子育てをしていく中で、大事なのは「褒める育児」「個性を伸ばす育児」なんてことを耳にします。そんな育児書もたくさん読みました。

子どもに自己肯定感を与える子育てが大事…それは、よく分かっているんです。いえ「頭では理解しているつもり」と言った方が、感覚的に近いかもしれません。それでも日々の育児に悩み、頭を抱えるお母さんが多いように思うのは、私だけでしょうか?

現代の日本の子ども達は自己肯定感が低い

内閣府が2019年6月に発表した「令和元年度 子供・若者白書(全体版)」。

対象は満13歳から満29歳までの日本を含む諸外国7カ国の男女で、調査期間は2018年11~12月にかけて実施されたものです。

この内容から、いまの日本の子ども達は自己肯定感が低い傾向にあることが分かりました。
「自分自身に満足している」かという質問に対しての結果に注目しました。

そこには、日本の子ども達は諸外国と比べて、自分に満足している傾向が低く、またその傾向はここ数年変わっていない…という点でした。下記がその結果です。

【自分自身に満足している】
※国名:『そう思う』+『どちらかと言えばそう思う』=合計

• 日本:10.4%+34.7%=45.1%
• 韓国:36.3%+37.2%=73.5%
• アメリカ:57.9%+29.1%=87%
イギリス:42.8%+38.1%=80.9%
ドイツ:33%+48.8%=81.8%
フランス:42.3%+43.5%=85.8%
スウェーデン:30.8%+43.3%=74.1%

【前回(平成25年度)調査(日本のみ)】
7.5%+38.3%=45.8%

調査対象の年齢が、多感な思春期の頃からすでに成人している人も含めていますので「子ども」と呼ぶには相応しい年齢では無いかもしれません。

ですが、自己肯定感は長い年月の積み重ねで得られる感情です。幼少期には自己肯定感が高かったのに、思春期以降はガクンと下がってしまう傾向にある…ということは考えにくいと思います。

また、もしそうだとしたら、そういう傾向にある国ってどうなんだろう…と思ってしまいます。

「LIMO[リーモ]の今日の記事へ」

子どもの自己肯定感は母親しだい?!

このように自己肯定感が低い傾向にある日本の子ども達ですが、その自己肯定感が得られない原因としてあげられるのが「親との関係性」です。

とくに日本は、諸外国と比べても、母親に子育ての比重が大きく生じる傾向にあります。

そのために、母親自身も「この子に問題があったらどうしよう…」と、まるで自分自身のことの様に感じてしまう人も多いように見受けられます。

確かに、子どもにとって親は大きな存在です。人格形成に対する影響も大変大きいと思います。

ですが、子どもが抱える問題すべてを親が抱えてしまうのは、どうなのでしょうか。

「自己肯定感の悪循環」に陥っていませんか

自分のお腹から産まれ、まさに分身とも言える愛しい我が子。それだけに「この子が困ることがないように」と精一杯の愛情と手をかけて、日々の育児に勤しんでいるお母さん達が大勢いらっしゃいます。

ただ、子どもがやったことすべて、まるで自分のことのように責任を背負い込んでいませんか?子どもが何か悪いことをした時に、必要以上に自分を追い込んでいませんか?

子どものやったことに対する責任は、確かに親が負います。ですが、「子どもがやったこと=(イコール)自分のせい」と必要以上に捉えてしまい、お母さん自らの自己肯定感を下げてしまっているのではないでしょうか。

「自分は母親に向いていない」「こんなに頑張っているのに報われない」そんな風に考えて、自分自身に自信が持てず、その苛立ちや感情を我が子に向けてしまっては、子どもも自分を認めることができず大人になってしまいます。

このような状態こそ「自己肯定感の悪循環」と言えるのではないでしょうか。

断ち切りたい「自己肯定感の悪循環」

自己肯定感を育む子育てについては、さまざまな書籍やネットに取り上げられています。ですので、あえてここでは割愛させて頂きます。

だって今さら「まずは子どもの感情を受け入れよう、話を聞こう」「否定から入らない」なんて話、きっとこの記事に目を通している方なら、見飽きて(聞き飽きて)いると思います。

知っているけれど、それでも落ち込む…分かります。私も同じです。

自分の自己肯定感の低さから、我が子の人格形成に影響を及ぼしているなんて、本当は考えたくありません。考えたくありませんが、自己肯定感の悪循環が連鎖しているのであれば、それは母の代で断ち切りたいと思いませんか?

「頑張ってる」って胸を張って言えるように

「子どもを受け入れる」その前に、母である自分自身を受け入れてみませんか。

それがどんな方法があるのか、悩むことから前になかなか進めない人も多いと思います。私自身、なかなか難しいと感じています。

ちょっと気分が沈みがち、そんな時は、意識して目線を上げるようにしています。自分に自信がない、そんな時は自然と視線も下を向きがちです。

目線を上にあげるだけで、青い空が見えたりキレイな街路樹が目に入ったり。それだけで気持ちが少し楽になる気がします。

そして深呼吸をして、小さな声で「私、頑張ってるな」って呟いてみます。恥ずかしいので、自分だけに聞こえるような小さな声です。だって、これくらいで「頑張ってる」なんて、言って良いのかなって考えがどうしても消えないのです。

この恥ずかしさが消えて、いつか普通の声で「私、頑張ってる!」って胸を張って言える時、私は私を受け入れられるんじゃないかと思っています。

まずは小さな一歩から。アナタもアナタなりに、自分を好きになる努力を一緒にしてみませんか。

【参考】
令和元年度 子供・若者白書(全体版)」内閣府