中国ではかつて日本製品が人気だった時期がある。たとえば、1978年に行われた改革開放からしばらくは日本の家電が大人気で、当時の中国人にとっては高額で簡単に手が届く存在ではなかったが、それでも憧れの的だったようだ。

 しかし、最近では中国の家電チェーン店などで日本メーカーの製品は売場の片隅に追いやられるケースも多くなっているらしい。中国メディアの今日頭条は10日、中国で日本製品の人気が落ちてしまった理由について考察する記事を掲載した。

 記事は、グローバル化する経済のもと、中国では米国や日本など世界各国のメーカーの製品が売られていると紹介、日本製品はコストパフォーマンスの高さと良好なクチコミをもとに、中国人消費者の間で一定の支持を獲得してきたと指摘した。さらに、日本製品が良好なクチコミを獲得できたのは品質が高かったからであり、高品質こそ日本製品にとって最大の強みだったと論じた。

 しかし、中国では近年、日本製品の「地位」は明らかに低下したと伝え、これには日本の製造業で相次いで発生したスキャンダルがかかわっていると指摘。日本では様々なメーカーが検査結果を捏造したり、隠蔽したりしていたことが相次いで発覚した時期があったと紹介し、こうしたスキャンダルは中国でも大きな注目を集め、消費者の日本製品に対する信頼は大きく低下したと強調した。

 また記事は、もう1つの理由として中国製品の品質向上を挙げ、中国製品が品質を高めたことで日本製品以上にコストパフォーマンスが高くなったと指摘し、こうした要因から日本製品から中国人消費者の心が離れてしまったのではないかと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

憧れの存在だった日本製品、凋落はなぜ起きてしまったのか=中国メディア