吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞したことで、日本中が喜びに包まれた。今年も日本からノーベル賞受賞者が出たことは中国からも注目されているが、その中国からの受賞者は非常に少ない。中国メディアの今日頭条は11日、中国人がノーベル賞をなかなか獲れない理由について分析する記事を掲載した。4つの理由があるという。

 その1つは、「歴史的要因」だ。日本の歴史を振り返ると、唐の時代には中国から学び、明治維新後は西洋から学んだが、中国は「中国こそ世界の中心」というプライドに邪魔されて他国から学べなかった歴史があると分析した。

 2つ目は、「基礎的な要因」だ。日本は明治維新の時に今の基礎を作ることに成功したが、中国はそのころ動乱期で、新中国設立後も文化大革命が発生したと指摘。そのため「日本は基礎をしっかり固めている中で、中国は一度壊してから一から立て直す」必要があり、ここで差がついたと指摘している。

 3つ目は、「教育政策の要因」だ。科挙制度のあった中国では、昔から試験が一生を決めるという政策があるため、つめこみ式教育が一般的だが、日本では心身の健康を重視するという違いがあると分析した。

 最後に、「英語教育に対する考えの違い」だ。記事によると、中国の英語教育は、テスト対策、コミュニケーション、出国、文学鑑賞といった目的に偏っているという。しかし科学技術研究には英語で学術書を読み専門用語でコミュニケーションをとる能力が必要だ。そのため、日本では高校から科学技術の専門的な英語を教えていると感心している。

 記事は最後に、中国も自らが不足している点を理解して改善すれば、時間をかけてノーベル賞を目指すことは可能だと締めくくっている。記事はノーベル賞受賞に意欲的だが、多くの中国人ネットユーザーはあまり期待していないようで「ノーベル賞に注目しすぎる必要はない。中国のハイテク設備や科学技術の進歩に注目すべき」とのコメントが寄せられた。そもそも、「ノーベル賞ってそんなに儲かるのか」と儲かることを優先すべきだという意見もあったが、功利ばかりを追求していてはノーベル賞の受賞は難しいと言わざるを得ないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本人にはできるのに! 中国人はなぜノーベル賞を獲れないのか=中国メディア