酒井の合わせの意識は「その時のフィーリング」 理由は「みんな才能ある選手なので」

 森保一監督率いる日本代表は、15日にカタールワールドカップ(W杯)アジア2次予選の敵地タジキスタン戦に臨む。10日のホーム・モンゴル戦(6-0)で先発出場したMF伊東純也(ヘンク)が3アシストの活躍を見せ、右サイドハーフのポジション争いが熾烈さを増しているが、MF堂安律PSV)、MF久保建英(マジョルカ)、伊東の3人と右サイドで縦関係を築いた経験を持つDF酒井宏樹マルセイユ)は、「その時のフィーリングで決めている」と“合わせのスタンス”について語った。

 10日のW杯予選モンゴル戦、森保ジャパンはMF南野拓実ザルツブルク)ら6人がゴールを挙げて6-0で快勝。右サイドハーフで先発出場した伊東が3アシストと輝きを放ったなか、同じサイドでコンビを組んだ酒井も前半40分にバックヒールで伊東につなぎ、FW永井謙佑(FC東京)への絶妙クロスを引き出している。

 右サイドハーフは森保ジャパン発足当初からレギュラーを務めてきた堂安に加え、伊東、さらには18歳の久保と競争は熾烈を極めている。それぞれ特徴が異なり、対戦相手に応じたチョイスが可能だが、実際に同じピッチプレーしている選手にはどのように映っているのか。右サイドバックの主力である酒井は次のように証言する。

「みんな才能のある選手なので、それぞれのいいところだけが出るように、逆に悪いところをしっかり補えるようにやっていければいい。(彼らと組むうえでの意識?)基本的にはもう試合中に決めています。相手の出方も踏まえて、その時のフィーリングですね」

 パワフルなドリブルを武器とする堂安であれば、中へカットインしてシュートを狙う形が多く、駆け上がってサイドのスペースを使うのが効果的。2018年10月の国際親善試合ウルグアイ戦では、セットプレーのこぼれ球を拾った堂安とワンツーを完成させ、初ゴールをアシストしている。逆に伊東の場合は、モンゴル戦でもあったように、スピードを引き出すように抜け出しや崩しに導き、クロスを上げるシーンを陰でサポートしていた。久保とはまだ、9月のW杯予選ミャンマー戦(2-0)の10分間しかピッチ上では共闘していない。それでも、18歳のレフティーはトップ下にも対応できる卓越したテクニックを誇るだけに、酒井としても合わせやすいだろう。

18歳の久保は「みんな同じタイプだとつまらない」と3人が異なるからこその良さを強調

 タジキスタン戦前日の練習後には、久保が右サイドの選手について語る場面があったが、「誰が出ても面白さがある」と3人とも違うプレースタイルだからこその意義を説いている。

「(伊東選手は)クロスの正確性があって、右サイドで出た時に自分には右足であのクロスは上げられないので、そこは学ぶというか凄いなと。ただ、別に堂安選手や伊東選手に自分が合わせていくつもりはない。自分は自分のストロングがあると思うし、他の選手もストロングがある。みんな同じタイプだとつまらないと思うので。3人いて、3人とも違うプレースタイルだと思います」

 酒井も「(モンゴル戦のように)あれぐらい上がれれば楽しいですけど、最終予選が始まればそんなに簡単(な相手)ではないので。そこはしっかり状況を見ながらですね。まあ、すごい楽しみです」と、異なる3人の“相棒”とのプレーに期待していた。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda

日本代表の右サイドハーフのポジション争いが見逃せない【写真:Yukihito Taguchi mages】