いんだ」とも思いましたね。

――長井監督が『空の青さを知る人よ』制作でのこだわりのポイントは?

長井 主人公たちの楽器演奏シーンは、絵コンテに合わせた形でプレイヤーが実際に演奏する様子を撮影し、その映像を元にアニメ映像を作る「ロトスコープ」技法で作っています。技術的に大変で、作画スタッフには苦労をかけました。あとは、なるべくカット数を減らすことを意識的にやっています。

伊藤 今作は何カットですか?

長井 120カットくらいです。前作『心が叫びたがってるんだ。』は170カットあって、作画スタッフにキレられそうになりました(笑)

伊藤 え、誰に(汗)

長井 もちろん、田中将賀さんです。TVシリーズは、なるべくカットを刻み、カットの数でリズムを作って20分を一気に見せきります。それをずっとやってきていたので、カットを減らすのは難しかったです。

伊藤 今回は、ロングショットの絵が多かった気もしますが?

長井 TVシリーズは、作画スタッフの労力を考えて、バストショットで済むものはなるべくそうしますが、劇場作品はTVと違う構図にしたくなります。大画面になるので、引き(ロング)の絵にしたい。でも、それがのちのち自分の首を絞めることになるんです(笑)。同じ尺(時間)が流れるのだから、カット数が少ないからといって、フィルムを埋めるために必要な絵の枚数が減るわけではないんです。

伊藤 そうなんですよね。

――では、苦労されたところは?

長井 やはりロトスコープで制作した演奏シーンは大変でした。でも、演奏シーンは、本作のメインではないんですよね。

伊藤 俺は、冒頭を観て、演奏がメインかと思いました。裏切られた。そういう意表のつき方だったかと。そこも面白かったです。

長井 (笑)

――今作はどんな形で生まれたのですか?

長井 最初は、本当にざっくりしたものです。「秩父で高校生が出てきて」という感じ。今回は、ひとつの区切りとして「秩父から出て行く話にしよう」という話から始まりました。そこからみんなで話しているなかで「出て行くほど地元も悪いところじゃないよね」といった話になりました。そういうところから30代組のキャラクターが生まれました。自分たちが生きる場を肯定する30代組と、自分たちを束縛する場から出て行きたい若者。「両者を平行して描くことでなにかが生まれないかな?」ということで、今作の話になりました。

――注目してほしいポイントは?

長井 田中さんが描くキャラクターの表情を観ていただければな、と思います。

――『HELLO WORLD』はプレスコとのことでしたが、『空の青さ』の収録はアフレコですか?

長井 アフレコです。でも、映像がほとんど完成していないままの録音だったので、プレスコと変わらなかったかもですけど(笑)

伊藤 アフレコの絵に合わせたのかと思うと、俳優さんはお上手でしたね。

長井 それは、僕もびっくりしました。

――2作品には共通するものが多いように思うのですが、いかがですか?

伊藤 俺の『HELLO WORLD』は、10年後から来る者を描く話。長井さんの『空の青さを知る人よ』は、13年前から来る者を描く話。それが続けて公開されるんですよね。

長井 そう言われればそうだ。同じ東宝映画だし、重なる点が多いですね。

――2作品に共通する未来や過去から訪れる者には、どのような意味があるのですか?

長井 僕の話はファンタジーですが、30代になったキャラクターと13年前の人物を登場させることで、両者の違いを際立たせます。

伊藤 俺は「年齢の離れた同一人物キャラクター主人公」が好きなんです。『世紀末オカルト学院』にも登場しているくらい、好きなネタなんです。今回は「ふたりが一緒になにかをすることにしよう」ということが始めに決まりました。

長井 その企画から伊藤さんのオーダー?

伊藤 「未来から来る者と一緒になにかをする話はどうですか?」と提案すると、東宝のプロデューサーが「未来から来た者に『お前が住んでいる世界は仮想世界だ』と言わせましょうよ」と、ドヤ顔で言われて。

長井 いきなり、そんな物語の核心のところを!?

伊藤 「それいいじゃないですか!」ということで、そこからあとの話を作りました。長井さんの作品も、年を取ったキャラクターにはうまくいかないことがいっぱいあるじゃないですか。そのギャップがいいんです。年を取ってからとくにそう感じます。「本当にわかるわ〜」と。自分と重ねて観ますよね。

――この2作品は、そうした共通項を見比べてみるのも面白いかもしれませんね。

伊藤 未来や過去のキャラが現在の世界を訪れるという外形的な部分だけでなく、ほかにもいろいろな共通項があると思いますよ。どちらも、キーアイテムが“ノート”ですし。

長井 そうですね。

伊藤 俺が長井さんの新作を観ていて一番ドキッとしたのはそこです。なぜかシンクロしているんですよね。2作品を鑑賞し、共通項を探し出してニヤニヤしてください。でも、見つけた共通項を決して我々に伝えないでください。ツイッターで報告とか絶対しないでください。

長井 聞きたくないですね(笑)

――では最後に、読者にメッセージをお願いいたします。

伊藤 中高生をメインターゲットにして作られています。「こんなことをできるといいな」
を叶えられる作品を作っているので、気軽に観てもらいたいです。難しい言葉はいっぱい
登場しますが、そこは勉強してください(笑)

長井 こちらは、難しい言葉とか一切ありません。高校生になっても、大人になっても、
悩んでいることはみんな一緒なんだぜ、みたいな話なので、気負わず観ていただければ。

伊藤 ぜひ、続けて劇場へ行きましょう!

長井 公開時期は少しずれますけどね。

映画『空の青さを知る人よ』公式サイト
https://soraaoproject.jp/

映画『HELLO WORLD』公式サイト
https://hello-world-movie.com/

©2019「HELLO WORLD製作委員会
©2019 SORAAO PROJECT