長野県須坂市にある田中本家博物館で、建物の保存のために通常は非公開とされている明治時代の田中家の客殿「清琴閣」が、11月2日(土)~4日(月)の3日間限定公開される。

【写真を見る】その外観も立派な佇まいの客殿「清琴閣」

田中家は、江戸中期・享保18年(1733年)に初代新八が現在の須坂市穀町で穀物、菜種油、煙草、綿、酒造業などの商売を始めたことで代々須坂藩の御用達を勤め、須坂藩をも上回る財力をもった北信濃屈指の豪商だ。その本家は当時の面影を伝える屋敷構えで、約100メートル四方を20の土蔵が取り囲む豪壮なもの。内部には天明年間(1780年代)作庭の池泉廻遊式庭園のほか、客殿や主家などの建物が軒をつらねており、四季折々の散策が楽しめる。

今回限定公開される客殿「清琴閣」は、田中本家に訪れる政治家や文化人といった客人を迎える迎賓館として、明治28年(1895年)に建てられた。2階から見下ろす庭園の眺め、建物の建材として使われている桧、屋久杉、黒柿といった銘木の数々、内部に描かれた木村武山、山内多聞といった当時を代表する日本画家の襖絵など見所が数多くある。

当日は、田中本家12代目当主もガイドとして案内してくれる。明治時代の貴重な建築物として国の有形登録文化財にも指定されている「清琴閣」の限定公開に参加して、貴重な建物を見学しよう。(東京ウォーカー(全国版)・ウォーカープラス編集部)

普段は見ることができない客殿「清琴閣」が限定公開される