Starbreeze Studiosは、現在開発中の新作FPSPayday 3』を2022年から2023年にリリースすると決定した。

 経営不振から再建申告を行い、現在立て直しを図っている同社が投資家向けに今後のキャッシュフローの見通しを発表した中でこれを報告。キャッシュフローは2022年を境に大きく改善が見込まれている。この見通しの理由が同社最大のヒット作の続編『Payday 3』のリリースで、2020年にはモバイルゲームPAYDAY: Crime War』の販売契約も締結されるという。

(画像はStarbreeze公式サイト「STARBREEZE PROVIDES ESTIMATE OF FUTURE CASH FLOWS」より)

 Starbreeze『OVERKILL’s The Walking Dead』の失敗および『ウォーキングデッド』の権利を持つSkybound Entertainmentとの決別による同作の販売停止などにより資金繰りが悪化。2019年1月には流動性資金が尽きるとし、2018年末にストックホルム地方裁判所に再建申請を提出、受理されたことを発表した。

 これを受け、2013年から同社CEOを務めたボー・アンダーソン氏と取締役会のクリストファーアーウィン氏は、Starbreeze取締役会および同社を退社している。

(画像はStarbreeze公式サイト「STARBREEZE PROVIDES ESTIMATE OF FUTURE CASH FLOWS」より)

 同社は経営再建のため、2019年6月には60人規模のレイオフを行った。そのほか、『System Shock 3』Psychonauts 2』、 および『10 Crowns』のパブリッシング権、さらにはインドのデベロッパーDrruva Interactiveを売却した。

 また、今回の発表で再建の一環として、Starbreeze Publishing ABとStarbreeze Studios ABに会社を分ける発表を行った。資産のほとんどは知的財産権であり、それらの権利のほとんどはStarbreeze Publishing ABに移管される。また、キャッシュフローも同社が生成するという。

(画像はStarbreeze公式サイト「STARBREEZE ACQUIRES THE FULL RIGHTS TO THE PAYDAY-FRANCHISE WITH AN INSTALLED BASE OF 14 MILLION USERS」より)

 Starbreezeが初めて『Payday 3』について言及したのは2016年。505 Gamesから『Payday』フランチャイズのすべての権利を買収した際だ。この取り引きの際、505 Gamesは4000万ドル(約43億5000万円)を上限に『Payday 3』の将来の売り上げの33%を得る契約が明かされた。キャッシュフローの発表では、『Payday 3』開発にはパートナーによる資金提供が行われるとされているが、名前が明かされていないため、これが505 Gamesなのかは不明だ。

 経営再建に伴う大幅な事業再建により、『Payday 3』の開発は不安視されていた。あくまで今後の見通しであり、形として見えてくるのはおそらく2022年上半期からであるため予断は許さない状態だが、再建と開発に向けて少しずつ動き出したStarbreeze今後に期待したい。

ライター/古嶋 誉幸

ライター
一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
Twitter: @pornski_eros