イギリスで乗馬を楽しんでいた15歳の少女が、落馬の際に門柱に顎を強くぶつけ、顎半分がぶら下がった状態で病院に搬送された。緊急手術を受けた少女はその11日後に退院、1か月後には学校に行けるまでに回復した。

8月のある土曜日、15歳のエミリー・エクルズさん(Emily Eccles)はダービーシャー州バスロウで家族や友人と乗馬を楽しんでいた。ところが乗っていた馬が車の大きな排気音に驚いて突然猛スピードで走り出し、エミリーさんは鐙(あぶみ)から足が外れ、体勢を崩したまま木の門柱に激しく顎をぶつけた。そのまま落馬したエミリーさんだが、地面に叩きつけられる直前に赤く染まった‟何か”に気が付き、手で抱えた。

エミリーさんはその時のことを次のように振り返っている。

「手にしたものを見て『いったいこれは何?』と思ったの。でもよく見たら歯と骨があって、『これってもしかして私の顎?』と気絶しそうになったわ。それは私の顔からぶら下がっていたの。まるでホラー映画のワンシーンのようだった…。」

エミリーさんの顎は左半分が1センチの皮膚で辛うじて繋がっている状態で、唇や顎に感覚を伝える神経は両サイドとも切断されていた。

その後、エミリーさんは英シェフィールドにあるシェフィールド小児病院に搬送され、午後9時過ぎから緊急手術が行われた。手術を担当した顔面再建の専門医リカルド・モハメド-アリ医師(Ricardo Mohammed-Ali)が「紛争地帯以外では、これまでで最悪のケース」というほどの重傷を負ったエミリーさんだったが、約5時間半をかけて手術は無事終了。エミリーさんの顎には3枚のチタン製のプレートが埋め込まれ、160針も縫う大手術だった。

しかしながらエミリーさんの回復は驚異的で、顔を覆っていた保護テープは6日後に外され、11日後には退院、事故から1か月後に始まった学校にはしっかり登校しており、本人は「また乗馬を再開したい」と意欲を燃やしているそうだ。

モハメド-アリ医師は「これからも長期にわたって経過観察が必要ですが、手術は成功しこれまでのところは順調です。今回の手術結果には非常に満足しています。時間とともに傷は薄くなり、1年もすれば普通に会話をする距離なら、傷あとがわからないくらいに回復するでしょう」と語っている。

エミリーさんの家族は「最初に連絡を受けた時には、エミリーが死んだのかと思ったほどです。最悪の事態も覚悟していましたが、モハメド-アリ医師のおかげでエミリーは救われたのです。同医師の仕事ぶりに感銘を受けた私たち家族は、彼にナイト爵位の授与を検討してもらえないか、エリザベス女王に手紙を書いたところです」と明かした。

またエミリーさんは「事故が起きた時は、もう2度と同じ顔に戻れず、今までのような人生は歩めないだろうと思っていました。医師には感謝してもしきれません」と述べている。

画像は『Sheffield Children’s Hospital and Charity 2019年10月8日付Facebook「On a Saturday evening in August this year, 15 year old Emily arrived at our Emergency Department with her jaw split into two after a horse riding accident.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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