10月14日、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2020S/S」が開幕。そのオープニングステージとして、X JAPANのYOSHIKIが手がける着物ブランド「YOSHIKIMONO」によるショー「YOSHIKIMONO 2020 S/S COLLECTION」が東京・渋谷のヒカリエホールで行われ、YOSHIKIが台風19号の被害やラグビーワールドカップについて言及した。
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ショーではYOSHIKIがクリスタルのピアノを演奏。レーザーの美しいライティング、赤い花びらが舞い散る演出などで観客を魅了。“伝統と革新の融合”をテーマに掲げるブランドだけに、着物本来の良さを見せつつ、着物をドレスとして見せたり、アニメ『進撃の巨人』やコミック『ブラッド・レッド・ドラゴン』の絵柄を取り入れるなど、今回のショーでもオリジナリティーを随所に感じとることができた。フィナーレはYOSHIKI自身もランウェイを歩き、観客が大きな拍手で祝福した。
■ 着物事業に取り組む訳とは
イベント終了後、4人のモデルと共に囲み取材に応じたYOSHIKI。「この10年間、着物産業は低迷していて、どう復活させるか考えてきました。若い人たちに興味を持ってもらえるようなロックンロールのテイスト、アニメやコミックが描かれている着物もあります。若い人たちに刺激を与えることで、日本の人たちに着物というものを知ってもらうことができたり、世界に広めることができると思っています」と、若い人たちに着物の良さを伝えたいとアピール。
『進撃の巨人』や『ブラッド・レッド・ドラゴン』の絵柄を取り入れた着物をショーで披露したことについては「ツアーで回るとどの国でもアニメのファンがいて、日本のアニメって本当にすごいんだなと実感します。僕みたいなファッション業界では駆け出しの人がこんなことをやっちゃっていいのかなって思いましたし、賛否両論が巻き起こるんだろうなと思いましたが、思い切って着物の絵柄に取り入れてみました」とその理由を語った。
■ ボランティア活動を語る
台風15号で被害に遭った千葉県でチャリティー活動を行ったことについて聞かれると「初めてボランティアとして現地に行きました。最初の1時間ぐらいは『気づかれるかな?』とか『視線が気になるな』とか思ってたんですけど、みなさんが一生懸命ボランティア活動をされている姿に心を打たれまして、途中からは『もうYOSHIKIでも誰でもいい! とにかくこのミッションをやり遂げるんだ』という気持ちになって、新しい自分を発見しました」と振り返った。
さらに今回の台風19号の被害の大きさを知り、「できることがあれば全力でやりたいと思っています。僕自身、父親を亡くしたり、メンバーを失ったりした時に皆さんに助けられてきたので、恩返しをする意味でも、これからもチャリティー活動を続けていきたいと思っています」とコメント。
ラグビーワールドカップで試合が中止になったカナダ代表の選手たちが、岩手県釜石市に残ってボランティア活動に参加したことに「素晴らしいですね。勇気をもらいました」と話し、日本代表には「エールを与えるぐらいの力はないのですが“Xパワー”を。“X”って無限の可能性という意味があるので」とYOSHIKI流のエールを贈った。
数日前に日本に到着し、このファッションショーの準備をほとんど寝ずに行ってきたというYOSHIKIは、「あまりにも寝てなかったので、花びらが降ってきた時は『夢を見てるのかな?』『現実なのかな?』と自分でも幻想的な世界に入ってしまって(笑)」と会場を和ませ、最後は「ファッション業界では新米で、学ぶこともたくさんありますけど、固定観念を破壊しながら、伝統的な着物の文化を伝えていきたいと思っています」というメッセージで締めくくった。(ザテレビジョン・取材・文・撮影=田中隆信)
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