俳優のムロツヨシが、10月11日に公開初日を迎えた吉永小百合主演映画「最高の人生の見つけ方」の初日舞台あいさつに登壇。東京都内の劇場に吉永、天海祐希、満島ひかりももいろクローバーZ、前川清、そして犬童一心監督と共に現れ、撮影エピソードを語った。

【写真を見る】吉永小百合にしてもらうはずだった…? 膝枕を再現するムロツヨシ

ジャックニコルソンモーガン・フリーマン主演で、余命6カ月の2人の男が生涯最後の冒険旅行に出るという2007年公開のアメリカ映画をリメークした本作は、主役を女性に変更。

人生のほとんどを“家庭”に捧げてきた主婦・北原幸枝(吉永)と、人生のほとんどを“仕事”に捧げてきた女性社長・マ子(天海)の2人の物語となる。

突然の余命宣告を受けた2人が、同じ病院に入院する12歳の少女の“死ぬまでにやりたいことリスト”を見つけ、このリストすべてを実行するというあり得ない決断をする…というもの。

本作に天海演じるマ子の秘書・高田役として出演するムロは「こんばんは。ムロツヨシでございます。あらためまして本日劇場に足を運んでくださいましてありがとうございます。

私にとっても思い入れのある作品となっております。(上映後あいさつと聞き)あ、皆さんもう見ていただいた後なんですね? わ~! どうもムロです。見ていただいているんだ。あとでちょこっとばかし裏話なんかもできればと思っておりますので、楽しみに待っていただきたいと思います。あまり話が長いと怒られますので、この辺で切り上げようと思います」と早速ムロらしいあいさつで、会場を沸かせる。

■ ムロ「私が一番楽しみにしていたシーンが…」

ムロ演じる高田は、マ子(天海)の部下であり、幸枝(吉永)とマ子の旅のサポートをするという役どころ。

大女優2人との共演について、ムロは「本当にうれしい日々でした。天海さんと上司と部下という関係で楽しくお芝居させてもらいましたし、台本を読んだときに、最後に幸枝(吉永)さんと向き合ってお芝居をするという、こんな役を私がやっていいのかと」と恐縮しきりの様子。

続けて「毎日緊張感もあり、楽しい日々でしたが、台本上で私が一番楽しみにしていたのがですね、スカイダイビングから降りて、『元気がない高田を介抱する幸枝。膝枕をして(もらって)いる高田』。台本にはそう書いてありました。そこにマ子社長が来て『デレデレしてんじゃないわよ』と言われる、これが台本です!」と、おもむろに語りだす。

観客の笑い声でざわつき始める中、さらに続けてムロは「いざ、テストでやってみたらですね、膝枕に行く途中に、マ子社長が『ノー膝枕!』っていう、アドリブですね。完全に台本にはない『ノー膝枕』というせりふのせいで、一切幸枝さんに近づけず、“小百合”と“ムロさん”はくっつけられず…。えっと、すみません! 今呼び捨てしちゃった! 俺をさん付けしちゃった。緊張し過ぎて(笑)。

で、小百合さんとムロがくっつく前にノー膝枕。何回やってもノー膝枕なんですよね。監督も一切何も言わず、そこはこの映画で唯一の天海さんと監督へのクレームですね」とまくしたて、恨み節。

これに天海はあやすように「残念だったですね~。今回はたぶん無理、次回でお願いします」と言うと、ムロは「そんな毎回膝枕のシーンはないでしょう!」と苦笑い。

アドリブを入れた真意を聞かれ、天海は「立場的に、高田が甘えているというのが許せなかったんだと思います。マ子さん的にね。天海じゃないです。私が飛び降りてきているのに、何だ?っていうことだと。何甘えてんだよ!ってね」と明かした。

それを受け、実際に役者たちの演技を止めなかった犬童監督も「僕も見ていて、(天海と)同じ気持ちになりました」と、天海と同じ思いでそうしたことを告白。

実際にムロとの“接触”を天海に防いでもらった形になった吉永は「私は、マ子さんに付いて行きます」と笑顔でまとめた。(ザテレビジョン・取材・文=尾形正奈)

映画「最高の人生の見つけ方」初日舞台あいさつに登壇した満島ひかり、天海祐希、吉永小百合、ムロツヨシ(写真左から)