最愛の夫の闘病を最期の瞬間まで見守り、亡くなったあとは「立派な葬儀をとり行いたい」と願った妻。しかしその妻の希望は、葬儀業者の信じられないような失敗のせいで砕け散ってしまった。
■最愛の夫の死
英国で暮らすある女性(52)の夫は、2013年に腎臓に腫瘍ができていると宣告され闘病を開始。治療の段階で白血病を患っていることも発覚し、夫はどんどん弱り2015年に亡くなってしまった。
とても優しく愛情深かった夫の死を嘆きつつも、女性は「愛する夫をきちんと見送ってあげよう」と決意したという。
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■むき出しになった遺体
女性は大金を用意し高額な棺桶を手配。遺体をおさめた棺桶は葬儀業者のスタッフ数名がかつぎ、400~500人の参列者が見守るなか、事前に掘ってあった穴の底に置こうとした。
しかしそのとき棺桶が穴に転がり落ち、なんと粉砕。その瞬間に遺体がむき出しになったというが、その顔面は傷みひどい状態になっていたという。
あまりのショックに女性が驚き泣き出した瞬間に子供たちが穴に飛び込み、慌てて父親の遺体を回収。棺桶をかついでいたスタッフは即座に逃げ出すという無責任な態度で、女性と家族はそのあと別の葬儀業者に依頼し、葬儀をやりなおすことになった。
■トラウマで墓参りもできず
ひどい経験をしたことで、女性と子供たちはカウンセリングを受けるはめになってしまった。また女性は今も眠れない夜が多く、傷ついた遺体、パニック状態に陥る参列者たちの様子、遺体を回収すべく必死になる子供たちの姿が頭に浮かぶという。
また女性は知人が亡くなっても怖くて葬儀には参列できず、子供たちもトラウマがひどいため父親の墓参りに行けない状態が続いているという。
■4年に及んだ協議
このハプニングの後、女性は弁護士を雇用。葬儀業者を相手取り約4年もかけ協議を進め、8月にようやく和解金が支払われたという。
葬儀業者はこの件につき謝罪しつつ、「調停に応じ和解金を支払って決着がついたケースです」「もうコメントはありません」と話している。
事情を知る人たちからは「時間が経てば立ち直れるから」と励まされているという女性だが、今もつらい気持ちはまったく癒えていないとのこと。
全てを目撃した参列者のトラウマも、いかばかりだろう。遺族をはじめとする関係者が少しずつでも立ち直り、前向きになれるよう願うばかりだ。
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