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2019年は不作!?

 昨年のドラフト前に、球界関係者からはこんな声が聞かれました。

「今年のドラフトは不作だね・・・」。

 大船渡高校・佐々木朗希星稜高校奥川恭伸、明治大・森下暢仁の「BIG3」が突出しており、他の指名候補に際立った選手が少ないというのです。

 そういえば、5年前の2014年もドラフト前には同じように「今年は歴史的不作だ」との声が飛び交っていました。「ドラフトの評価は5年後に出る」は野球界の格言です。

 あれから5年経過し、本当に「歴史的不作」だったのか。「答え合わせ」をしてみましょう。

【巨人が一本釣りした智弁学園・岡本が不動の4番に】

【亜細亜大・山崎はハマの守護神に・・・ヤスアキジャンプこそDeNA成功の象徴】

 ヤスアキはあの年、外れ1位でDeNAに入団しました。DeNAと阪神はともに早稲田大・有原航平を1位指名しましたが、抽選で外し、再びヤスアキを巡って2度目の競合。すると、新興球団が交渉権を獲得したのです。

 1年目から、当時の中畑清監督がクローザーに任命したところ、ヤスアキは37セーブを挙げて新人最多記録を樹立。9回に登場する際の「ヤスアキジャンプ」は、満員の横浜スタジアムが一体化して勝利への流れを確固たるものにする「儀式」となりました。

 昨季は「新人投手として入団1年目から5年連続公式戦20セーブ」を達成し、自身の持つNPB記録を更新します。ハマスタの風景が大きく変わり、DeNAの球界参入が大成功した象徴的存在と言っていいでしょう。

【昨季は最多勝&最優秀防御率! 早稲田大・有原は4球団競合の末、北の大地へ】

 5年前の目玉は早稲田大の有原航平でした。DeNA、広島、阪神との抽選に勝ち、交渉権を獲得したのは日本ハムです。1年目は8勝6敗、防御率4・79の成績でしたが、パ・リーグの新人王に輝きます。パ・リーグの新人王になった投手では、史上最も悪い防御率での選出でもありました。

 しかし2年目、3年目には連続二桁勝利を挙げ、エース格として台頭します。そして昨季。自己最多となる15勝8敗、防御率2・46という文句なしの成績を残し、パ・リーグ最多勝をマークしました。

 昨季のパ・リーグは規定投球回に達した投手がわずか6人でした。けがや不調の先発投手も続出する中で、孤軍奮闘を続けた有原の功績はたたえられるべきです。

【富士大・外崎はドラ3で西武入団・・・ファンの熱烈な支持を獲得、チーム屈指のタレントに】

 上記の3選手は1位指名ですが、それ以外にもチームの中心になった男たちがいます。ドラフト3位で西武に入団した外崎修汰がここまでの選手になると予想した人が、いったい何人いたでしょうか。「球界の寝業師」の異名を誇った根本陸夫氏から脈々と受け継がれる「ドラフト巧者」の誇りが、そこにはあります。

 外崎は北東北大学リーグに属する富士大のキャプテンを務め、好打のショートとしてみちのく地区担当のスカウトからも評判でした。4年の春季リーグ戦では打率2割4分4厘と不振でしたが、秋には今秋は首位打者と優秀選手、ベストナインに選出。富士大の29年ぶりとなる春秋優勝に貢献し、そのキャプテンシーにも熱視線が注がれたのです。

 しかし、プロの壁は厚く、1、2年目は打率1割台と低迷。ところが3年目、レギュラーに定着して10本塁打を放つと、4年目には18本、5年目の昨季は26本と右肩上がり。

 登場時に流れるTUBEの「Miracle Game」でファンは盛り上がり、メットライフドームの空気は外崎カラー一色に染め上げられます。放つホームランは実家のりんご園にちなんで「アップルパンチ」と称されるなど、西武の誇る「山賊打線」には欠かせない強打者になりました。

 そんなわけで、どれだけ「不作」と言われようとも、プロでのさらなる鍛錬の結果、球界を担う好選手が出現することは間違いなさそうです。

 最後に一言。野球選手は作物ではなく、人間です。「不作」なんて言葉でまとめるのは、あまり感心できませんよね・・・。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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