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東日本大震災 復興支援のイベント

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

自らポルシェ356スピードスターを駆り各地のクラシックカー・ラリーに参加する俳優の唐沢寿明氏は、自他ともに認める熱烈なエンスージァストである。

そんな唐沢氏が発起人となって開かれたのが「GO!GO!ラリー in 東北」〜 Classic car meeting 2019〜だ。

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今回はポルシェの参加が多く、なかでも356はなんと25台が集まり、遠くは九州からの参加者も見られた。

開催された経緯について伺った。

「3年ぐらい前に石巻の方にお会いする機会があって、3.11の直後は沢山の人が来てくれたけど、しばらくすると人が来なくなり寂しい、と言われました」

「とにかく人に来てほしいと。それだったら、こうしたラリーを開催したら人が行ける環境を作れ、また食事や宿泊でその地域に少しは貢献できるかな、という思いから開くことにしました」と語ってくれた。

発起人の唐沢氏に賛同した速水もこみちさんは女川町まちなか交流館前特設会場でトークや料理を振る舞った。また谷原章介さんや福田綾乃さん、橋本マナミさんらも参加し、イベントを盛り上げてくれた。

またイベントのオフィシャル・ポスターやTシャツなどは、唐沢氏とは映画「20世紀少年」以来のコンビとなる漫画家の浦沢直樹氏によるもの。復興支援の趣旨に賛同して特別に描き下ろしたものが使用された。

2日間で350kmを走破

初日のルートは宮城県仙台市にある「せんだい青葉山交流広場」で公開PCをこなしてからスタートし、松島海岸でPCに挑んだ。

そののちに、石巻を経て女川町にあるまちなか交流館で地元の食材を使ったランチを楽しんだ。

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今回は東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県の沿岸部を訪れたのち、山間部をめぐるルートが組まれた。

食後は牡鹿半島のコバルトラインのワインディングを堪能すると3連続のPC(あらかじめ決められた短い区間距離をいかに決められた時間で正確に走れるかを計測する競技)にアタックした。

鮎川港にある「ホエールタウンおしか」で一息入れたのち、東日本大震災の悲惨さを象徴する大川小学校跡を訪ね鎮魂の祈りを捧げた。

このあと初日のゴールとなる秋保温泉まで移動し、走行距離は252.05kmとなる。

2日目は秋保温泉佐勘前で公開PCとともにスタートし「みやぎ蔵王えぼしリゾート」まで心地よいワインディングのドライブを楽しんだ。

「みやぎ蔵王えぼしリゾート」のカート・コースに設けられた4連続PCは難易度が高く、今回のラリーはここで勝負が決まったようだ。

闘いを終えた後は「せんだい青葉山交流広場」まで移動してゴールとなる。2日目は94.65kmで総走行距離は346.7kmとなった。

多種多彩のモデルが参加

唐沢氏が発起人なったことに加え、東北初の本格的なクラシックカー・ラリーだけに各地から120台が集まった。

各地のヒストリックカー・ラリーで見かけるおなじみのエントラントに加え、地元宮城をはじめ、福島、山形、岩手など東北エリアからの参加が多かったことが注目される。

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2日間で346.7kmを走りぬいて無事にせんだい青葉山交流広場へ到着。今回は東北エリアからの参加者が多かった。

その中には貴重なモデルが多くみられ、下手なミュージアム以上のバラエティに富んだ車種が並んだことは特筆したい。

画像ギャラリーではレアなモデルを中心に紹介しているので、ぜひご覧いただきたい。

また、今回はイギリス在住の世界的コレクターであり、ヒストリックカー・イベントに精力的に参加するブランドン・ワン氏が香港のエンスージァストとともに挑み、国際的な内容で行われた。

東北地方で初となる本格的ヒストリックカー・ラリーとなったGO!GO!ラリー in 東北は、楽しめるルートが多いことから東北地区の定番イベントとして成長することを期待したい。


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