徴用工判決や日韓GSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄など、悪化の一途を辿る日韓関係。そんな中、先日の内閣改造まで外相を務めていた河野太郎防衛相が、日韓外交の舞台裏を激白した。

「彼女とは二人で日韓関係を新しい高みに引き上げようと意気投合していました」

 河野氏がそう振り返る「彼女」とは、カウンターパートだった康京和外相のことだ。

日韓基本条約を覆すようなことはあり得ないよ」

携帯電話で話ができるような関係でした。『1965年日韓基本条約、請求権協定が法的基盤だから、これを覆すようなことはあり得ないよ』と伝え、韓国の外交部もこの認識は共有していたと思います。ところが、あの大法院判決が出てしまったんです」

 韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じる「徴用工判決」を下したのは昨年10月のこと。ただ、その後も河野氏は康外相と何度も対話を重ね、関係改善に努めたという。だが、文在寅政権は今年8月23日、今度は日韓GSOMIAの破棄を宣言してしまう。

青瓦台の認識は違っていた

「北京で日中韓外相会談(8月20日)をやった際にもGSOMIAについて彼女と話をしました。おそらく韓国政府の中にも外交部、国防部を中心に、北朝鮮情勢が緊迫化する中で『この話は別だよね』という認識があったんだと思います。ところが彼女が(韓国に)帰国したら、文在寅政権はGSOMIA破棄を宣言した。青瓦台大統領府)の認識は違っていたということではないでしょうか」

 つまり、一連の日韓関係において、外相レベルでは問題意識を共有できていたにもかかわらず、青瓦台がそれをひっくり返してしまったということだ。

「文藝春秋」11月号では、河野氏が日韓関係のほか、総裁選への意欲、菅義偉官房長官から叱咤されたエピソードなどについても語っている。

 さらに、「『ポスト安倍』に問う」と題し、河野氏に加え、茂木敏充外相、岸田文雄政調会長、加藤勝信厚労相、野田聖子元総務相、石破茂元幹事長に、総裁選への意欲や日韓関係、憲法改正などについて連続インタビューを行っている。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2019年11月号)

河野太郎氏 ©文藝春秋